表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
田舎の町興しにダンジョン民宿を提案された件  作者: マルルン
2年目の秋~冬の件
916/918

“松江フォーゲルパークダンジョン”の攻略が始まる件



 フォーゲルパークの駐車場で、来栖家チームが探索準備をしていると係員がやって来た。そして相手がA級ランクの探索者チームと知ると、慌ててお偉いさんを呼びに戻って行く。

 ここまで運転してくれた島根の協会役員の2人は、偉い人が来るなら待ちましょうかとの構え。やはりスポンサーは、この時代も無碍(むげ)には出来ないようだ。


 ハスキー達は見知らぬ地で、ダンジョン入り口はどこだと鼻を鳴らして探している。茶々萌コンビもそれを真似して、今回も元気に関してはあり余っている。

 それはヒバリも同じく、今回もリードを持つ香多奈は早くもゲンナリした表情。とは言え、今から向かうのはA級ランクなので、この仔グリフォンに出番は無いかも。


 ルルンバちゃんに関しては、今回も《並列思考》を駆使して2台同時操作を行う予定。2号ちゃんも、後衛の護衛役にとちゃんと連れて来ている。

 前回は、ワープ移動で車の輸送の手間もなく連れて来れた。次の遠征はどうやって連れて行こうと話していただけに、この鏡のシェルター移動は画期的過ぎる。


 そんな感じで、一行がテーマパークの入り口に近付いた瞬間、お偉いさんらしき人が慌てて出て来た。そして挨拶をしながら、入り口ゲートまで案内してくれる。

 そんな訳で、お客に混じって入場料も払わず敷地内へと侵入を果たす一行。最初の植物公園は、冬だと言うのに派手な色合いの花が満ちていてとっても綺麗。


「うわあっ、この規模で現在も営業してるって凄いねぇ……お客商売は色々と大変でしょうに、頑張ってるんだねぇ」

「鳥はどこっ、この先にいるのかなっ? でもウチのチーム、ミケさんやヒバリがいるから入れて貰えないよねぇ。

 ミケさんとか、スズメとかをいとも簡単に捕獲するもん」

「そうだね、でもまぁダンジョンのエリアも、きっとこんな感じの風景だと思うよ」


 そうかぁと、護人の説明に納得の表情の末妹である。ミケに対して良かったねと振っているが、老猫(ミケ)も案外と狩人(ハンター)の血が騒ぐエリアとなっていそう?

 そんな期待と不安を胸に、案内されたのはガッチリとコンクリ壁で(ふさ)がれた小部屋だった。どうやらオーバーフロー対策に、こうやって備えているらしい。


 そのゲートは結構な大きさで、直径3メートル以上はある半円級だった。それを見て、中には巨大なタイプもいるねぇと姫香の推測の呟き。

 紗良も同意して、ワイバーンとかも出て来た筈と前情報を公開している。飛竜(ワイバーン)って鳥のカテゴリーなのかなと、不思議そうな末妹である。




 そんな感じで騒ぎながらの入場、ここからようやくの探索開始となった。今日は色々と前振りが多過ぎて、何だかスイッチの切り替えに苦労しそう。

 それは人間だけだと、ハスキー達は完璧に探索の緊張感を身に(まと)って先行していた。さすが歴戦の勇者達である、来栖家の切り込み隊は今回も頼りになる。


「うわっ、本当に派手な色の植物園だねっ……さっきの入り口より凄いかも、こんなこと言ったら営業妨害になっちゃうかなっ? 

 でも凄いね、これは見応えバッチリだよ!」

「そうだねぇ、でもここは既にダンジョンの中だからねっ、香多奈ちゃん。敵もバッチリ出て来るし、植物系のモンスターも出て来るのが報告に上がってるよっ。

 みんなも、待ち伏せ型の植物系の敵には充分に注意してねっ」

「了解、今回もルルンバちゃんは中衛でいいのかな? 香多奈はちゃんと、ヒバリのお世話して暴走しないように止めておくようにね」


 分かってるよと怒ったような末妹の返答、それを無視して進んで行くハスキー達前衛陣。ここは完全に全天候型のテーマパークを(うた)っており、屋根が張られたドーム内施設だ。

 タイルも綺麗に張られており、ダンジョンもさぞかし創造時には楽しかっただろう。そして早速出現したのは、パペット兵とウッドゴーレムの群れだった。


 パペット兵は、蔦が絡んで標準サイズよりやや大きいかも。その蔦はオレンジ色の花を幾つか咲かせていて、何というか目立つ敵ではある。

 ウッドゴーレムなどもっと酷くて、蔦絡みの上に、何と木の胴体に巣箱が打ちつけられていた。果たして、あの中に小鳥は棲み付いているのだろうか?


