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田舎の町興しにダンジョン民宿を提案された件  作者: マルルン
2年目の秋~冬の件
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年末も差し迫って山の上も慌しくなって来る件



 新人ズ4度目のダンジョン探索も無事に終わって、これで“ニュータウンダンジョン”の間引きも遂行された。協会に報告に行ったキッズ達は、能見さんに褒められてホクホク顔。

 向こうもキッズチームを送り出すのに、冷や冷やしながら待っていた模様。保護者同伴とは言え、べったりくっ付いて行動する訳では無いのだ。


 戦闘の際に事故があったり、そんな可能性も皆無ではない。大人としては心配するのは当然で、何しろ相変わらず新人探索者の事故率は高いままとの話。

 それでも依頼料を(あかね)に渡して、両者ニッコリで協会への報告は終了となった。ちなみに、魔石やその他の販売額は80万円と過去最高。


 依頼料と合わせて、個人の分け前は18万円程度となった。自分達の力で稼いだお金を手にして、子供たちは良い笑顔。

 それから魔法のアイテムは2つ、そんな良品では無かったけどC級ランクの出物ならこんなモノだろう。薬品系は、残念ながらレア物は出ず販売額は伸びなかった。

 ただまぁ、怪我人も出ず総じて今回の探索は良かった。



【庭師の作業着】装備効果:土耐性&物理耐性up・小

【庭師の剪定鋏】装備効果:不折&鋭刃・小


その他:『強化の巻物』(攻撃)×1




 他の回収品に関しては、中ボス戦で出たスキル書が2枚ほど。こちらは残念ながら、相性チェックでキッズ達の誰にも反応せずの結果に。

 自転車やその他の回収品は、仲良くみんなで分ける事に。家族のお土産用やら、自分で使う用に持って行かれる盆栽や自転車、バーベキューセットなどなど。


 そして戻ってからのおはぎ大会、怜央奈(れおな)とみっちゃんは大張り切りで制作を手伝ってくれた模様。頑張って探索をした子供たちは、そのご褒美にたんと召し上がれ状態。

 双子ももちろん招待して貰って、来栖邸にお呼ばれして夕食までいる流れに。その後は、責任をもって護人が熊爺の家へと送って行った。

 こうして、新人ズの4度目の探索は本当の意味で幕引きに。




 さて、来栖家の宴会事情だが、離れの集会所が完成して劇的に利便性が向上してくれた。具体的には、参加者が押し合いへし合いしなくて済むように。

 トイレに行くにも一苦労、お皿の配膳も自分のスペースなどあってないようなモノだったのだ。今では、移動やスペースの苦労がほぼなくなってくれた。


 これには酒飲み集団も大感激、それはお酒を飲まない子供たちにしても同じ事。料理を配膳する側にしても、感動する位に利便性は良くなってくれた。

 これには、ノームの施工主に依頼した護人も大満足である。かなりお金は掛かったけど、命懸けの探索業で稼いだお金の良き使い道ではあった。


 そしてそのノーム集団に、護人は一度も会った事が無いと言う不思議。どうやら向こうは相当な人見知りらしく、交渉はほとんどリリアラにして貰った。

 直接お礼を言いたかったのだが、今の所はそれも叶っていない次第。そのうちに、異界の隠れ里に行って面会を願い出るのが良いのかも。


 各々がそんな事を考えながら、賑やかな集会所を見遣って満足そうな表情に。今夜も、新人ズ4回目の探索成功記念で宴会が行なわれる予定。

 紗良や美登利(みどり)や小鳩など、いつものメンバーは慣れない台所で料理の腕を振るっている。山の上に戻って来た連中は、すぐにオヤツでおはぎを食べたのでお腹は空いていない筈。


