第2話 作者もキャラも掛け持ちで
私、とんでもないことを思いついてしまいまして。
自分が書いた別の作品から強キャラ召喚すれば、わざわざ友達作りしなくていいんじゃね?
ってなわけで、ご登場頂きましょう。
現在連載中の作品『異世界、ついて行ってイイですか?』より、セリーヌちゃんです!
「作者殿、いよいよ頭がおかしくなったようだ。早く病院に行くべき」
「いやいや、私は至って正常だから! ふざけてるだけだから!」
いきなり毒舌を浴びせられましたけども、こんなことではくじけない私です。
セリーヌちゃんはね、賢者みたいな緑色の服を着ててね、髪の毛が白いの!
すっごく可愛い。
でもでも、なんかとんでもない秘密を隠してそうなんだよね~。
それについては元の作品を読んでくれよな!
エタらなければ多分明かされる、はず。
「それで、作者殿はなぜ私を召喚した? この間にクラリスに何かあったらどうする。早く元の作品世界に戻して頂きたい」
「そこは安心して。本編のセリーヌちゃんは召喚されずに普通に過ごしてるから!」
「それはそれで問題が……」
「あとあと、私のことは青葉ちゃんって呼んでほしいな!」
「全く、私を生み出したのはこんな人間だったのか……。分かった。それでは青葉殿と呼ぶことにする」
ため息を吐きながらもある程度言うこと聞いてくれるんだから、セリーヌちゃんは優しいよね!
作者である横浜青葉と!
《唯一の観測者》であるセリーヌが揃えば!
ノリと勢いで物語が進むはず!
「これが本当の、希望的観測……」
ぎゃあぁぁぁっ! セリーヌちゃんに心読まれた~!
でもいいもんね。
何を言われようが私は作者だ。
登場人物一人消すことくらい簡単なのだよ。
なーんてな!
「セリーヌちゃん、これからよろしくね!」
こうして私は、半ば強制的にセリーヌちゃんを仲間にしたのでした。
めでたしめでたし。
「青葉殿、勝手に終わらせないで頂きたい」
だから心を読まないで~!