 そんな余計な事を考えてしまう子供たちだが、ハスキー達は無関心に燃やしたり(つち)で破壊したりと暴虐の限りを尽くしている。コロ助の武器だが、今は『電磁ハンマー』をメインに使用中。

 愛用の白木のハンマーは、戦闘で酷使し過ぎたために既にボロボロに。修理してあげたいが、現状は代用品で我慢して貰うしかない。


 とは言え、この『電磁ハンマー』も雷撃がついていたり、耐性や能力値アップがついていたりと良品である。ただ単に、振り回す形状として前の方がコロ助の好みだったと言うだけ。

 そんな感じで、半ダース余りの敵の第一弾は呆気なく退場の運びに。このダンジョン、親切にルート案内板まで出ていて探索者にはとっても親切かも。


 あちこち迷わなくて済むのは利点だが、テーマパークは敷地も広くて探索に回るのは大変そう。前情報では、ルート通りに進めばゲートは発見出来るとの話。

 ちなみに、魔素濃度はまぁ高くて施設の人にもくれぐれも(よろ)しくと釘を刺されてしまった。そんな訳で、今回も10層かそれ以上の間引きは決定済み。


「それにしても、回る道順が決まってるダンジョンってのも珍しいね。こんな感じで、次の層のゲートの位置まで案内してくれるのかな?」

「前情報では、親切にもしてくれるっぽいね……ただし、ゲートキーパー的な敵が配置されてるみたい。中ボス程じゃないけど、階層ボスを倒さないと階層渡りが出来ないみたいだよ。

 そう言う意味じゃ、さすがA級指定だけはあるかな?」

「そうなんだ、それは気を引き締めて行かなきゃ……あっ、そこの扉でエリアが変わるね。元がテーマパークだから、ここってエリアの境目がクッキリ違うんだね。

 面白いって言えば、まぁそうなのかなぁ」


 姫香の指した扉で、いったん植物エリアは終了らしい。綺麗だったのにと、撮影役の末妹は名残惜しそうに植物園を最後にフレームに収めて一行の後に続く。

 そして次のエリアを見て、ナニコレって素っ頓狂(とんきょう)なリアクション。



「わっ、今度は一転して岩だらけの寂しいエリアだねっ! ここは植物の展示も寂しいし、って事は鳥の動物園エリアかなっ?」

「そうみたい、向こうからペンギンがやって来た……アレはペンギンで良いのかな、何か装備を着込んでやたらとマッチョだけど。

 ああっ、ペンギン獣人って感じのモンスターなのかな?」

「そうみたいだねぇ、ペンギンが獣人化したらああなるんだぁ。もっと可愛くなるかなって思ったけど、マッチョかぁ……」


 そう言って顔を(しか)める紗良は、出現したペンギン獣人に否定的な視線を送っている。そんな彼らは、フリッパーで相手をぶん殴ってやると気合充分。

 それはもちろんハスキー達も同様で、風を巻いて即座に出現した敵へと襲い掛かって行く。そして壮絶な殴り合い、そこにやや遅れて茶々萌コンビも参入する。


 白熱する戦いに、続いて姫香も参加して敵を押し返す作業。ペンギン獣人の集団は、10体近くいて意外と数が多くて暑苦しい。

 それが密集態勢で、意外と統制の取れた戦い振りを示してハスキー達も攻めあぐねている。そこに姫香の《豪風》込みでのスピンアタックが炸裂。

 固まっていた獣人達は、ボーリングのピンのように吹っ飛ばされていく。


 その機を逃さず、後は各個撃破でこの戦いはようやくの終了へ。初っ(ぱな)からなかなかの激闘だったが、姫香はさすがA級ランクだねと気にした素振りも無い。

 ハスキー達も同じく、怪我は無いよと身振りで示して再び先行してチームを導いて行く。茶々萌コンビも姫香に呼ばれて、元の中衛の位置へ。


 今回は中衛で出番のなかったルルンバちゃんだが、慣れてないので仕方がない。いつもは末妹の命令でレーザー砲をブッ放したり、護人の射撃に合わせて攻撃するのだ。

 その両者が隣におらず、前衛寄りの動きをと突然言われても戸惑うのも当然だ。それでも前衛の経験も何度かあるし、その内に慣れて来るよと姫香は気にしていない。


 後衛からも、今回は肉弾戦メインだよと言われて、改めて頑張ろうと奮起するAIロボ。ただし位置取りは慎重に、何しろたまに前が見えないと末妹からお叱りの言葉が届くのだ。

