初めまして 1
初めまして、マコトと申します。
今まではブログで二次創作しておりました。
オリジナルはあまり経験がありませんが、一生懸命更新していこうと思っています。
宜しくお願い致します。
両側を木や草に囲まれた穏やかな景色の一本道をその少女は歩いていた。
「お~な~かぁ~がすぅいぃたぁ~♪」
少女より随分背の高い少年が少し先を歩いている。
フンフンフンとハミングが刻まれ、また
「お~な~かぁ~がすぅいぃたぁ~♪」
道端で拾ったであろう木の枝を振り繰り返されるハミング。
やがて少女の足と鼻歌がピタリと止まった。
先行く少年の背中へビシリと枝の先を向け、声を張り上げた。
「おーなーかーがすーいーたーっ!!」
「……そりゃ良かったな」
足も止めず振り返りもせず、ただ呆れた声が返された少女は大きな目をぎゅっと閉じて言い返す。
「もう無理だもん!お腹、すいたもん!」
足をバタバタ地面へ叩きつけ、腰まで届く真っ白な髪をさらさら揺らしながら抗議を続ける。
無理だもん、やだもんを呪文の様に繰り返し、激しく地団駄を踏み大きな耳をたぷんたぷんと揺らしている。
因みにこの耳、ウサミミである。
しかし少年は気にする様子もなく前を歩いている。
離れて行く背中へ少女は叫んだ。
「もーやだ!ラビ、歩かない!」
歩けないではなく、歩かない。
この一言から少女の性格が汲み取れよう。
膝を抱えしゃがみこんでしまった。
前行く少年もさすがに足を止める。
頭を乱暴にガリガリとかき、大きなため息を吐く。
「じゃあ付いてくんなよ」
この二人、全くの無関係なのであった。
誤字、脱字のご報告を頂けたら大変助かります!
もちろん感想など頂けたら海より深く感謝致します!!