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田舎の町興しにダンジョン民宿を提案された件  作者: マルルン
2年目の秋~冬の件

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各々の2層目の仕掛けが段々と判明して来る件



「ふうむ、今回のアスレコースはさっきより厳しくなっている気がするな。今回も時間制限は15分か……敵が出なきゃ、なんて事は無いコースなんだがな。

 さて、撮影準備はいいかい、妖精ちゃん?」


 もちろんダと大威張りの小さな淑女は、器具の扱いも慣れて来て絶好調。小型カメラを体に巻き付け、自在に飛び回る姿はどんなアングルも任せろって感じ。

 とは言え、スタート地点の高い位置に横たわる丸太はちょっと引いてしまう。2本のレールに置かれた丸太は、恐らく転がって次の浮き島へ向かえって意味だろう。


 競技者はつまり、これにしがみついて落ちない様にって事らしい。昔の映像でそんなシーンを見た事のある護人は、ただ不安でしかない。

 ミケが落ちないよう、薔薇のマントにしっかり支えて貰わないと。ただまぁ、老ニャンコがこの遠心力に耐えられるかは不明。


 それでも行くしかない……さっきの『天空貝の通信機』でのやり取りでは、子供達は2層を随分先まで進んでいるとの事。ちなみに、なかなか通信に出られない護人は子供達に心配されまくっていた。

 それにしても、この新しい通信貝はかなり便利である。同時通信なので、今回は4つの通信機器をそれぞれが持って探索に(おもむ)いている。


 その結果、香多奈の進行具合がバッチリ把握出来るのは保護者としては一安心。取り敢えずはそれを進行ペースに、こちらも頑張りたい所存。

 そんな考えで、護人はスタートボタンを押してのアスレ挑戦の開始。


 そうして案の定、最初の丸太を抱いてのローリング下りで(ひど)い目に。何とか浮き島に辿り着いたが、目を回したミケはとってもおカンムリ状態。

 それを見てケタケタ笑うチビ妖精、周囲は割とカオスな状況である。護人としては、家猫(ミケ)(なだ)めながら、八つ当たりなら出て来た敵にしてくれと懇願するのみ。


 そしてお次のコースだが、両手両足で踏ん張りながら壁の間を抜けて行くと言うモノ。それが横移動や縦移動だったりで、なかなか大変で先が思いやられる。

 ただまぁ、壁の踏ん張りはそれなりに効くので、油断しなければ行けそうだ。休憩場所も設置されているコースの全長は、ただし50メートル近くあった。


 そして予想通り、途中の休憩エリア付近に待ち構えていた魚人モンスター数匹。そんな意地悪仕様だが、怒れるミケの雷落としで一瞬でお陀仏(だぶつ)に。

 その余波が周囲を飛び回る妖精ちゃんをかすめて、今度は向こうが怒り散らしている。当然無視するミケだが、多少の溜飲(りゅういん)は下がったようで何より。


 そんなスパイダーウォークを無事にすり抜け、次の雲梯(うんてい)+ロープ登りに取り組む護人。ここまで恐らく、タイムロスは無いと思うがどうだろう。

 厄介な事に、空中アスレ挑戦中にインプの姿が視界の隅に確認された。それに気付いた薔薇のマントが、空間倉庫に溜め込んだ飛び道具でそいつ等を始末する。


 何とも有能な相棒だが、こちらの許可など関係なく手を出すのは控えて欲しい。とは言え助かったのは事実で、護人は集中モードでアスレコースを進んで行く。

 そして幾つか目の浮き島への着陸、今回のは何故かプロレスのリングに似ている気が。そこに降り立った途端、案の(じょう)甲高い鐘の音と共に人狼&トラ獣人が各コーナーに出現した。


