第4話 点あるかがくの超接着砲
「ちょっとアンタたち、アタシの庭で何をしているの?」
急に後ろから話しかけられました。
私とセリーヌちゃんは振り向いて答えます。
「ごめんなさい! 散歩してただけなの!」
「すまない。ここが私有地だとは知らなかった」
しかしそこにいた女子高生は激おこぷんぷん丸です。
「ふぅん。アンタたち、良い度胸してんじゃない。アタシは真坂麻琴。またの名を、エルシャ台のグルーガン」
なんかすごくヤバそう。
真坂麻琴が右手をこちらに伸ばすと、彼女の身体にボンドがまとわりついた。
「レベル5のアタシの攻撃、受けてみなさい!」
あっつあつのボンドが放たれる五秒前。
私の目の前にピンク髪ツインテ美少女が!
「魔法災害隊よ。あなたのその魔法が何かは分からないけれど、魔法適正使用法違反の現行犯で逮捕するわ」
こ、この娘は……!
「私の過去作、『魔法災害隊』の桜木芽生ちゃん!」
「いいからあなた達は下がっていなさい」
「芽生ちゃんマジ天使!」
私はセリーヌちゃんと一緒に芽生ちゃんの後ろに下がります。
「アタシのこれは魔法じゃない。能力だっつーの!」
真坂麻琴、ついにカムチャッカファイアー!
指先から猛烈な勢いでボンドが放たれます。
「魔法目録八条二項、物質変換、打刀」
芽生ちゃんは魔法を唱え、それを防ごうとします。
でも、芽生ちゃんはボンドを全身に浴び、吹き飛ばされてしまいました。
「うっ、あぁぁぁっ……!」
「芽生ちゃん!」
私は急いで芽生ちゃんに駆け寄ります。
「桜木殿は私が治療する。青葉殿は真坂麻琴を」
セリーヌちゃんがそう言ってくれたので、お言葉に甘えます。
「私の芽生ちゃんに、よくもやってくれたね!」
私は拳を強く握り、真坂麻琴を睨み付けます。
すると真坂麻琴は、不敵な笑みを浮かべてこう言い返しました。
「さっきの攻撃を見て怯まないなんて、本当に馬鹿ね。ならアンタにも、全力のグルーガンを食らわせてあげる!」
またしてもピンチ!
だけど、そう簡単にはやられませんよ?
だって私は作者だからね。
「真坂麻琴さん。この話のサブタイトルって知ってる?」
「はぁ? 何よそれ」
「『点あるかがくの超接着砲』。さて、これにはどんな意味が込められているでしょう?」
「アンタは何が言いたいの?」
「点ある『か』、つまり『が』。それが『く』になる。だからあなたの能力は、グルーガンじゃなくてグルークンなんだよ」
「何をふざけたことを……! って、能力が使えない……?」
「だから言ってるでしょ? あなたの能力は、レベル5のグルークンだって。何なら伸ばし棒も無くしてグルクンにしてあげよっか?」
「チッ。覚えていなさい! いつかアンタを、私のグルーガンでベタベタにしてあげるんだから!」
私の謎解き的作者パワーにより、見事危機を脱することが出来ました。
やったね!