一歩前進(昂介編)
一条知佐人
誕生日
11月11日 現在(当時)18歳
身長 180cm
体重 64kg
特徴
赤髪で眼鏡を掛けている。中指で眼鏡を掛け直すのがクセ。
昂介とは親友。昂介と並ぶ秀才で、空想好きなので、まれに奇天烈なことを言う。
大学受験は受かったのだが、以後現在本人は行方不明になった。
5月12日
<ショカン>
「えっ?知依奈を知ってる?」
「うん…うろ覚えなんだけど、やっぱりどっかで見たことがあるような…」
現在僕の家に居候中の知鶴さんは、いつまでも世話になってはなんだと、自分からアルバイトを探した。丁度、ショカンが人手不足だったので、捺美さんに相談し、OKをもらったので、そこを知鶴さんに勧めた。
その話を店長がするのだが、中々来ない。
「もしかしたら…いつか時を飛んだときに…出会ったことがあるのかも…」
「そんなことって…あるんですか…?」
「まぁ何回も時を旅してると、色んな人に会うんだよ」
「マスター来たわよ」
奥のカウンターから、バッハのような巻き髪をした男が現れた。歪んだ眼で見られたら、目を反らすことは難しい。
「じゃあ、僕はその辺をブラついてきますんで、終わったら待っててください」
そういって、僕はショカンを出た。
<花坂荘>
あのマスターとは、少し(僕的に)因果関係があるので、ひとまず花坂荘に戻り、近くの自動販売機で買ってきたジュースを飲みながら一息つく。
「昨日はやたらに騒がしかったな、都築くん」
すると、背後から久しぶりに聞いたような声が聞こえた。
「えと…室井さん…でしたよね…」
少し身を引いた口調で言った。相変わらず緩んだその目は、一体何を狙っているか分からない…。関わりを持つのはよそう…。
そそくさとその場を逃れようとする。
「あっおい、どこいくんだ?」
「あ、いや…特に…」
とっさの不意に掛り、本音が出てしまった。
「ヒマなら、ちょっと寄ってかないか?まだ歓迎会もしてないしな」
と言って、強引に僕の腕を引っ張りながら部屋へ連れていった。あまりの強引さに、抵抗することを忘れてしまった。
<103号室-室井の部屋>
連れられるがままに連れられ、そのまま室井さんの部屋に入った。中には、三人の男女が中央のテーブルを囲んでいた。
「おっ、君か!新しい住人さんは!」
「あら、案外かわいいコじゃない。これは健くん以上かな?」
「…………」
なんだか楽しそうだが、こういう雰囲気に馴染めないのが僕の短所でもあった。一人は漁師のようなイデタチに、威厳のありそうな顔。奥にいた女性は、もの凄く綺麗で、なんとも大人の雰囲気をモンモンと出している。
ツインテールに縛った女の子は、目を合わせず下を向いて蹲っている。
「ほらっ、早く座んなよ、兄ちゃん!」
「あ、はい……」
見た目とは裏腹に、案外優しそうな人だったので、一先ず安心した。
「由莱ちゃん、ほら、挨拶しな」
室井さんは優しく女の子に勧めるが、顔をうずくめたまま、喋ろうとしない。
「いきなりカッコいい男の子が現れるから、由莱ちゃん恥ずかしいのよ。ね?」
女の子は激しく上下に頷く。気のせいか、顔を真っ赤にしているように見えた。
「ちぇ、俺んときは平然だったのにな」
「……ごっ、ゴメンなさい!!」
微かな小声で必死に謝っていた。それを見た漁師?が、
「お、健!由莱ちゃんを泣かすのか?泣かしたら承知しねぇぞ?」
眉間にしわを寄せて、室井さんを威嚇した。これを見て、室井さんは冷や汗をかいた。
「あ、自己紹介がまだだったわね、私の名前は岳月瑞穂。こう見えても、まだ20代前半よ」
「三度の飯より魚好きな見習い漁師、前田半臓とは俺のことよ!」
あ、見習いなんだ……。
「か、神木由莱…です…」
みんな、笑顔のまま僕を迎えてくれた。
僕も素早く自己紹介を済ませ、みんなと会話を弾ませた。……何か……忘れてる気がするが……