「この集会所はいいな、伸び伸びと食事が出来るって素晴らしいぞ、姫香。何が一番かって、酒飲み集団と距離が取れるのが嬉し過ぎだ。

 これでザジ師匠に、無理に酒を勧められる事態も防げるな」

「まぁ、酔っ払いの行動を制御出来るかは不明だけど、距離が取れるのは良い事だよね。紗良姉さんも、配膳とかがしやすくなったって喜んでたし。

 それより、運び込んだ家具とかも良い感じで映えてるね」

「良い感じだよね、お昼はさっそく塾の教室に使ってるみたいだし。使いやすいって、先生も子供たちも喜んでたよ。

 残念なのは、雪が積もると麓の連中は上って来れなくなる点かな?」


 それはもう仕方ないねと、自然には(あらが)えないと口にする姫香である。陽菜(ひな)も他は素晴らしいのになぁと、田舎の不便さを嘆いている。

 それに割り込むように、でも雪遊びは激アツだよと妙な香多奈の合いの手が。確かにハスキー達による犬橇(いぬそり)遊びは、陽菜も経験したが楽しかった。


 何しろ香多奈や(りょう)と、2人乗りしてもコロ助などは平気で速度を出してくれるのだ。そんな遊びを、田んぼの敷地や山の斜面を利用して今回のお泊まりでも堪能してしまった。

 みっちゃんも同じく、キッズ達以上に(はしゃ)いでいて良い思い出になったのは間違いない。そう言う意味では、お泊まり会をとっても楽しんだ両者であった。


 怜央奈に関しては、そんな友達を撮影したり妖精ちゃんに錬金術を習ったりと独自の路線を進んでいた。紗良からも料理を学んだりと、彼女もお泊まりの期間を充実して過ごしていた模様。

 12月の今回は、先月の反省からやや短く1週間程度で留めておく泊まり会である。そして来月だが、年末年始のお邪魔はさすがに遠慮して、1月の青空市前に来るとの申し出。


 そして来月も、ザジ師匠とチームを組んでダンジョン訓練を勤しむ予定みたい。そう言う点では、敷地内のダンジョンを上手く利用してくれている。

 今夜の宴会は、そんなお泊まり組の送別会(?)も兼ねており、一際盛り上がる予定。もっとも、酒が入れば呑兵衛(のんべえ)の集団は毎回勝手に盛り上がるけど。


 ところで、そんな集会所の大広間は本当にテニスコートくらいの広さがあって素晴らしい。そんな空間を、来栖家とそのお手伝いが色々と家具を運び込んで(いろど)った次第。

 まずは露天風呂の脱衣場に無理やり置いてあった、『夢幻のタンス』や『安寧のソファ』を配置。それから灯りは、『発光水晶』を使ってちょっと神秘的な演出など。


 ついでに暖房や夏の冷房は、『温保石』と『涼保石』を一部使用する予定。電気に関しては、『魔導の発電機』の予備があるので全く心配は無い。

 掃除に関しても、ルルンバちゃんもいるし高い所は『魔法のはたき』が自動清掃をこなしてくれる。こんな山の上だが、時代の最先端を行く技術を有しているのは凄いかも。


 そして塾のスペースには、前回の図書館ダンジョンから回収して来た本を設置する。大きな本棚を手作りして、もちろん『異界動物図鑑』や『異界植物図鑑』などの図鑑も置いておく。

 ただし、さすがに『美振の魔ハープ』や『美振の魔琴』は、教材用には置く事はちょっと無理。立派な楽器には違いないのだが、効果に『魅了』を発揮するので下手に鳴らせないのだ。


