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<第33話>光さんの話 3

 「光さん自身は、今回の提携についてあまり乗り気ではないのですか?」

 光さんの話す様子を見て、姫子がたずねた。



 「どうなのでしょう?

  私は、単純にそれを嬉しいと言える状況ではないんですよ。



  実は自分でもどうしたいのかが、よく分からないのです。


  ですから、妻ともこの提携の話をきっかけによく話しています。


  家族の事、桜井家の事、仕事の事…。




  これから私達がどうする事が正解なのだろうと、まだ結論の出て来ない話をしています。





  父とは…、いいえ桜井家とは、結婚してからずっと疎遠になっていたんです。


  その理由が、自分の大切な人との結婚を認めてくれなかった事なんです…。



  それなのに、仕事の提携先として突然目の前に現れたのです。



  なぜ?と思ったのが、最初の正直な感想でした。」

 光さんは、姫子の問いに真剣に考えながら答えていた。




 「光さんは、桜井会長の下で仕事をすると、何か反対をされるというような不安でも抱いているのですか?」



 「父が反対するのですか?

  そんな風にはあまり考えていませんでした。



  父は、素晴らしい経営者だと思っています。


  まず相手の考えや主張を聞き、その利点を最大限に引き延ばす事に長けていますから。


  ですからそんな父が、自分の経営について理不尽な事を要求して来るとは思えませんね。」

 光さんはすぐに答えた。




 「そうですか。

  会長の手腕には、きちんとした信頼を抱いているのですね。




  それでは、剛社長から何かをされるかもしれないと不安に思っているのでしょうか?」

  姫子が続けてたずねた。



 「兄さん…。」


 この姫子の問いに、光さんは不安げな表情を浮かべ、すぐに答える事が出来なくなっていた。


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