<第30話>面会室
「ところで、ロビーはこちらで生活をしている沢山の方が待ち合わせしますので、ゆっくりと話を出来る場所ではないと思います。
面会室という部屋が奥の方にありますので、そちらに移動しましょう。」
光さんが提案し、すぐに三人で移動した。
面会室に入ると、中は応接室のような雰囲気で、柔らかなソファと木製の机が置いてあった。
姫子が部屋の中に置いてあったお茶セットを使用してお茶を入れ、各自の席の前に置いてから話を始めた。
「清子さんからの連絡で、父の話を聞きたい刑事さんがいると言われています。
ですが最近の父の事は、正直あまり知らないのですが、それでもお役に立てますでしょうか?」
光さんが、不安そうに黒川にたずねていた。
「もちろん、大丈夫です。
最近の話というより、お人柄について教えて頂きたいと思っています。
それにお父様の理会長の話というよりも、光さん自身の事も含めた桜井家のご家族についてお話を聞かせて頂きたいと思っています。
聞きたい事が多いのですが、こちらの方こそ大丈夫でしょうか?」
黒川が答えた。
「恐らく大丈夫だと思います。
と言いますのも、今日わざわざこちらに来ていただいたのは、急な入館者からのコールがあった時に、僕が直ぐに対応出来るようにしたかったからなのです。
ですから、もしかしたらお話の途中で中座させて頂くような事になってしまうかもしれませんが、出来る限り協力させて下さい。」
光さんが答えた。
「そうですか。
それはお忙しい所に時間を作って下さってありがとうございました。
分かりました。そういう場合には、もちろんお仕事を優先して下さい。」
黒川が答えた。
「ありがとうございます。
妻も来てくれているので、多分大丈夫だとは思いますが、念のため事前にお知らせさせて頂きました。
それでは、早速始めて下さい。」
光さんが言った。




