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田舎の町興しにダンジョン民宿を提案された件  作者: マルルン
2年目の秋~冬の件
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隠し部屋を発見して家族で騒ぎ立てる件

気付けば『PV195万』『ユニーク25万』達成していました。

お話が先行(1100話)している『カクヨム』と合わせると、『PV500万』になりますね!

皆さん、いつも応援ありがとうございます^^




 中庭みたいな広場から、次の層へのゲートは5分も掛からなかったようだ。その途中で遭遇したヤモリ獣人の群れを始末したハスキー達は、ゲートを見付けたよとご主人に報告する。

 このダンジョンに潜っている目的は、間引きとは関係ないのでどんどん進むのが正解である。そんな訳で、護人は素直にゴーサインを出していざ4層へ。


 ここも同じく遺跡の迷宮エリアで、恐らく5層まで大きな変化は無さそう。紗良はいつの調子で『魔法の地図』を使用して、出来た解答用紙を末妹に渡す。

 それを眺めるゴーストメイドのヘスティアは、ちょっと微妙な表情なのは仕方がない。一応彼女は、お目付け役の立場で一行について来ているのだ。


 その割には魔法の呼び鈴で、コイン探しを手伝ったりして中立性は微妙ではあるけど。ちなみに今回は、さすがにその呼び鈴の使用は禁止を言い渡されたそう。

 2人の死霊王も、さすがにアレは(ずる)いと感じた模様。


「さあっ、お昼も近いし探索ももう少しで半分来た感じかなっ? 残りも頑張って、この面倒くさいダンジョンを無事に終わらせようっ!

 そんで、集めたコインでまた凄い報酬をゲットだよっ!」

「まぁ、確かに貰えたアイテムは凄かったけどさ。次も同じ感じで貰えるとは限らないし、あんまり信用し過ぎちゃダメだよっ。

 向こうは、こっちとは全然違う生き物なんだから」


 そう言うのは差別だよと、良く分からないいつもの姉妹抗争が始まりそうな中。こちらもいつも通りに、姉の紗良が取り成して探索の再開の運びに。

 香多奈の指示出しで、ハスキー達はようやく進む順序をインプット。正しい道のりを進んで、立ち(ふさ)ぐ罠やモンスター達は殲滅(せんめつ)して行く気満々である。


 そしていきなり、サソリ獣人とミノタウロスの混合軍と遭遇してバトルに突入。3メートル半級の巨体が混じると、さすがの通路も狭く感じてしまう。

 それを難なく倒して行く、ハスキー軍団と茶々丸と萌のチビッ子軍団。茶々丸は何故かぴょんぴょん飛び跳ねて、敵を思い切り攪乱(かくらん)して回っている。


 この層も引き続き前衛のルルンバちゃんも、こんな突発の戦闘にもしっかり参加していた。武器を振り回しても、ハスキー達は体高が元々低いので敵の上半身を狙えば平気。

 逆に向こうは、上と下からの攻撃を警戒せねばならないので大変である。そんな感じで、強敵の筈の集団も5分と掛からず完封してしまう来栖家チーム。


 そして嬉しそうに魔石を回収するルルンバちゃん、姫香がご苦労様と前衛陣に(ねぎら)いの言葉を掛けている。後衛の末妹からも、次はアッチだよと順次ルートの指示が飛んで来る。

 護人と紗良は、後衛でお昼をどのタイミングで取ろうかと話し合っていた。『魔法の地図』の使用で途中からスムーズに進んでいる探索だが、やはり連日の労働で疲労の蓄積は早い気もする。


