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真・恋姫†無双~三人の御使い~  作者: 泣き虫
蜀編
2/35

第一話「北郷一刀」

蜀編、魏編、呉編と分け、黄巾の乱が平定するまで続きます。


「ぅっ・・・」


あれ? 背中が痛い・・・。

目を開くとギンギラと照りつく太陽があった。

どうやら、俺は外で地面に寝そべっているようだった。


(確か、部活が終わって制服に着替えていたら急に眠気が来て───)


「あっ、目を開けたのだ」


「ん?」


太陽を遮るように覗き込んできたのは、四つん這いしているクリクリとした目の女の子だった。

よく見れば、その女の子の周囲にも女の子が二人。三人含めて、かなり可愛い。

しかも、クリクリ目の女の子以外は、ボンッキュッボンッといった素晴らしいスタイルだった。


「えーと・・・こんなところで何をしてるんですか?」


桃色髪の美少女が、クリクリ目の女の子の隣にしゃがんで、前かがみに訪ねてくる。


「いや、俺もよく分からないというか、状況が飲み込めない、という、か・・・」


前かがみになったことで、強調された双丘に俺は目を奪われた。

こ、こんなに大きいの、生で見たのは初めてかも───と、煩悩が湧き上がった時、背筋が寒くなった。

咄嗟に寝転んだまま転がると、俺の居たところに装飾が激しい槍の刃が突き刺さった。


「な、なにすんだよ!?」


「あ、愛紗ちゃん!?」


「桃花様! お離れください! この者、今桃花様のことをいかがわしい視線を送っておりました」


あっ、バレてた・・・。

次にまた襲われるのも嫌なので、上体を起こして三人を警戒する。

よくよく見ると、三人ともコスプレなんではないか?と思う衣服を身に付け、三人とも剣や槍を携えていた。

槍で襲ってきた黒髪の美少女は、再び刃を俺に向けた。


「貴様、なにものだ? 桃花様に幻覚を見せた妖しか!」


「は? あ、あやかし?」


「とぼけないでもらおう! 着ている服からして、只者ではないことは目に見えている」


彼女の指摘で、自分の状態を確かめると、聖フランチェスカ学園の制服を着ていた。

ポケットを確認してみたが、普段入れているはずの携帯も財布もなかった。


「何をしている? 何者か吐かぬのであれば、ここで青龍刀の錆びに───」


「ちょ、ちょっと待って愛紗ちゃん!」


「退いてください、桃花様! この者は危険です!」


「大丈夫だよ。あんな可愛い寝顔してた人が、危険なわけないよ」


「鈴々もそう思うのだ」


え!? 寝顔見られたの! 恥ずかしい~!

っていうのは置いておいて、二人の根拠なしの説得に、何とか黒髪美少女を抑えられたようだ。


「あの、もしかしてあなたは"天の御使い"さん・・・ですか?」


「・・・・・・は?」


妖しの次は、御使い?


「えっと、詳しく話してくれないかな? 俺も状況が掴めないんだ」


両手を上げ、とりあえず敵意がないことを示す。


「まずは名前かな? 俺は北郷一刀。聖フランチェスカ学園の学生で、出身は東京都」


「せいんと?」

「ふらんちぇすか?」

「とうきょう?」


三人とも首を傾げる。

その仕草には、わざとらしい仕草は微塵も感じず、純粋に聞いたことがないようだ。

すると、三人は固まって仲間内で話し始めた。


「あの者の出身地が、とうきょう、と呼ばれる場所で、北郷 一刀という名だということは分かったが」


「鈴々、とうきょう、なんて言葉聞いたことないのだ」


「ってことは、やっぱりあの人は御使い様なんだよ! 戦乱の世の中を収めるために、天から遣わされたすごい人なんだよ!」


「・・・あのー、盛り上がっているところ悪いんだけど」


「あっはいっ! ごめんなさい、えへへ」


どうも、桃色髪の人はこう、ぽわんっとしている。

対して黒髪さんはキツそうな性格そうだし、三人の中で一番小さいクリクリ少女は活発で子供らしい。


「じゃあ、自己紹介しますね。私は劉備、字は玄徳と言います」


「・・・え?」


「私は関羽、字は雲長。前まで「黒髪の山賊狩り」と呼ばれておりました」


「鈴々は張飛なのだー!」


「・・・ってことは、三人のご関係は」


「我ら三人、桃園にて、桃花様を姉とし、私、鈴々と義姉妹の契りを交わした仲です」


「えええええええええぇ!?!?」


つまり、今目の前にいる三人は、魏、呉と並ぶ蜀を治める三国志では有名の三名だということだ。

俺は遥か昔、三国志の時代にタイムスリップしてしまったことに、今気づいたのだった。









ってな訳で、俺は劉備、関羽、張飛に先導され、近くの小さな村に連れてこられた。

そこに待っていたのは───


「はわわっ、諸葛亮ともうちまちゅ」


「わ、私は鳳統でちゅ───あわわ、噛んじゃいました」


伏龍鳳雛と謳われた名軍師・・・と名乗る可愛らしい女の子だった。


「ど、どうなってんだ・・・どうなってんだよ、これぇ!?!?」

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