 何とも妙な仕掛けだが、時間制限もあるし悠長にはしてられない。護人は“四腕”を発動させ、ついてに『硬化』防御を(まと)っての敵との肉弾戦を挑み始める。

 何となく、向こうは上半身裸の無手なので、こちらも武器は使わない方向に。とは言え、向こうは4体もいるので“四腕”くらいは許して欲しい。

 まぁ、ミケは容赦なく雷落としで横槍を入れて来るのだが。


 そんな戦いも、数分でリング上の敵は全て魔石に変わって行った。(あわただ)しく落ちた魔石と皮素材を魔法の鞄に放り込み、次のコースへと目を向ける護人。

 残りは後8分、推定残りコースは半分くらいだろうか――。





 チビッ子前衛陣は、今の所は順調に敵を倒してエリアの探索もスムーズだ。香多奈も定期的に『応援』を飛ばし、後はゲートの方向を茶々萌コンビに教えてあげる。

 他には特にやる事も無く、まぁルルンバちゃんと一緒に魔石を拾うのがお仕事。いつもの家族チームでの探索より、人数が随分減って最初は緊張したけど今は平気。


 特にハスキー達の不在は、最初はどうなる事かと思ったがヒバリが元気なのが良い。まぁ、このヤンチャ娘が倒せる敵しか出て来てないってのが、このチームの好調の原因なのは間違いない。

 それはそれで文句のない香多奈だが、エリアは次第に台所エリアを抜けて屋敷の別エリアへ。こんな環境の変化は、出て来る敵の種類も変わるので要注意だ。


 そう前衛陣に警戒を飛ばすのだが、さすがに萌は思慮深く頷いてくれた。ただし、ヤンチャコンビはあまり良く分かっていない様子でとっても不安。

 まぁ、この程度なら優秀AIロボがフォローしてくれるだろう。


「ハスキー達がいないからね、強い敵が出て来たらお願いね、ルルンバちゃん。それから叔父さんとお姉ちゃん達もいないから、いざって時には慌てないようにね。

 通信機があるから、すぐ指示が聞けるのが良いよねっ」


 その言葉に、ルルンバちゃんも同意の素振りで用心して行こうと頼もしいポージング。このAIロボも、家族が減った中での探索は不安だろうがよく頑張っている。

 ムームーちゃんなど、護人(父ちゃん)がいないせいでヤル気が半減している模様。今は茶々丸の肩の上にいるが、ほとんど攻撃には参加していない。


 まぁ、特大魔法をぶっ放す強敵が出現しないので、それは別に構わない。ただこのカーペット敷きの執務室のような場所には、意外な伏兵が潜んでいる可能性も。

 そう思って警戒して進む一行だが、出て来たのは相変わらずのゾンビやスケルトンの群れが数匹。ただし、良く分からない敵も若干混じっていた。


 ソイツは巨人のドクロを宿にした骸骨ヤドカリとでも形容すべきだろうか。そんな不気味な奴が、腐肉喰らいの蟲型モンスターと一緒に出現したのだ。

 それらを恐れ知らずで(つい)ばむヒバリは、食わず嫌いでとっても良いと思う。香多奈は若干引いていたが、魔石になれば敵なんてどれも同じ。


 気持ち悪い蟲でも死霊でも、骸骨を住まいにするカニでも等しく換金対象だ。ただし、ヤドカリの落としたお肉は、末妹は持って帰らないよとAIロボに告げる。

 そこはドロップの喜びより、生理的な嫌悪感が勝った模様。


 執務室のような室内には回収品もチラホラ窺えて、香多奈はそっちには遠慮はしない。万年筆とかレターセットとか、インクとか文房具がここは回収可能みたい。

 それらを回収していたら、茶々萌コンビが次の部屋にゲートを発見したと報告しに来た。ここまでまだ20分と少しだが、倒した死霊軍は20匹以上と意外と多い。


「う~ん、まぁペース的には丁度いい感じなのかなぁ? 取り敢えず、待ち伏せボスはどんな、茶々丸に萌……いたらルルンバちゃんと一緒に、ヒバリが怪我しない内にやっつけてね。

 あっ、やっぱり部屋に1体いるんだ?」


 萌の返事は簡潔で、見える範囲では1体だとの事。香多奈もそっと覗き込むが、何とマンドリル型の派手なお猿さんが燕尾服を着てスタン張っていた。

 紳士のコスプレなのか、それとも執事役なのかは判然としないが、体格は立派で今までの雑魚よりは強そう。末妹の応援を貰った前衛陣は、いざ決戦と最終部屋へと飛び込んで行く。


