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1話 ありきたり?な学校生活①

キーンコーンカーンコーン


キーンコーンカーンコーン


「……はぁ〜。」


学校の定番中の定番のチャイムが教室中に鳴り響くなか、五時間目という睡魔のオンパレードを乗り越えた天宮 樹こと俺は机に向かってため息をついていた。


「おっと、何ため息ついてんだよ。樹。」


後ろから声をかけられ、振り返える。するとそこには、黒い眼鏡をかけ、髪の毛を茶色で染めている顔面偏差値の高い青年──俺の親友の咲沼 三矢火が立っていた。


「なんだ三矢火か。別にどうってこともねーよ。」


「いいからいいから、どしたんだよ?告ってフラれでもしたか?」


「違ぇよ。つか勝手に俺をフラすな。」


「悪い悪い。」


笑顔でそう言う三矢火。全く悪かったという感情が伝わってこないのだがどうしよう。


「で、ほんとのとこどうしたんだよ?」


「……」


なんだか三矢火に教えるのは癪だが、こいつの性格上、これ以上しつこく聞かれてもめんどくさい。


はぁ〜、とまたため息をつきつつ俺は教えることにした。


「……最近勉強が難しくて頭が追いつかないんだよ。」


「ふーん、なんだ。そんなことかよ。」


「そんなことって……まぁお前からしたらそんなことだろうけどよ。」


そう、三矢火はこう見えてめちゃくちゃ頭が良い。テストはまず全教科九十点以上。成績も優秀で先生やクラスメイトからの信頼も厚い。俺からの信頼は微妙だが。

それに加えこの学年じゃ運動やスポーツで三矢火の右に出るものはいない。そして、性格も容姿もイケメンときた。神様は不平等だ。


(俺なんてテストで全教科九十点以上もとったことないのによ。)


心の中でそう嘆いた。嘆いても何にもないと分かっていても、ついつい嘆いてしまう。

俺の悪い癖だ。


「樹〜拗ねんなよ〜。だからフラれんだぞ。」


「だからフラれてねっつの。はぁ〜。」


額に手をつきまたまたため息をつく。今日で少なくとも三回はした。そのうちの二回は三矢火のせいだが。


「やっぱり天才と凡人は違うのかな?」


「おいおい、それだと俺が天才みたいな言い方じゃねーか。」


「事実天才だろ?」


「違う、俺は秀才だ!」


親指を自分に向けドヤ顔で言う三矢火。

どっちでもいいだろ!というツッコミは野暮か?


まぁ俺は三矢火のこういうところが好きで友達やってんだけどね。なんでか嫌いになれないんだよな。


「というか、そんなキツイなら今度勉強教えてやろうか?」


「いいのか?俺は助かるけど……」


「いいってことよ、俺も復習とかしたかったしさ。」


なんだこいつイケメンか?俺が女子だったら惚れてると思うぞ。多分。

持つべきものは親友、よく分かるね。


「ありがと。マジで助かる。」


「よせよ、親友のためだ。あーでもそうだな…代わりといっちゃなんだが少し頼まれてくれないか?」


「ん?なんだお前が頼みごとなんて珍しいな。まぁ俺のできる範囲ならいいぞ。」


「樹ならそう言ってくれると思った。じゃあ放課後、体育館裏に来てくれ。」


「体育館裏か…。なんだか昔のヤンキーが言いそうな場所に呼ぶな。別にいいけど…ちなみに何するんだ?」


「ふっふっふ。それは来てからのお楽しみってやつだよ。」


体育館裏に呼ぶってなかなか怪しい気がするが気にしないでおこう。気にしたら負けっていう時もあるしな。


そうやって、うんうんと自分に言い聞かせていると教室のドアが勢いよく開けられ、白衣を着た赤髪の女性がいきなり入ってきた。


「お前らー席につけー。授業を始めるぞ。早くつかなかったら殴るからなー。」


そう言うと、うるさかった教室が一瞬で静まり返った。当たり前だ。教室に入ってそうそう笑顔で殴ると宣告する人が来たらそりゃ嫌でも静かになるだろ。


というかこの先生は確か四宮 香子先生だ。担当教科は理科。白衣を着てるから先生を知らない人でも察しはつくだろうけど。

担任は三年で、俺は一回も授業を受けたことないから緊張している。そして、残念ながらあまり良い噂は聞かないため、そう言った意味でも緊張している。


その噂のことだが聞く話によると、寝ている生徒を起きるまでぶん殴って起こしたり、授業をまじめに聞かない生徒には課題を五倍にしたりとだいぶ無茶苦茶で、一部の生徒からは『鬼』と呼ばれているらしい。授業のスピードもハイスピードで全く追いつけず、成績は下がる一方なんだと。見た目は完璧な美人なのもありギャップがすごく、とても怖いと噂だ。

正直、俺も結構怖い。三年生が可哀想に思えてきた。


そういえば昨日、『明日、私は休むので四宮先生が来ます』って理科担当の先生が言ってたな。


おいおい、なんて事してくれたんだあの野郎と思ってももう遅い。諦めて授業を受けるしかない。


俺は目をつけられたくないのですぐに授業の用意をした。


「じゃあ俺は殴られたくないんで席に戻るとするよ。」


三矢火も急いで席に戻ろうとしている。賢明な判断だ。


「あぁ、早くしろよ。教室が血で塗られるのはごめんだからな。」


「俺もそれはごめんだな。」


そうして二人で苦笑しつつ三矢火は自分の席に戻っていった。


「よしっ!全員席についたな!じゃあ授業を始めるぞ。」


そう先生が言ったのを合図に俺はシャーペンを取り出し、机に向き合った。


同時にチャイムが鳴り響く。


そしてその時間、俺は当然ながら全く理解できないまま授業が進んだのは言うまでもない。



どうも、真狐と書いて"まぎつね"と申します。読んでくださりありがとうございます。小説家になろうで投稿するのは初めてなのですがどうだったでしょうか?最近、異世界系が多いのであえて異世界系にせず、現実世界の物語を書きました。もし誤字などがございましたら優しく教えてくださると助かります。投稿頻度は遅いと思うのですが自分なりに頑張りたいと思います。そして、こういう後書きは何かお知らせするとき以外しない予定です。

長くなってすいません。では、また!

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