 魔導ゴーレムの巨体も、盾役には最適だが視界を(さえぎ)ったりと良い事ばかりではない。ルルンバちゃんのせいでは無いのだが、その辺も考え処ではある。


 一応、彼の機体にも撮影用のカメラはくっ付いているので、ハスキー達前衛陣の活躍は撮影に不便はない。ただし、やっぱり慣れない位置取りにモジモジしてしまうAIロボであった。

 まぁ、中衛の戦力を厚くするってのは、護人の提案で姫香の負担を考えての事。後衛には2号ちゃんも追加されたし、ルルンバちゃんはそもそも万能型である。


 器用に前衛や後衛サポートもこなす彼だが、経験のなさと前に出ない性格のせいで当分の間は苦労しそう。その点は、同じく中衛の姫香が面倒を見る予定。

 そんな事を考えながら、進む来栖家チームはペンギンエリアを抜けて次のコーナーへ。建物の変わり目の扉を抜けると、そこは浅い水場の広がる湿地エリアだった。


「なんか、コロコロと風景が変わるねぇ……建物が連なってるダンジョンは、何度かチームで探索した事はあるけどさ。

 出て来る敵も変わるんなら、こっちの対応も大変だよね」

「確かにそうだな、まぁ植物系と鳥型のモンスターがメインなのは分かっているけど。そうは言っても……おおっと、今回は団体様のお越しだな。

 綺麗と言ってられないな、あれもモンスターだろうから」

「うわあっ、でもすごく綺麗だよっ、叔父さんっ! アレは何て言う鳥なの、紗良お姉ちゃん?」

「フラミンゴかなぁ、羽毛が見事なピンク色だねぇ……アレは食べる餌の色素によって、染まってるって聞いた事があるかなぁ。

 それにしても、20匹以上いるのは酷過ぎっ!」


 毎度の紗良のウンチクの後には、見事に敵集団への非難がくっ付く事態に。確かに群れを成す生態を、そこまで忠実に再現しなくても良かろうに。

 護人はすかさず『射撃』スキルで、ルルンバちゃんに声を掛けての先制攻撃。空を覆う赤い鳥の群れは、どこに撃ち込んでもヒットしてくれる。


 指示を貰ったAIロボも、嬉々としてそれに参加を始めてくれた。ついでに肩の上のムームーちゃんも、護人(父ちゃん)の役に立とうと魔法攻撃を開始する。

 敵のフラミンゴは、(くちばし)も鉤爪もモンスター仕様で遠目から見ても凶悪なフォルム。それが来栖家チームの遠隔攻撃により、振る舞われる前にバタバタと倒されて行く。


 地上で待ち受けるペット勢は、自分たちの分も残しておいてってな表情。護人の正確な弓矢攻撃に加えて、ルルンバちゃんのレーザー砲&魔銃の砲撃がえげつない。

 それに加えて、ムームーちゃんの魔法の品揃えは、炎~氷や闇属性までバラエティに富んでいる。お陰で、チームに接近する敵の数は大幅に減ってくれた。


 それらを武器で退治するハスキー達は、何故かちょっと悲しそうと言う。茶々丸は全く気にせず、地上すれすれを滑空している敵に『突進』を繰り出している。

 器用な戦い方だが、相手は残念ながらそんなに器用では無かった。着陸態勢を狙われて、相手に一矢報いる事も出来ずにとうとう全滅してしまった。

 結果、周囲にはあちこち転がる魔石のみという有り様。





 ――そんな訳で、A級ランクのダンジョン探索も何とかなりそう?







『ブックマークに追加』をしてくれたら、ムームーちゃんが肩に乗ってくれます♪

『リアクション』をポチッてくれれば、萌が巨大化して背中に乗っけてくれるかも!?

『☆ポイント』で応援しないと、ヒバリに嘴でつつかれちゃうぞ!w

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