 それに反応した燕尾服のマンドリルは、パチンと指を鳴らしてこちらに応じる構え。すると壁から3体のゴースト(メイド服姿)と、それから暖炉側の壁にも異変が。

 建物が揺れてると思ったら、壁のヘラジカの剝製(はくせい)に思い切り変化が。何とそいつが、命を持ったように壁を破壊して飛び出して来たのだ。


 その演出には、さすがの末妹やチビッ子チームも仰天のリアクション。しかもこのヘラジカ、体高が3メートルと物凄く大きい……ただまぁ、ゾンビ属性なのか生気は欠けている。

 その立派な角を見た茶々丸は、我がライバルとイタく感銘(かんめい)を受けた模様。遼の姿から元の仔ヤギへと変化を解いて、巨大化していつものスタイルに戻ってしまった。

 ――ただしそれでも体重差は歴然、果たしてこの戦いの行方は?





 招かれざる客の紗良と姫香だが、お城の舞踏会に(きょう)じる連中の数はそれなりに多い。それを中断させるのは気の毒だが、そもそも踊っているのはパペット達である。

 周囲を囲むトランプ兵士たちも、何を考えているのか表情は全く窺えない。ただし周囲に流れる音楽は、豪華なオーケストラでその演奏は素晴らしいかも。


 とは言え、楽団の姿はどこにも窺えず……舞踏会は、ハスキー達が室内に入っても相変わらず続いていた。それじゃ戦おうかと、変化の無さに姫香が口にした途端それは起きた。

 突然に音楽が勇ましいモノに変わって、舞台の中央に立派な衣装の獅子獣人が登場。踊りの相方は一際豪奢(ごうしゃ)なドレスの女性型パペットだった。


 両者のダンスは激しく、まるでフラメンコダンスのよう。音楽もまさにそれで、派手に踊る両者はこの舞踏会の主役には違いない。

 つまりは階層主だろうと見当をつけた姫香は、アレは私の敵ねと嬉しそう。レイジーは構わず、炎の軍団を召喚して多い敵を相手に戦略の最適解を編み上げ中。


 紗良も同じく、敵は多いが範囲魔法を撃ち込むとヘイトを思い切り買ってしまう事態は避けたい。何故なら、今回は後衛を守る護人や2号ちゃんはいないのだ。

 そんな訳で、取り敢えず《烏天狗召喚》でカー吉を召喚して敵の殲滅を手伝って貰う事に。この子も戦闘能力はそれなりにある事は、夕方の訓練で分かっているので問題は無い筈。


 カー吉は手に錫杖(しゃくじょう)を構え、ハスキー達に続いて敵の群れへと突っ込んで行った。今や舞踏会の会場は、敵と味方が入り乱れる乱痴気(らんちき)騒ぎの場と成り果てる。

 その中央では、獅子獣人と派手に斬り結ぶ姫香の姿が。相手の階層主は、どこに隠し持っていたのか立派な長剣を取り出してその動きも素晴らしい。


 その支援をする赤いドレスの相方パペットは、モロに支援職のようでバフ効果を獅子獣人に振り撒く。それに対抗するように、ツグミも姫香をフォローする。

 具体的には、近付こうとする踊り子パペットやトランプ兵を、片っ端から『土蜘蛛』や咥えた武器で(ほふ)って行っている。ただし、近くに敵が多過ぎて赤いドレスのパペットはまだ野放し状態。


 その更に周囲では、レイジーとコロ助が敵を倒しまくっていた。コロ助が目指しているのは、奥に控えている4メートル級のブリキのゴーレムらしい。

 ソイツはでかい癖に、なかなか前線に参加しようとしない有り様。


 レイジーの方は、ようやく玉座から立ち上がった女王姿の敵をモロにロックオン中。そいつも恐らく大物で、(きらめ)く王冠が何とも嫌味である。

 その後に続く炎の狼軍団と、烏天狗のカー吉もそれなりに奮闘中。何しろ広場の敵の数は、まだまだ多くて選り取り見取りである。

 (はた)から見守る紗良からすれば、気が気でない状況。





 ――そんな戦況も、やがて徐々に変化が訪れるのだった。







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