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田舎の町興しにダンジョン民宿を提案された件  作者: マルルン
2年目の秋~冬の件

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1005/1006

それぞれのチームが宝の門番と戦い始める件



 青い鳥は真っ青な大振りの宝箱になってくれたが、キッズチームがそれを回収するのはもう少し先になりそう。何故なら、一行を待ち構えるように3つ頭のケルベロスが模造の森から出て来たのだ。

 その巨体は、ルルンバちゃんとタメを張る程でかなり強そう。


 (うな)り声を上げる巨体のワンちゃんに、犬に慣れている一行は敵が出たぞと冷静に対処し始める。香多奈からの『応援』を受けて、まずは今回は前衛役の茶々萌コンビが立ち(ふさ)がる。

 左右から、(りょう)の姿の茶々丸と人型の萌が、ジャンプ力を活かしてのヒット&アウェー戦法。ノミのように飛び跳ねて、何ともすばしこい2体である。


 それが(わずら)わしいのか、ケルベロスは3つの口から炎を吐き出して応戦して来た。この炎だが、周囲の模造品の樹々には燃え移る事は無くて何より。

 もちろん仔ヤギと仔竜のコンビも、これを華麗に避けて被害は無し。ルルンバちゃんがいれば前衛を任せられたのに、悲しい事に本体は隣のエリアに置き去り。


 その辺は、巡り合わせの妙と言うか今更言っても仕方がない。とか思っていたら、心配してついて来た飛行ドローンが、果敢に戦場に参加を決め込んで来た。それに勇気を貰ったのか、左右からの茶々萌コンビの攻撃が更に熾烈に。

 両者の持つ槍は、どちらも一級品で軽量なチビッ子が持っても破壊力は凄い。お陰でジャンプと立体機動からの攻撃が、洒落(しゃれ)にならないダメージを与えて行く。


 仕舞いには、AIドローンの魔銃が1発も当たらない内に、ケルベロスはヘロヘロ状態に。強面(こわもて)で迫力のあった宝箱の番人だが、見せ場はほぼ来ず戦闘は終了。

 まぁ、巨体だけあってタフではあっただがそれだけ。ルルンバちゃんの手助けの前に、茶々丸の『ヴィブラニウムの槍』に首筋を貫かれてお陀仏(だぶつ)となった。


 そして魔石(中)とスキル書をドロップ、それを見て喜ぶ素直な香多奈である。それから皆で宝箱の前に集合して、(ねぎら)いの言葉と宝箱の中身チェック。

 今回は戦闘に参加しなかったヒバリとムームーちゃんも、何となく役割分担って言うのを理解し始めたみたい。全部の敵と戦うのではなく、お兄ちゃん達にも活躍の場は譲るべきって分かって来たのかも。


 それは大いなる進歩で、それも大事なチームワークである。その点も褒めながら、末妹は青い宝箱を開けて中身を調べ始める。

 出て来たのは、鑑定の書や薬品類や魔玉(炎)などの定番品が少々。それから魔石(中)が6個に、宝石や金貨の類いがたくさん……と思ったら、宝石はあめで金貨はチョコだった。


 それはどうでも良いのだが、他には何故か観葉植物や招き猫の瀬戸物など開運効果のアイテムばかり。その中に、さっき飛んでいた青い鳥も入っていて香多奈は驚きのリアクション。

 これを一体どうしろと、小首を傾げる一行だが魔法アイテムの可能性もある。そう思うと、途端に値打ちモノに見え始めてしまう不思議。


 そんな訳で、その場の回収作業も終わってひと息つくチビッ子チームである。後は休憩後に、ルルンバちゃんと2号ちゃんと合流を果たすだけ。

 まぁ、AIロボの本体は飛行ドローンでこっちに来ているのだが。案外と寂しがり屋さんらしく、その辺は仕方がないだろう。


「えっと、紗良お姉ちゃんと姫香お姉ちゃんの方も、何だか寄り道しているみたいだね。3層目は、どこもそんな仕掛けが多いのかなぁ?

