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縁の旅人  作者: ネギ田。
12/32

想い人

神木涼輔(カミキリョウスケ)


誕生日

10月8日 現在(当時)17歳

身長 175cm

体重 60kg

特徴

ややトンがった銀髪で、昭和の爽やか系。

ちょっと垂れ目


喫茶店【湘館】の二代目店長で、知鶴たちのまとめ役で、正義感も強いが、ちょいとナルシスト。

コーヒーのことはうるさいほどこだわりを持ち、毎日ブレンドに励む日々。

人の世話をやくのが好き。

「あ…君は…」

「そんなことより!さっさと逃げるよ!」



いつの間にか、涼輔は左腕にひどい火傷を負っていた。かなり辛いのか、腕を抱えながらしゃがみこんでいた。



「ほらっ、肩に掴まりなよ」

「あ、ああ…すまない…」



かなりよろけていた。

こんな正義感のある人…死なせはしない!

そして明名の…大切な想い人だから…。



それにしても…熱い…。体が焼けそうなくらい…。汗も止まってはくれなかった。

冷や汗…か…?



ガタン!



通ってきた逃げ道が、とうとう倒れてきた火柱によって閉だされた。さらに炎の勢いは増し、近付きも出来なかった。



「くっ…」

「俺を置いて…早く…逃げるん…だ…」



微かな声は、自分を犠牲にする最後の正義。

絶対…助ける!



「諦めるな!必ず脱出する!」



しかし、その願いを遮るかのように、ますます火の勢いは増していった。

忽ち深空たちのもとに、激しい炎が舞い寄る。



「深空!」



火の中をかきわけ、諦めていた少女が前に立っていた。



「明名!」

「このノートに触れなさい!」

「はっ…?」

「早くなさい!事態は一刻を争うのです!」



差し出されたノートには、青くシンプルな、現代人が使うような大学ノートのようだ。


しかし…今この状況で…最後の最後で…この女は何を言ってるんだと、答えず唖然とした。

それでも、彼女の目は真剣だった。



「………」



恐る恐るノートに触れる。しかし何も起きず、明名は続けて涼輔にも触れさした。



「あなたのおかげで、新たな力が私は手に入れた…」

「?」



背を向け、突き出したノートで熱い夜の風を切った。



「触点第二…震点」



すると、周りの火の海に囲まれていながらも、何故か熱さを感じなくなった。急に汗が止まる。

それは明名だけでなく、ノートに触れた深空と涼輔も同じだった。



「え…?」

「さぁ!脱出するわよ!」



不適にも笑いながら、燃え盛る火の中を目指し歩き始めた。



「おっ、おいっ!」

「大丈夫です。私を信じなさい」



いつの間にか、火の中を通っていく明名の体から、何か光輝く青白いものが、明名の体を包み込んでいた。

その光のせいで、火は当たらないように避けているのが解った。



「…………」



騙されたように、深空も同じく明名の通っていった道を歩み始めた。始めは燃えるかと心配していたが、自然と火が体を避け、まるで火がたてならぶ道しるべが出来上がっていた。


そして、無事に生還を果たした。



「ゴホッ!ゴホッ!」



煙が肺まで入ったか、涼輔は胸を抑えながらむせていた。



「さて…帰るわよ…深空…」

「は?そ、その前に手当てしない…と…」



明名に掴まれた自分の手を見せられると、手から霧状のようなものが浮き出ていた。



「…なんだ…これ…?」

「時間よ。もう戻らなきゃ…」



手を繋がれ、人のいない方に向かって走った。



シュン…!



「おっ、おい!今、人が…」

「き…消えた…!?」



――――――――



帰る道中、私たちは初めて、会話を交した。



「余計な事をしてくれたわね…」

「なっ…!?」



明名は、話しながらも深空とは顔を合わせなかった。



「……でも…ありがとう…」

「…………」



その言葉に、明名に対して改心を諮った深空であった。






日記所持者―

・一条知鶴

・后遠寺明名


適合者―

・都築昂介

・辿堂深空



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