冬の良いところ①
「先輩、昨日の雪大丈夫でした?」
「うん、なんとかね。今朝見たら結構積もってたけど、夜中だったし。」
「良かったです。うちの実家の方じゃ雪なんてよくあることだったけど、都内でこんなに積もるなんて珍しいですよね〜。」
「ほんとね〜。おかげで息子もはしゃいでたわ。」
「もう、5歳でしたっけ。また会いたいな。」
「生意気盛りで大変なんだよ〜。今朝も私の背中に雪、投げつけてきやがった。」
「先輩が大好きなんですよ。可愛いじゃないですか。」
「それは、そうなんだけどね〜。でもね、投げつけた後の息子の顔ったら、もう。ニヤニヤしちゃってさ〜。あ〜〜、もうまた腹たってきた。」
「独身の私からすれば、羨ましいかぎりですけどね。」
「まぁ、多分雪を初めて見て嬉しかったんだろうね。」
「じゃあ、雪国出身者の私がちょっぴり残酷な現実を教えてあげないとですね。」
「うん、まぁ今朝の一件があったとはいえ、それはちょっと可哀想かな。だって日野ちゃんの雪国伝説マジで寒気するし。」
「えぇ〜。鼻水が凍って戻らない時の怖さ聞かせてあげたかったのに〜。」
「うちの子には、まだ早いって。R18だから。」
「なんですか、R18って笑笑 まぁ、そこまで言うならこの話はお子さんがお酒飲めるようになるまで、あっためておきますね。」
「頼むわ。それより、今日お酒飲みに行こうよ。」
「いいですけど、どうしたんですか急に?」
「いや〜なんかお酒って聞いたら飲みたくなっちゃて。最近、子育てで忙しくて飲めてないのよ。」
「お子さんは大丈夫なんですか?」
「今日は、旦那に任せるからさ。ね?」
「いいですよ。」
「やっとぅー。はぁ、これで寒くさえなければなぁ。まだ12月なのに、先が思いやられるわ。」
「私はなんだかんだ、この寒さも冬っぽくって好きっすけどね。」
「何、その黄昏た雰囲気。かっこいいから、写真撮って良い?」
「バカにしないでくださいよ。私はただ、冬は冬でいいところもあるって言いたいだけです。」
「え〜。冬のどこがいいのよ。寒いのだけでこりごりだね。」
「先輩、足しびれたことあります?」
次話へ続く