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縁の旅人  作者: ネギ田。
7/32

二人目

后遠寺明名


誕生日

7月26日 現在(当時)17歳

身長 161cm

体重 ???

特徴

ややオカッパに近い肩までの黒髪ショート。目つきは鋭い。


かなりのお金持ちで、口調もお嬢様。校内でも人気だった。5月20日にあった突然の空襲の際、能力を持つようになる。ツンデレっぽい…。


“触点”

日記に触れた者(30分以内)の身体に異常をきたせる力。種類は豊富。適合者との絆が深まるたび、増えていく。


「あの時…この日記が無かったら、私はここにいなかった…」


「ヨネばぁのとこで買っておいて、正解だったね」


「ええ、いつも口からデマカセを言う涼輔らしいわ」



そうして、二人は会話を弾ませながら、楽しく家路に戻った。



―――――――――――



<都築家-実家>




「まぁ!」


「ということで、もしよろしければ、申し訳ありませんが私に寝床を貸して頂けないでしょうか?」


早速知鶴は昂介の実家に帰り、明名を居候させてもらうよう交渉していた。

もちろん、当人の昂介は未だ不在中である。



「もちろんよ!家には父さんと二人っきりだから寂しかったのよ。家族が増えたみたいで嬉しいわ。えーと…部屋は…」


「あ、知鶴と一緒の部屋でお願いします」


「あらそう?助かるわー。じゃあよろしく…」



ガタン!



突然、ドアが力強く蹴り開けられた。そして、数人の黒ずくめの男が現れた。


「一条知鶴、后遠時明名。共に二名確認」


「目的は二人と二冊の日記だ。部外者には手を出すな!」



いきなりの波乱の状況に、昂介の母親は目を丸くしていた。



「なっ、何なのぉ〜!?」


「I/Oのヤツら!」


「性懲りもなく追ってきたのね!」



知鶴は日記を取りだし、前に突きだし構えたが、明名にその手は下ろされた。



「これが欲しいんでしょ?差し上げるから、一先ず今日は引き上げてくれないかしら?」



そういって、明名は自分のノートを取りだし、男たちに差し出した。それを見た知鶴は、開いた口が塞がらなかった。



「あっ…明名!?」


「……よし。そこに置いて下がれ…」


「…………」


「え?え?え?」


パサッ。



床にノートを置き、それを静かに男が拾った。



「ちょ…何考えてるのよ!?」「今ここで騒ぎを起こすことはないわ…それに…まだあなたのが残ってる…」


「よし。一度退却するぞ」


「?…し、しかし…もう一冊は…?」


「ボスの望みは日記を手に入れること。取り敢えずここはボスに日記を渡すことが最優先だ」



数人が渋々従い、男たちは退いて行った。



しかしその隙を、明名は見逃さなかった。小声で呟いた。



「触点…痺点…」



パチンッ。



軽く指を弾き鳴らせ、男はガクンと足を落とした。



「うおっ!?」



すかさず日記を取り返し、素早いみのこなしで他の男たちを日記で軽く叩く。



「こっ、コイツ!」

「痺点…」

「ぐあっ!」



三人いた男たちも、手足が痙攣しだした。バタッと床に倒れる。



「知鶴、今よ!」


「はいよっ!手錠!」



知鶴は“想造”で手錠を生み出した。



カシャン。



「うう…」


「くそ…ボスにどやされる…」「ハッハッハッ、作戦勝ちだね!」


「浮かれてないで、サッサと連れてくわよ」


「…はーい。じゃあお母さん、ちょっと行ってきます」


「い、行ってらっしゃい…」



男たちは反撃しようにも、手足が痺れて物を握る力も残っていなかった。



―――――――――



「びっくりしたー。明名ったら急に諦めるんだもん…」


「大切な日記を、そう簡単に渡すワケないでしょう?」


「明名の能力って、何?」


帰り道に、黒ずくめの男たちを交番に届け、あとは警察に任せることにした。



「日記に触れた相手に異常をきたせる力。“触点”。まだ身体を痺れさせる痺点しかないけど」


「あ、危なくない?」



先ほど黒ずくめの男たちが日記に触れた後、痺点を食らって身動きがとれなかったのを、知鶴は思い出した。



「あなたは、“想造”かしら?」


「えっ?よく分かったね?」


教えてもないハズの自分の能力を見抜かれ、知鶴は驚いた。



「あなたがあの状況で、都合良く手錠を持ちあわせてるハズがないでしょう?」



もっともらしい理由だが、何故だか知鶴には嫌味に聞こえた。



「明名もI/Oのヤツラに追われてたんだ…」


「そうでもなきゃ、日記にこんな能力があるなんて、知らなかったわ」



夜の帰り道、自分と同じ人間が他にもいたことに、知鶴はかすかに感動していた。

そして、昂介のいない昂介の実家へ真っ直ぐ帰った。

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