悪夢の世界
今回、初めての投稿でおかしな文章もあると思いますが、少しでも楽しんで読んでくださると幸いです。
よろしくお願いします。
はぁはぁはっ
ー嘘だろ。ー
俺は、こんな事するような奴じゃない!
目の前には、血を流し倒れた警官。
震える俺の手には、血の滴る刃物が握られていた。
そっそんな!俺はどうすれば良い!?
俺がパニックになっていると、遠くで物音がした。きっと応援に駆けつけた警察だろう。
俺はその震えた手から得物を落とすと、とっさに死んだ警官から拳銃を盗みとった。
そして
「銃を下ろせ!」
「◯◯の廃ビルの二階だ!支給応援を!」
そう一人の警官が仲間と連絡を取り銃を構えている。
俺はその警官にゆっくりと銃を向けると、
バンッ!
ハッ!!
ガバッ!
夢だったのだろうか。
目の前には、先程同様の廃ビルではなく、いつも通りの部屋のベッドの中だ。
俺が握っていたのは、拳銃ではなく、
「…スマホ。」
ハァ…と安堵すると、スマホを開き時計を見た。
「7時!?やっば!」ガバッ
俺はベッドから飛び起きた。
高田和也 26歳。
俺の仕事場は小学校。
クラスの担任を受け持っている教師だ。
それにしても、先程の夢は何だったのだろうか。
普通の夢よりも現実的で、
まるで俺にこれから起こる未来の様で気分が悪い。
「 みんなおはよう!」
「おはようございます!!」
だが、俺の日常の生活が変わることはない。
「先生!ここがわかりません!」
「ん?なるほど。見せて。」
何故なら、
「高田先生!来週の授業参観の事なのですが。」
「はい!◯◯さんの事ですよね。」
夢だからだ。
「ということなので、よろしくお願いします。」
「はい。わかりました。」
どんな悪夢でも、それは現実には起きないからだ。
「先生ー!」
「ん?どうした?」
「教室に忘れ物しちゃったって。」
「しょうがない。ちょっと鍵を取って来るから、待ってなさい。」
「すいません、◯◯先生、
この子の事頼みまーーーー」フラッ。
バタンッ!
ーーー何だ。ーーー
ーーー急に頭が重く。ーーー
気が着くと目の前には、鉄格子。
あまりの急な出来事とは言え、留置所だと言う事は俺にも確認出来た。
ーーーどうせまた、あの夢だろう。ーーー
そう俺は少し、この夢を見ている自分を呆れていた。
初めの頃は少し不安に思っていた俺だが、それは「ただの夢だ」っと
この夢を気楽に考えられるようになったからかもしれない。
だが少し気になる。
何故、俺は留置所なんかに入れられているのか。
これではまるで、今日の朝見ていた夢の続きではないか。
俺は多くの警官を殺し、今留置所に入れられている。
そう考えると、辻褄が合ってしまう。
ーーーいや、そんな訳がない。ーーー
俺はそう心に言い聞かせ、留置所内を見渡す。
俺は部屋の机の上に乱雑に置かれた。新聞の記事を手に取った。
記事の内容は多く全て見てはいないが、トップの事件の記事が目に止まった。
事件の内容は、一人の男が友人ともみ合いになり、
友人が持っていた包丁で刺したと言うのだ。
その後それを見かけた警官が彼を確保しようとしたが、
先程同様に包丁で刺され、死亡。
応援に駆けつけた警官もう一人も、死亡した警官から盗んだ銃で、
殺害。
その後、さらに警官2名を殺害した後、警察官8名で確保。
容疑者名 高田和也。
ーーーえ?ーーー
ーーーということは。ーーー
その時、鉄格子の外から声がした。
「高田。時間だ。」
そう警官の声が聞こえた後、大きな光が見え思わず目を閉じた。
次に目を開けると、見慣れた天井が見え隣には、心配そうに見つめる生徒の姿が見えた。
「先生!大丈夫ですか?」
「ん?ああ。もう大丈夫。」
ここはどこだろうか、そう周りを見渡す。
「…保健室か。」
「悪かったね。看病してくれてありがとう。もう遅い、先生はもう大丈夫だから、
早く帰りなさい。」
「はーい!先生ーさようならー!」
「はーい、さようなら。」
うちの生徒が部屋から出て行くと同時に、保健室の担当の先生が入って来た。
「高田先生!大丈夫ですか!」
「ええ。まあ、すみません。◯◯先生、ご心配をおかけしました。」
俺の嫌な予感が的中した。
それから次の日俺は1日だけ休暇を取り、仕事中をも悩ませる悪夢をどうにかしようと、
病院への受診をすることにした。
俺は、悪夢のことを、包み隠さず全てのことを話した。
「…なるほどー。悪夢ですか。それも同じ夢が続いている……。」
「はい。やはり心の病気か何かでしょうか…。」
「確かに普通はそう考えるべきなのですが、
同じ夢が毎日の様に続いているなんてことは私にとっても今回が初めてですよ…。」
そう言うと医院の先生は少し間を空け、口を開いた。
「…でしたら、終わらせてみてはどうですか…。」
