メイドさんのスカートはロング派
町が見えて勢いづいたのか、馬車が足を速める。馬が足を止めたのは、城の近くに建つ大きな建物の一つだった。
「ここは王城に勤務するものが生活する施設だ。ひとまずここに住んでもらう・・・ハヤ。働き次第では、王城に住まわせて頂くこともできる。それを目指せ。常に殿下のお傍にお仕えできるように。」
「・・・はい。」
「それと、使用人を二人用意した。アイ、ユウ。出てきなさい。」
後ろの馬車から十三、四歳に見える少女が二人、下りてきた。どうやら双子らしく、よく似ている。アイと呼ばれた子は髪を後ろでお団子に、ユウはハーフアップにしている。サイドの編み込みはお揃いだ。
「アイです。よろしくお願いします。
「・・・あの、ユウです。えっと・・・よろしくお願いします。」
「後のことは二人に任せてある。では、私は用があるのでこれにて失礼・・・達者でな。」
そそくさとラカン伯が立ち去ってしまい、残された三人の間に沈黙が流れた。
「お急ぎみたいだね。ラカン様。」
「申し訳ありません、ご主人様は、お城に御用があるそうです。」
「ちょっとユウ、今のご主人様は、ご主人様じゃないでしょう・・・あぁっ!」
「だって、アイ・・・その、大変申し訳、ございません・・・ご主人様。」
「・・・ハヤでいいんだけど。ご主人様は、ラカン様なんでしょう?」
「いいえ、そういう訳には参りません。今の私たちのご主人様は、ハヤ様で、ご主人様は、ご主人様じゃ・・・あ、ああ・・・。」
「だからハヤでも何でもいいって。ハヤさんでも、お姉ちゃんでも、好きに呼んで。」
「・・・お姉ちゃん。」
「ユウ、さすがにお姉ちゃんは駄目よ。せめてお姉様とか・・・。」
「お姉さま・・・!!」
はぁ、とアイは溜息をつき、ハヤに向き直った。
「申し訳ありません。ユウは昔から、姉というものに憧れていて・・・お姉様と呼ばせて頂いてよろしいでしょうか?」
「・・・アイだって、私じゃない大きいお姉ちゃんほしいって言ってたじゃない。」
「ユウ!」
「うん、分かった。いいよ、お姉様で。これからもよろしくね、アイ、ユウ。」
「はい!」
「それで、まず私は何をしたらいいのかな?」
「待機、です。」
「王城からお召しがあるまで、ここでお待ちください。」
「そう、じゃあまずお片付けして・・・。」
二人の体を見る。ちんまりとした体に、長いスカートからちょこんと見える靴が愛らしい。が、か弱く頼りなくもある。
「今日から一緒に、運動しようか?」
二人そろって首を傾げられた。