 その為に、休憩は早めに取るのが良いだろうと意見は一致するも。こんな迷路仕様のダンジョン内では、適当な場所を見付けるのも大変である。

 何しろ罠の設置も多いし、周囲は壁だらけで閉塞(へいそく)感は半端無い。せめてお昼時くらいは、リラックスした環境で楽しく食べたいとの保護者の意見はごもっとも。


 それを聞いた香多奈が、この層にもさっきみたいな中庭風の場所があるねと報告して来た。それならそこで休憩にしようかと、呆気無く方針は決定する流れに。

 そして道順の指示出しのついでに、もう少しでお昼ご飯だよとペット達に通達する末妹。それで張り切り始めるハスキー達は、揃って食いしん坊集団なのかも。


 それはともかく、4層の探索も至って順調で、前衛陣は遭遇する敵を何事もなく片付けて行く。姫香も時折戦闘に参加して、午前中の運動も程々に行なっている。

 茶々丸と萌のチビッ子コンビも、無理なく戦いに参加してその点は姫香の監視の成果かも。これによって、無理をしない塩梅を茶々丸が体で覚えてくれれば大成功。



「あっ、ここが香多奈の言ってた4層の空き地だね……ここも強そうな敵がいるっ、みんなで片付けてお昼休憩に入るよっ!」

「姫香お姉ちゃん、頑張って……茶々萌コンビは程々にねっ! うわっ、あの蛇女さんは何て言うモンスターだっけ、紗良お姉ちゃん?」

「あれはラミアかなぁ、確か魅了とか精神攻撃系のスキルを持っていた気がするね。ルルンバちゃんに相手をして貰うのが、多分だけど一番無難かなぁ?

 あっ、でも動く甲冑もいる……あいつも強いかもっ?」


 そんな訳で、護人も前衛に出ての中庭風エリアの討伐戦に参加の運びに。敵は雑多にいて、サソリ獣人が1ダースにラミアが2体、それから動く甲冑戦士も2体いた。

 中庭風の空間は、中央にレンガ造りの丸い泉まであって割とお洒落。その泉の左右から、中庭にいた敵軍が2手に別れて襲い掛かって来ている。


 こちらもハスキー達とルルンバちゃん、姫香と茶々萌コンビで2手に別れての通せんぼ。遅れて参戦した護人は、自然と数の少ない姫香たちの方へ参加する。

 相変わらず数の多いサソリ獣人は厄介で、そこに魅了の厄介なラミアと硬い甲冑の戦士は良いチーム組みかも。甲冑戦士は巨大な剣を振り回し、攻撃力もありそうだ。


 そんなの関係ないよと、ムームーちゃんが無慈悲にも《闇腐敗》で硬い筈の甲冑を溶かして行く。可哀想な程に見せ場も無く、早くも退場の()き目の甲冑戦士。

 反対にラミアは、邪眼を発動してチビッ子たちを魅了しようと頑張っていた。護人はどうやら、子持ち(ムームーちゃん)のせいかモテなかった様で残念な限り。


 そしてチビッ子コンビも、グラマラスなお姉さんの魅力には気付けなかった模様。遠慮なくサクサクと槍で小突かれ、こちらも哀れな早期退場の蛇女である。

 姫香は真面目にサソリ獣人の数減らしに挑んで、既に3体ほど始末していた。戦いながらもチビッ子たちに声を掛けて、そのサポートも本当に素晴らしい。


 茶々萌コンビは言われた通りに、槍の穂先で次々とサソリの毒尻尾をちょん切って行く。その所業を護人にも褒められて、割と有頂天なチビッ子たちである。

 最終的には、全員に怪我も無く圧勝出来てしまった。


 そしてお隣の戦闘風景を見てみると、こちらもレイジーとルルンバちゃんの火力で圧倒していた。コロ助もハンマーを振り回し、お陰でツグミはフォローだけで済んでいるよう。

 向こう側も、厄介なラミアと甲冑戦士は既に姿を消して順調っぽい。レイジー達も剛腕振りを発揮して、殲滅速度は護人達の方とほぼ変わらず。


 残りの1体も、ルルンバちゃんのパンチを浴びて呆気なく魔石へと変わって行った。そして嬉々として、落ちた魔石やドロップ品を拾い始めるAIロボである。

 サソリ獣人は甲殻素材や毒薬入りの瓶、それからたまに金貨をドロップするので床の上は賑やか。剣や短剣も混じっているので、ひょっとしたらラミアや甲冑戦士のドロップなのかも。


 それらを家族も手伝って拾い集めて、ようやく広場の安全は確保出来た。幸いにも泉の水は清涼で、それを囲う煉瓦(れんが)堀は腰掛けるベンチにもうってつけ。

 そんな訳で、来栖家は手分けしてお昼の準備に取り掛かる事に。



「ルルンバちゃんの前衛はどんなかな、護人さん……1回は罠の解除でポカしちゃったけど、その後はまずまず頑張ってくれてる感じがするんだけど」

「そうだな……確かにハスキー達だけだと、万一罠が発動した時が怖過ぎるからな。ルルンバちゃんが側に(ひか)えて貰えてたら、こっちも安心感が随分違うかな。

 経験を積むためにも、午後もこのままの布陣でいいかい、ルルンバちゃん?」

「頑張るって言ってるね、でも転移トラップはちょっとトラウマになりかけてるかも? あの罠が怖いってより、独りになるのが心細いのかもねぇ?