 叔父さんの所とか、アスレ仕様みたいでエリア攻略大変みたいだよっ。ウチの方はまだマシだね、普通に歩けばゲートに辿り着けるから。

 そんな訳で、この3層もサクッとクリアするよっ!」


 そう意気込む末妹に、ペット達は頑張るのリアクションを返してくれる。それを受けて、香多奈も一番クリアを目指すよとヤル気満々。

 そこからエリアの境目まで戻って、何とか工場エリアへの帰還を果たす。そして待ってくれていた魔導ゴーレム2体と無事に合流を果たし、いざ探索の再開。

 この層が最後だとするなら、次に待ち構えるのは強敵の中ボスだ――





 その頃、護人は浮き島の上で金網デスマッチを行なっていた。相手は虎のマスクを(かぶ)った人型のデーモンで、筋肉マッチョの2メートルサイズ。

 普段の護人なら、間違っても取っ組み合いをしようとは思わなかっただろう。ただし、相手が武器も持たずかかって来いとの挑発に、いきなり刀で斬りかかるのは抵抗がある。


 人の良さに付け込む悪魔族らしいが、どっこい金網内での取っ組み合いは互角に進んでいた。護人だって若い頃は、プロレス番組を観ていて色んな技を知っている。

 ラリアットやコブラツイスト、パイルドライバーにジャーマンスープレックス。延髄(えんずい)蹴りにサソリ固め、風車式バックブリーカーにブレーンバスター。


 さすがにそんな大技は来ないが、普通にチョップやドロップキックは飛んで来る。寄り道したリングは、丁寧にロープが張られてついでに金網で囲われていた。

 この仕掛けは、護人が浮き島に着陸した途端に作動した、まるで探索者ホイホイみたいなモノ。掛かった本人としては不本意だが、敵を倒して出て行くしかない。


 それにしても、程よく効いた床のクッションはプロレス技を掛けるのに絶好の柔らかさ。そしてどうやら、“四腕”の発動もギリギリセーフの模様で良かった。

 確かに、超人トーナメントではもっと派手なレスラーがわんさか出ていた。それを思えば、腕が2本増えた位は卑怯でも何でもない筈。


 実際、相手の虎のマスクのデーモンも、頭に2本の角を生やしていた。あんなのでヘッドバットを喰らったら、流血では済みそうもない。

 ついでに爪も長くて鋭利な刃物染みていて、これでクロスチョップを喰らったらやはり流血騒ぎになりそう。その辺に気を付けながら、“四腕”で雪崩(なだれ)式ジャーマンを放つ護人である。


 その攻撃には、さすがのデーモンマスクも面食らった様子。ロープの隙間から場外に落ちそうになるが、金網のお陰で助かっている。

 こうなると金網が邪魔で仕方が無いが、相手もダメージは蓄積しているようだ。とは言え、さすがにモンスターから3フォール奪って勝敗が決するとも思えない。


 ちなみにミケと妖精ちゃんは、それぞれトップロープの上から観戦中。チビ妖精など威勢の良い掛け声や指笛を吹いて、勝手に盛り上がっての応援中である。

 どうやらこんなノリが好きみたい、逆にミケは何やってんだの表情。などと考えていたら、相手に髪を掴まれて端っこに置かれた宝箱に頭を打ちつけられた。


 ハゲたらどうすると、護人は怒りに任せて“四腕”での反撃を敢行する。裏拳を敵の顎目掛けて放ってやり、そのままロープへと振って戻って来た所に《奥の手》のアックスボンバー。

 それで吹っ飛ぶ虎のマスクマン……思わず覆いかぶさってのフォールに移行すると、妖精ちゃんが飛んで来てすかさず3カウントを数えてくれた。

 そして見事に、打ち鳴らされる勝利のゴング。


「おっと、マジか……今ので敵が消えてくれるとは、何とも親切で忠実な設計だな。それより寄り道したお陰で、アスレの時間が随分と減ってしまったよ。

 さっさとお宝を回収して、元のコースに戻らないと」

『そうだナ、攻略時間はアト8分ちょっトだから頑張レ? 他の2チームが鍵ヲ取って戻って来テ、ここが失敗じゃ洒落(しゃれ)になラないゾ』


 そんな事を()れっと口にする妖精ちゃんだが、一応心配はしてくれている模様。そしてプロレスの生観戦で、テンションが上がっているようで何より?

