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縁の旅人  作者: ネギ田。
19/32

出発

今回は少し読みにくいかもしれません・・・

ごめんなさい!!!

「ふぅ…何だか疲れたねぇ〜」


「はしゃぎ過ぎですよ」


俺がそう言うと、知鶴さんは満遍な笑顔を見せた。俺達は近くの公園で一息ついた。知鶴さんを見ると、本当に疲れているようだ。そりゃそうだ。あんなに深空と食べ歩きをかなりのハイテンションで歩き回っていたからな。

てかあんなに喰ったのによう歩けるわ…。


「ここらで休憩するか」


「そうだな」


俺と翔一以外はまともに歩けそうにない。この中で1番満喫してたのは、間違いなく明名さんだな…。

言ってた割には、結構楽しんでたし…。


「さぁ…そろそろ本題ね…」


急に明名さんがそう言うと、場の空気が一瞬にして重くなった。


「みな満喫していたところ悪いけど、すぐにでも私たちは動かなければなならないのよ。いち早く同じ人を見つけなければならないから…」


翔一は息を飲んだ。


「これを見て…」


明名さんは大学ノートを出した。以前見た、60年前の明名さんの日記のようだ。

パラパラと開いたそのページには、色んな国の文字が羅列して並んでいた。


「これは…日記…?」


初めて見た翔一は、その記してあるものに目を疑った。

そこには、日記らしき文章の中に、所々赤い文字で記されていた部分が気になった。


「ここに赤で書いてある革縁(かわぶち)竟笠(おわがさ)稲見崎、そしてにここ横浜」


「て…これは…地区の名前ですか?」


赤で書かれた文字は、神奈川の地区名を表していた。

その他にも赤でアンダーラインが引いてある所もあった。


「とりあえず…ここ神奈川に置かれたヒントはこの四つ。このどれかに、その答えがあるはず」


「これは…なんの場所なんですか?」


すると知鶴さんは、“想造”の力で神奈川全体の見取り図の貼った掲示板を出した。


「1番北にある稲見崎に、そこからやや東にある竟笠、東京と境目にある革縁。そしてここ、横浜市」


「じゃあ、1番最初に探すのはここ横浜ですか?」


翔一が聞くと、明名は横に首を振った。


「残念ながら、ここにはそれらしきものは見付からなかったわ」


断言したようだったので、その理由を聞いてみた。


「私たちは個々の能力を所持している他にも、お互いの存在を確認し合える事が出来るの。もちろん、繋がった適合者ともね」


もはや超能力としかいいようがない。まぁ、60年前の人が今ここに存在すること自体が信じられないけど…。


「じゃあ…ここではその存在が感じられないんですか?」


「ええ…」


「ところで…」


深空が割って入って来た。


「でも…それって人間ですよね?明名さんたちと同じ60年前の。もし今その人たちがそこに存在しているなら、人間なら動きます。少なくとも、今現在その町にいる可能性はあるんですか?」


いつになく鋭く言い放った深空に、僕も少し疑問に思った。

60年前の居場所なんて、あてになるのか?


「確かに、今から私たちが捜していくのはあくまで“人”という目標」


「どういうことですか?」


「そのままよ。“あくまで”私たちは人を捜す。ただ、その人が生きてるかそうでないかは、基本的どうでもいいのよ」


どうでもいい…?

聞き間違えかもしれない。明名さんがそんなことをいうなんて…。


「ちょっと明名!そういう言い方はないんじゃない!?」


「別に…ただ解りやすく説明しただけよ…」


知鶴さんの言葉は耳にしないようだ。どうしたのだろう…。急に機嫌を損ねるなんて、らしくないと言えばらしくないが…。


「ともかく、私たちの追うものは人物だけじゃないってことよ」


「じゃあ…何ですかそれは?」


すると、明名さんは懐から自分の日記を取り出した。相変わらず飾りっ気のない日記だ。


「この、日記よ」


すると突然、明名さんの持っていた日記が光出した。それを明名さんは、天高く上に掲げた。


「………………」


僕たちはそれをただ、大人しく見守る?だけだった。

やがて光は消え、ゆっくり手を下ろした。


「どう、明名?」


知鶴さんが確認をとると、明名さんは再び横に首を振った。


「やはり…ここには感じられない」


「じゃあ…どうする?」


「手分けして探すしかないわね」


すると、今度は知鶴さんも日記を取り出した。

二人は互いの日記を重ね合わせた。


「我ら今二人、現在に存在すべし。この身互いに違いあえる場にいるならば、今ここに記すこの場に、いづれ舞い降りよう…」


何やら二人は呪文らしき言葉を話し始めた。知鶴さんと明名さんの声が重なる。実際、この二人のやったことがまったく理解出来なかった。


「じゃあ二手に別れるわね。知鶴と昂介、私と深空の二組で。左右の方向に別れて行動する」


「了解」


知鶴さんは敬礼した。連られて僕も敬礼した。


「何かあったら、互いに連絡するように。あなたたち、携帯は持ってるわよね?」


僕と深空は確認するため携帯を取り出した。


「大丈夫ね」


「それじゃあ」


僕たちはお互い左右に体を向け、それぞれ歩き出した…。


「…………って…僕はどうするんですかー!!?」


……………一人、忘れていたことも忘れていた。


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