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<第3話>意識不明!

 経済界のドンとも呼ばれている男である桜井 おさむ会長が、ある朝、いつもの起床時刻になっても起きて来なかった。


 お手伝いの女性が起こしに部屋に行って声を掛けたのだが、それでも彼は起きなかった。


 そこで彼女は、急いでリビングに居る会長の息子である社長の(つよし)を呼んだ。


 剛は、父の部屋へと向かった。

 父に声を掛け、更に軽く揺すったが、それでも会長は目を覚まさなかった。


 その時点で剛は、すぐに救急車を呼んだ。


 病院に搬送された会長は、幸い命に別状は無かった。


 しかし、すぐに戻ると思われた会長の意識は、なぜか戻らないままだった。




 これが事件のきっかけだった。



 『桜井会長が、ある朝目覚めなかった』



 ただそれだけだった。




 では、なぜこの話で刑事が捜査を始めたりしたのだろうか?



 実は、会長が倒れた後に一本の匿名の連絡が警視庁に入ったのである。



 『経済界の雄である桜井会長が、意図的に意識不明にされてしまいました。


 お願いです。どうか助けて下さい。』



 この公衆電話から掛けられた電話の声の主は、女性と思われた。



 電話の内容の人物が桜井会長だったこの連絡を、もしもこのまま放置して、後々問題になるような事態があってはならなかった。


 だから上層部では、桜井会長についての追跡調査を早々に開始した。


 とは言っても、当然の事だがまだこれは事件の扱いではない。

 警視庁では、まず桜井コーポレーションに、会長の安否を確認した。


 そして匿名の連絡通り、会長が意識不明で入院中である事が判明した。



 この時点で、匿名連絡がたまたま会長の体調と一致したと判断する事の方がむしろ難しい状況であった。


 こうなると、事件とは言えないながらも、非公式でそれに近い調査を始めるかの検討に入った。



 そして、くれぐれもそそうのないようにという条件付きで、捜査一課に所属する黒川刑事が、桜井会長の周辺の聞き込み調査を開始する事になったのであった。


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