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神がいないこの世界、そして僕達は神になる  作者: 秋野紅葉
ジョブチェンジしますか?▼最弱 ▽最強
8/15

親友

千寿は一人、日本エリアのエントランスホールを歩く。


えー、こほん。僭越ながら私が彼の紹介を。


彼の名は伊万里 千寿。伊万里財閥の御曹司らしいの。

どんな会社かは詳しくは知らない。だってまだ知り合って3年だし、あんまり自分の事話さないし。


日本屈指の大企業ってこと、彼の眼帯の下の目は瞬間記憶能力を持っているってこと、学年で一番モテるチャラ男ってこと、これだけしか知らない。


じゃあ何故私が紹介するかって?


知りすぎてるって事も、危険だってこと。


ほら、見てて?


千寿は路地裏に入ると、帽子を深くかぶった男と接触する。


「で、進捗は?」

「はい、目ぼしいのは4つ程ですね……」

「そうか……俺は運よくカードを手に入れた。ギルド内にもう一人所持者がいる。計画はこのまま進める」

「わかりました……くれぐれも無理はなさらぬよう」

「わかっているさ。情報が正しければ、国を守り、友を守るにはこれしかないからな……本当は守るべき友を巻き込みたくなかったがな」

「貴方様の判断は正しいと……組織の見解も示しております」


千寿は男からトレードの申し込みウィンドウを開き、許可する。


アイテムをいくつか受け取ると、男に背を向け歩き出す。


「お気をつけて……」


男が頭を下げると、千寿は手をヒラヒラとさせた。


ね?こんな所見て怪しいと判断できるのは、彼を知りすぎていない私だから。

公平な判断を歪ませる感情は、時に毒となる。

臨の受け売りだけどね。


では、私達の大将の紹介を怪しい彼から……どうぞっ!







臨は部屋に入ると、ソファに腰かけ、天を仰いだ。


誰が怪しいだっ!まぁ、メタい話は置いといて、紹介しよう、俺の親友!


彼の名は尾張 臨。白い髪、釣り目、特に特徴がない彼は自称プロゲーマーだ。

小学生の頃はスポーツもしていて、それなりに運動神経はいい方だ。

俺が中学で出会った頃には既に白髪で、根暗だった。


ゲームセンターでダメージを一切受けることなく、ゾンビをなぎ倒す姿に惚れ込んで、ナンパしたわけよ。


実は、うちの会社って電子機器全般を作りつつ、ゲームも作ってるんだ。

でも、俺はからっきしなわけで……

自分が出来ないことをなんなくこなす人間に、人は憧れるもんだよな。

まぁ、臨の受け売りだけど。


で、それ以来ゲームセンターで臨を追いかけまわして、新作のゲームで釣って、気づけば打ち解けてくれてたわけよ。

やり方が汚い?でもまぁ、今は信用しあえる親友なわけだし、終わり良ければ全て良しってな。


話が長くなったな、これが俺の親友だ!


「はぁ、疲れた」


臨はぼーっと天井を見つめる。


電話のベルが鳴りメニューを開くと、Callと表示されている。


臨は一瞬目つきをギラつかせると、遮断した。


すぐさまメッセージが届く。


「なんだ、奏の奴……はまってるじゃないか」


少し嬉しそうに笑うと臨は部屋を出た。


今の電話は御剣さんか?教えてもないのにもう使えるのか。


こんな能天気な親友を守る為にも頑張らないとな!







こうして、それぞれの歯車が回り、再び噛合せる。


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