「…お、終わらせる…?」
俺がそう聞くと、医院長は答えた。
「ええ、終わらせるんですよ。夢を。」
「私も初めてのことだからわかりきっている訳ではありませんが、そのままにしておけば、
このまま貴方は悪夢に苦しみ続けてしまう。」
「でしたら、その悪夢を最後まで見てしまえばいい。」
そうか。
「高田さん。確か貴方、夢の世界で人を殺してしまったと……」
「…はい。」
「そして昨日の夢の世界では、留置所に入れられていたと…」
「となると次の夢は………裁判所………と言ったところでしょうか…。」
「となれば、次の悪夢………裁判所でその悪夢の世界の自分を終わらせればいい…。」
確かに続いている夢ならば、その夢の世界を、俺を、終わらせてしまえば
いい話ではないか。
「…まあ。私の勝手な考察ですがね。。。」
確かにそうだ。だが、だからと言って試さない訳には行かない。
その後俺は睡眠導入剤、精神安定剤を処方してもらい、
悪夢を終わらせることを決めた。
家に帰ると、すぐに睡眠導入剤を使用した。
実際のところ、俺はそんなに不安だと思ってはいなかった。
確かに、夢が物語のように続いていると知った時。
正直言って、怖かった。
だが、だからと言って
ただの夢だ。
そう思うと、とても気が楽になった。
そう、ただの夢。
もしかしたら、さっさと終わらせて、早くクラスのみんなの元へ行かないといけない
という思いの方が強かったからなのかも知れない。
睡眠導入剤を使用した後すぐにベッドに入り、目を閉じた。
次に目を開けると、裁判所。
まさに、医院の先生の言った通りの展開になっていた。
あれだけのことをしたんだ、確実に最高裁だろう。
俺は手錠をつけられていて、隣に二人警官がぴったりと俺にくっ付いて座席へと向かう。
そして、俺は、被告側の席、弁護士の隣に座った。
正面には、検事と俺が殺したであろう友人の親が座っていた。
「それでは。高田和也の法廷を開廷します。」
「◯◯検事。事件の内容をもう一度。」
「はい。……事件の内容は、被告人 高田和也が友人である、◯◯さんと、もみ合いになり、
◯◯さんが持っていた包丁で殺害。
その後それを見かけた警官が彼を確保しようとしたが、
先程同様に包丁で刺し殺し、
応援に駆けつけた警官もう一人も、
死亡した警官から盗んだ銃で、
殺害。
その後、さらに警官2名を殺害しました。
友人であり被害者の、◯◯さん。
そして、警官4名を殺害した容疑です。
皆とても残酷な殺され方をされており、
奪った命一つ一つの罪はとても重く、
揉め事になったからとはいえ、決して許されることではありません!」
「よって被告人を、死刑、又はそれ相応の罪が問われます!」
「◯◯検事、確かに高田被告は「もういいよー!」ッ!?」
俺はこの夢を終わらせる。
「俺が殺ったんだよ!そのうるせー警官も!友人とか言う奴も!」
「高田被告何を言って……違う彼は確かに「殺ったっつってんだろ!!」………」
「だいたい、人の命の一つや二つでギャーギャー言ってんじゃねーよ。」
俺がそう話出すと皆が皆まるで飽きれたように静かに俺を見ていた。
「そうゆうあんたらが俺の命無駄にしようとしてんじゃねーかよー。」
「裁判長!さっさとしてくれよ!死刑にすんだろ。早くしろよォ!」
「被告人、何故そんなに死を望むのですか。。」
そう俺の目の前にいる検事が聞いてきた。
「 んなもん決まってるだろう。」
「夢だからだよ!?」
「は?」
「今ここで起こってんのは、俺の頭ん中の出来事何だよ。」
「だいたい、俺はこんなことする様な人間じゃねーんだよ!人を殺したりなんて。」
「夢なんだ!全部!俺は早く戻らなくちゃいけないんだよ!」
「俺の授業を、楽しみに待っていてくれてる奴らがいるんだよ!」
ーーーみんな、もうすぐ戻るよ。ーーー
?「現実の世界。」
「そう!現実の世界!……………………え。」
そう俺の隣でその弁護士は呟いた。
「…ここが、現実の世界ですよ…」
そうだった。
俺は、
悪夢にうなされてたわけでも、
小学校で教師をやっている人間でもない。
逃げていたんだ。
現実の世界から。
人を殺したのが怖くなって。
俺にとって妄想でしかない世界を。
現実の世界だと思って。
やっと気づいた。
「それでは、高田和也の判決を下す。」
これが、現実だ。
End……
この小説を最後まで読んでいただきありがとうございます。
物語を作るというのはやはりとても難しいですね。
この物語自体、文章にして表現することがなかなか難しく、読者のみなさんからして面白い話になっているのか、わかりずらい物語になっていないかと心配でした。もしみなさんからみて読みにくい物でしたら申し訳ありません。次回からはもう少し文章力の上がったさらに面白い作品を作りたいと思っています。