第7話 ごまかしを歌う者にごまかしは利かない
海の向こうから船が!
それも三隻!
あれは、戦艦だ~!
港に横付けされた三隻の戦艦から、一人ずつ女性の艦長が降りてきました。
そして、右から順に名前を名乗ります。
「マギアフリートの由比明乃です!」
「同じく、マギアフリートの七海もえか」
「私も、マギアフリートの、環美柑、です……」
何でだろう。CVが手に取るように分かるぞ?
そしてアニメ配給会社までもが頭にちらつくぞ?
「えっと、皆さんは何のご用で?」
恐る恐る問いかけます。
「私たちはね、魔法で海を守ってるの!」
「その為に警備航海をしていたのだけど、先刻に強い魔力を検知したのよ」
「それ、あなた達なんじゃ、ないですか……?」
ギクッ。
「さぁ、私は知りませんねぇ?」
わざとらしく白を切ります。
嘘です。
大嘘です。
思い当たることは山ほどあります。
でも私は認めない。
作者がそんな簡単に捕まる訳ないからね。
「この娘、絶対嘘ついてるよ!」
「ええ、そうね」
「あなたを、拘束します……」
あれ、流れがおかしいぞ?
私の手首に、ガチャンと手錠がかけられます。
ぎゃ~っ! 捕まった~!
セリーヌちゃん、芽生ちゃん、助けて~!
「青葉殿、幸運を祈る」
「ほら、早く連れて行ってちょうだい」
そんな薄情な~!
「何を言っているの? あなた達もよ」
直後、七海艦長がセリーヌちゃんと芽生ちゃんにも手錠をかけました。
「私は無実。誤認逮捕」
「そうよ。あれは正当防衛のはずよ? 調べてもらえば分かるわ」
セリーヌちゃんと芽生ちゃんは必死に訴えますが、TrySailは聞く耳を持ちません。
(中の人で呼ぶな。ってか中の人でも無いわ)
戦艦に乗せられた私たちは、同時に一人ずつ尋問を受けることになりました。