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繰り返す契約
ーー人は死ぬ時、走馬灯を見るそうだ。
辛い思い出が頭の中に流れ込んで、ジンジンと中から響いて哀しくなる。
生まれて初めて光を目にした時、初めて喧嘩した時、初めて人を刺した時…ゆっくりと流れてゆらゆらと意外と心地が良い。
走馬灯を見終わった後は周りが暗くなる、そして感覚が無くなって、周りの音しか聞こえなくなって、誰がいるのか何をされているのか分からなくて………怖くて、怖くて、怖くて…気がつくと周りは明るくなっている。
見た事ない景色そして見た事ない物、徐々に何か忘れている様な、忘れていない様な、たくさんの事が一気に頭に中に流れ込んで分からなくなって、”初めて,,泣いた。
周りからは感激の言葉「おめでとう!」「良くやった!」「頑張りましたね!」そしてその中に小さく「おかえり」という呟きが混じった。