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縁の旅人  作者: ネギ田。
8/32

手がかり

一条知依奈(イチジョウチイナ)


誕生日

7月29日 現在17歳

身長 159cm

体重 ―――

特徴

赤髪のセミロング。いつも兄の愛用していた赤い眼鏡を掛ける。


一条知佐人の妹で、青隆学園高校に通う高校三年生。極度の機械音痴と方向音痴を持ち合わせている。大好きな兄が行方不明になり、どん底に落ちていた知依奈を、昂介が救った。以後、昂介にベタ惚れ。たまに大学に遊びに来ることがある。

愛称はちぃ。

5月20日

<ショカン>



今日は日曜なので講義はなし。花坂荘にいても、いずれ知依奈が邪魔しに来るに決まっている。

取り敢えず、午後からはショカンで時間を潰そうかと思っていたが、そう思い通りにはならなかった。



「コウちゃん、飛ぶよ!」

「は?」



偶然ショカンで鉢合わせした知鶴さんに、いきなりそんなことを言われた。

てか、今日の知鶴さんはいつもと違い、巫さんの格好をしていた。元凶はあの人か…。いつの間に…。

飛ぶってことは…過去にだよな……。

ていうか、コウちゃんて…。



「あの…バイトは…?」

「今は休憩中なの!ほら!早く手繋いで!」



強引に手を繋がれ、僕たちは過去へ飛んだ。

見ていた客は、みんな唖然としていた。

捺美も、同じように開いた口が塞がらないようだ。



「ね、ねぇ…あの二人…消えた…?」

「僕たち…前に一回見ましたよ…なぜかもう慣れましたけど…」

「面白そうだよな」

「甘く見ない方がいいわよ」


再び客として来ていた明名が、深空に喧嘩腰に言った。



―――――――――――




1月3日

<梨緒通り>




「寒っ!!」



今日はたまたま、現代は少し暑かったので、薄着で来ていたのだが、行く日にちが解らなかったので、(急だから)防寒対策不完全のまま、時渡りをしてしまった。



「そう?まぁ一月だからね」

「一月!?どうしてまたそんな季節に?」うしてまたそんな季節に?」

「……ちょっとね…」



その時の知鶴さんの表情は、どことなく寂しげだった。



「ところで、今からどこに行くんですか?」

「今日は学校に行ってみたいんだ。私たちの通ってた学校」

「ああ、前に深空が言ってた横峯章陽学院ですか?」



確か、生徒が行方不明になる事件が多々あったとか。そういうのが有ったにも関わらず、空襲前夜まで残っていた謎の学校。僕も興味があり調べようとしたが、いくら文献の中を探しても見付からなかった。



「うん。もしかしたら、そこに残ってるかもって…」

「何がですか?」

「日記の行方や、何故こんなことになった手がかりを探しに」

「でも、ここにいられるのはせいぜい数時間って言ってませんでした?」

「うん。だから毎日飛んで、手がかりを見付けようよ!」

「毎日…ですか…?」


僕はげっそりとした。

町は皆、正月で賑わっていた。タコアゲや駒を回して遊んでいる人もいれば、お年玉をもらってハシャイでいる人もいた。

空襲が起きる前は、こんなに平和だったんだなと、僕は痛感した。




<横峯章陽学院高等学校>




「ここだよ」

「別に…至って普通の学校みたいですね」

「そりゃ、噂は学校内だけだったからね…」

「え…?」

「さ、早速中へ行こうか」



言われるがままに、僕はその後をついていった。




<一階廊下>




「…誰もいませんね…」「だって冬休みだもん」

「先生たちも?」

「大人は空襲に備えて色々忙しいんだよ」



そうか…もうこの時から警報が出てるんだ…。

中には誰もいなかった。すると、知鶴さんは教室へ入っていった。



「…………」

「……?知鶴さん?」


感傷に浸っていたのか、机に触れては、上を向いてうつ向いていた。



「…ゴメン…なんか久しぶりだなぁって思って…」

「ここに来たのが…ですか?」

「うん」



まわりを見渡すと、辺りは暗く、黒板以外はほとんど木造建築だった。所々では黒く腐っていた所もあった。



「……このへんだったと思ったんだけど……」



突然、知鶴さんは一番前の席の机の中を探り始めた。



「……何してんすか…?」

「ん…探し物をしてるんだけど…見付からないんだよな〜」

「それって…日記ですか?」

「あ、それとはまた別……あ、あった!」



机中から探り当てたのは、一枚の古びた写真だった。見てみると、この校舎をバックに五人の少年少女が写っていた。右隅に写っていた銀髪の青年の頭上に、『神木涼輔』と黒ペンで名前らしきものが記されていた。



「知鶴さん…それって…」

「あの空襲が来る前の…みんなの宝物だよ…今はみんなバラバラになっちゃったけど…この写真があるからね…」

「どこにいても繋がってる…ですか…?」

「もう、先に言わないでよ〜」

「ハハハッ…」



―――――――――――



「じゃあ俺は、図書室に行ってきます」

「うん、気を付けてね」



教室を出たあと、僕たちは一旦別れ、別行動をとるようにした。僕は図書室、知鶴さんは他の教室を回るようにした。

60年前の書物はどんなものだろうと、僕は胸に期待を湧かせていた。

縁の旅人を読んでくださり、真にありがとうございます。

さて、この物語をもっとよく知ってもらうために、一話毎の前書きに登場人物説明をしたいと思います。

また、序盤の方の前書きにも更新しましたので、ぜひ!見ていただけたら幸いです。

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