 ほら、ルルンバちゃんって寂しがり屋さんだから」


 寂しがり屋のAIロボってのもどうかと思うが、家族の面々はそうだねぇと総じて同意の素振り。何しろ来栖家は、ペットや家畜を含めると凄く賑やか家族なのだ。

 最近は、山の上のお隣りさんの人数も増えて、しかも食事などで頻繁に交流がある。みんなルルンバちゃんに親切で、あちこちで心温まる交流がなされている。


 それを思うと、こんな怖いダンジョン内で独り強制ワープは怖過ぎるだろう。怖かったよねぇと末妹に気遣われ、AIロボは同意のボディランゲージ。

 その間にも、家族は紗良が用意したお昼を満喫中。貧相でゴメンねと謝る長女だが、お握りの数は普段と変わらずお腹は充分に満たせている。


 おかずに関しても、今やお肉はドラゴン肉一択となっていた。昨夜、メイドのヘスティアに相談したところ、何か獲物を狩ってこようかとの返事だったので。

 それは丁重にお断りして、怪しい素材のお肉の入手を阻止した次第。まかり間違って、オーク獣人などを狩って来られても処理に困ってしまう。


 お米と漬け物は、大量に魔法の鞄に仕舞っていたので1週間程度なら余裕で持つ。ただし、お肉系は鮮度などの関係で多くは所持していないのだ。

 とは言え、ハスキー達はお裾分けで貰えたドラゴン肉には満足そう。ジャーキーよりも余程美味しそうで、それぞれ食欲を満たしている。


 そんな家族のお昼の間、ルルンバちゃんは邪魔にならない所をお掃除中。これは魂の問題なので、子供たちも()えて止めたりはせずに放置している。

 そんなAIロボが、何となく壁の切れ目を気にする素振りをしている頃。食事を終えての腹ごなしにと、ムームーちゃんは泉に入り込んで泳ぎ始めてしまっていた。


 この軟体幼児は、実は水の中が大好きで平気で数時間は潜っていられる。水陸両用なのは、動きが極端に遅い生物には有用な特性なのだろう。

 そして水の中に入ると、軟体スライムのボディは格段に見つけにくくなる。どこにいるのとの香多奈の問いに、たまに水の上に顔を出すムームーちゃんである。


 そんな遊びをしていると、不意に軟体幼児が水の中に妙なスイッチを発見したと報告して来た。スイッチと言うかレバーと言うか、とにかく動かせる装置が隠されていたらしい。

 それに興奮する末妹と、何だか嫌な予感に包まれる護人である。姫香は慎重にしなさいと警告を飛ばしているが、妖精ちゃんまで押せ押せコールを発動する始末。


 そんな訳で、素直なムームーちゃんはそのレバーを引いて回る事に。ちょっとだけ問題だったのは、そのレバーが色んな箇所に4つ並んでいた事。

 それを順番通りに引いて行く軟体幼児は、その行為を楽しんでいる模様。そしてレバー操作の度に、広場の両側の隠し扉がガタンと大きな音を立てて開いて行くと言う仕掛けが作動。


 そして最初に開いた扉の中だが、何と巨大な目玉がギューギュー詰めになっていた。それを見て、思わず絶叫する紗良と香多奈はとっても良いリアクション。

 すかさず反応したのはレイジーで、そいつ等に向かって炎のブレスを放っての殲滅へと動き出す。その間にも隣の扉が開いて、その小部屋には動く宝箱と陽気に踊るサーベルの姿が。


 その中のミミックは、人を(だま)す戦略を放棄して派手な中庭での戦いに参加する意気込み。慌てた護人だが、何とかそれを阻止しようとブロックに動く。

 踊るサーベルは3本も宙を飛んでいて、合計で4体の敵の追加である。ちなみに目玉の方だが、数えるのも嫌になるくらい小部屋に詰まっている状態。


 ルルンバちゃんも参加して、何とか部屋から(あふ)れ出すのを阻止している。その動機だが、せっかく掃除した場所を汚されたくないって感情が働いているせいかも?

 そんな中庭空間だが、3つ目の隠し扉が開いて更にパニックに拍車が掛かる破目に。そこから元気に飛び出して来たのは、大量のマミーとそれを操るラミアだった。

 それを見た紗良と香多奈は、再び大音声で絶叫をかます。





 ――お昼を終えた中庭空間は、そんな感じで喧騒(けんそう)に包まれる破目に。







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