 釈然としない護人だが、確認した宝箱の中身は秀逸だった。薬品も上級ポーションや耐呪ポーションなどがわんさか、魔結晶も大サイズが7個も入っていた。


 それからオーブ珠が1個に強化の巻物が2冊、後はプロレスラーのマスクが数点と相変わらずのプロテイン各種。トレーニング器具も数点に、タオルやトレーナー類がたくさん。

 それらを素早く鞄に詰め込んで、それから護人は金網を乗り越えて正規ルートへ。妖精ちゃんの言う通り、パネル表示のタイマーは残り8分少々を示していた。


 アスレコースは、まだ半分も進んでないのでこの後の攻略は大変そう。再び肩の上に乗って来たミケも、遊んでんじゃないわよって呆れた表情に見えてしまう。

 心の中で言い訳しながら、護人は黙々と正規コースに挑み始める。頭の中で考えているのは、この後に出て来る敵はなるべくミケに振ろうって事。


 何しろ、年甲斐もなく(はしゃ)ぎ過ぎて体力がもう残り少ない。プロレスや格闘技は、全身運動で数分やっただけで体力の消耗は物凄いのだ。とは言え、この寄り道には何の()いも無いと言い切れる。

 そんな、やり遂げた感に満たされた護人であった――





 そして、最後の寄り道組のミドルチームだが、敵の放つ甘い匂いに苦戦中。特にハスキー達は、匂いに敏感なだけあってこの攻撃は相当にキツイ。

 姫香も同じく、頭をクラクラさせながら眠気と戦っていた。後衛の紗良も、持ってる魔法は範囲攻撃しかないので手出しし切れずモヤモヤしている。


 そんな姉妹に関係なく、相手の蔦モンスターは棘付きの蔦を伸ばして既に接近戦模様。ハスキー達も慌てているが、フラフラしながら蔦の討伐を頑張っている。

 そんな中、コロ助が肌から血を流しているのは一度寝てしまったせいだろうか。受けた痛みで眠気を遠ざけたのなら、なかなかのガッツだが真相は如何(いか)に。


「みんなっ、いったん離脱したら魔法攻撃出来るんだけど……何だか、花に群がる蝶のように自然と近付いて行っちゃったよねっ。

 これもひょっとして、匂いの効果だったのかなぁ?」

「紗良姉さんもいつもより前に出てるよっ、匂い攻撃って思ったより厄介だねっ。ハスキー達もヘロヘロで、攻撃にいつもの勢いが無いよっ。

 ……そうだっ、匂いなら突風で吹き飛ばしちゃおうっ!」


 そんな姉妹の遣り取りも、実は眠気と誘惑効果で勢いのないモノだった。ただし、そこから対処法を思い付いた姫香が武器を操って『旋回』から《豪風》のコンボを開始する。

 屋根の上のフィールドは、周囲は高い城の城壁や建物に覆われてまずまず密閉空間だ。ただし、上空はしっかりと空が見えて空気を逃がすにはうってつけ。


 まさに“嵐を呼ぶ少女”の姫香だが、この作戦は上手く行って次第に意識がスッキリして来た。それはハスキー達も同様で、眠気が去った事で逆に敵への怒りの感情が湧き立つ始末。

 そこからの逆襲はまさに苛烈で、レイジーの炎のブレスで炭化する蔦の束。コロ助も、久々の《咬竜》で巨大な花弁をズタズタにして受けた傷の倍返し。


 いつもは冷静なツグミも、『土蜘蛛』の乱打で本体を下からズタボロにして行く。かくして難敵と思われた臭いを(あやつ)る巨大蔦モンスターは、見事討伐されて魔石(中)へと変わって行った。

 ホッと息を吐く紗良と、《豪風》を終了させた姫香は作戦が上手く(はま)って嬉しそう。それから紗良は、傷を受けたコロ助の治療を慌てて始める。

 姫香はツグミと一緒に、宝箱の中身チェック。





 ――その後は、お城に居を構える中ボスに突撃するのみ。







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