 残念ではあるが、普通の楽器なら幾つかあるので子供たちにはそれを使って貰う事に。まぁ、この寒くなった時期でも子供たちは元気で外で遊び回っているけど。

 そんな感じで、今の所は山の上では偉大な音楽家は生まれそうにない。ただまぁ、異世界チームのムッターシャやザジ師匠は偉大な指導者でもある。


 なので、将来は最強の探索者ギルドが出来るのは間違いはない。尾道在住の陽菜なども、実はこっそりギルド『日馬割』の新規メンバーを募集していたりする。

 そんな感じで、将来的には県内中にメンバーが散在する未来もあるのかも。



「陽菜はウチのギルドで、実は一番の野望の持ち主なのかも知れないねぇ。私も広島で一番大きなギルドにとか、そこまではさすがに思わないや。

 一番強いギルドにってのは、ちょっと思うけどなぁ」

「そうだな、私もそこまで野望を持っている訳じゃないんだが。少なくとも尾道近辺で、女子だけで1チームを作りたいと思っていてな。

 そのついでに、ウチのギルドに勧誘しようって思惑ではある」

「そしたら、気軽にこの拠点に連れて来れまスもんねっ……そしたら師匠に教えを受けて、みんなで実力アップして行けて私も良いと思いまスよっ!

 ゆくゆくは、広島の各地に何チームかギルド仲間がいたら楽しいっスね!」


 そんなポジティブ思考のみっちゃんだが、将来についてはさすがに不透明で何とも言えない。それでも家族や友達のパワーを集めたら、何でも出来そうって思ってしまう。

 そう話し合う少女たちの前では、香多奈やキッズ達が宴会の準備に追われていた。机を並べたり座布団を用意したり、人型になった萌やドローン形態のルルンバちゃんを従えて忙しなく働いている。


 それでも楽しそうなのは、子供特有の何でもゲーム感覚で行える才能のためだろうか。ついでに台所から漂って来る良い匂いに、皆が上機嫌なせいってのもある。

 時刻も夕方を過ぎて、お隣さん連中も続々と夕食を食べに集まり始める。中には、手土産にとタッパーにおかずを詰めて来る者も少数だけ。


 ムッターシャや小島博士は、自前の酒瓶を持参する周到さ。この両者は、お酒を飲む会となると途端に仲良く引っ付く属性がある。

 そんな両者の着席を見届けて、なるべく離れた場所を確保する凛香(りんか)チームの面々はさすが。子供に悪影響を及ぼさないよう、配慮は当然すべき。


 その他の席順だが、ゼミ生は一応博士の周囲へと着席してくれる。ある程度の酒飲みの面々も席を固めてくれるのでその点は有り難い。

 宴会場がほぼ埋まった頃、自治会の所用で麓へと降りていた護人も戻って来た。それを見た面々が、主役の登場だと騒ぎ立てて宴会はいざスタート。


「何を騒いでるんだか、護人さんは今日は関係無いでしょうに。取り敢えず、紗良姉さんも呼んでるし料理は出来て来たみたいだね。

 みんな、配膳するのを手伝って」

「ようやく夕ご飯っスか……お腹空いたんで、早く食べましょうっ!」


 そんないい加減なやり取りから、始まる何度目かの山の上の宴会であった。それを仕切るのは毎度の姫香で、今日は新人ズのお祝いとお泊まり組の送別会だよと発言する。

 それを受けて、盛り上がる面々だが一番騒がしいのはやはり酒飲み集団だった。護人も家族の元に集合して、人心地ついての食事の開始。


 そこにすかさず、ミケとムームーちゃんが寄って来て主の膝を占領する。こんな時は仲の良い両者、安住の地を得ると同時に主の用心棒をすると言うウィンウィンの関係である。

 それから料理組の紗良達も合流して、後の配膳は各自が行なう流れに。そうしないと、紗良や美登利は皆が食べ終わるまで食事が出来ない。


 それから食事会も中盤になると、ようやく新人ズ達への(ねぎら)いが始まった。探索動画を備え付けのテレビで流したり、それについて周囲がコメントを発したり。

 ついでにお泊まり組にもまた来月ねと話をして、12月の宴会は更なる盛り上がりへ。毎度の事ながら、大人数での食事会は賑やかな限り。

 外は真冬の寒さだけど、集会所の中は暖かで良い雰囲気。





 ――そんな山の上は、年末も近付いて次第に(あわただ)しくなって行く事に。







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