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湿布

オペレーターB

「か、艦長、我が軍後方より敵の駆逐艦隊、多数出現です!」


オペレーターC

「敵戦力が急上昇を開始しました!」


参謀

「バカなぁ。あんな異星人がこのような不意打ち作戦をしてくるとは……。我々にはもはや対抗するしゅだ――」


道田 勇翔

「参謀……。まだ我々はあきらめるのに早いですよ」


参謀

「艦長? どういう意味で?」


ウェザー中隊隊長

「……こちらウェザーワン。敵指令艦の指揮系統中枢部を抑えた」


ウェザー中隊隊員

「こちらウェザースリー。敵駆逐艦三番隊の制圧に成功」


ウェザー中隊隊員

「ウェザーフォー。同じく第五部隊の制圧に成功」


   ・

   ・

   ・


オペレーターA

「艦長! 敵各隊の動きを封じることに成功しました」


道田 勇翔

「よくやった」


参謀

「こ、これはどういうことで!?」


道田 勇翔

「あぁ、すみません。この作戦のことは参謀には秘密にしていたんだよ。敵に作戦内容が聞かれてはいけませんので」


参謀

「ははは、何のご冗談を?」


道田 勇翔

「取り押さえろ!」


参謀

「な、何をする! わたしは参謀じゃん!」


道田 勇翔

「参謀……いいえ、エポマンスの帝王、通称・宮井 健太。まさか帝王自ら我々の艦に潜入してくるとは、少しびっくりしましたよ」


通称・宮井 健太

「何をいっておるか!」


道田 勇翔

「しかしビックリしたからといって、あなたを監視していなかった訳ではない。あなたとあなたの母艦との通信は全て傍受させていただきました。もちろん、この後ろからの不意打ち作戦のことも知っていましたよ」


通称・宮井 健太

「そんな。この作戦は私が長い年月を掛けて編み出したというのに――」


道田 勇翔

「こんな簡単な作戦を長い年月も掛けてねェ……。さて、本題に入りましょう。あなた方、異星人「エポマンス」はこれ以上我々地球との接触をしないことを約束していただけますか?」


通称・宮井 健太

「誰がそんな交渉に乗るも――」


道田 勇翔

「今あなたの大切な家来たちは、我々の手の内にありますが?」


通称・宮井 健太

「ぐぬぬ……。ええい! わかったじゃん。もぉお前らには一生手を加えないじゃん。だから今すぐ解放しろ!」


道田 勇翔

「いいでしょう。……解放してください」


ゲイザー警備兵A

「ハッ!」


通称・宮井 健太

「あいたたた。腰を痛めたじゃん。それから、母艦に帰るためのシップを貸せ!」


道田 勇翔

「湿布を用意してやれ」


ゲイザー警備兵C

「ハッ!」


オペレーターD

「プッ……」


オペレーターC

「シー……」


通称・宮井 健太

「……?」


道田 勇翔

「ああ、それから一つ言い忘れていたことが」


通称・宮井 健太

「な、何だよ?」


道田 勇翔

「この組織にもともと参謀という役はおりませんよ。一体いつからそのような人事配置をしたのか、私は覚えがありませんでした。お気の毒に」


オペレーター

「プハハハハ……」


ウェザー中隊

「ハッハッハー……」


道田 勇翔

「クハハハハー……」


通称・宮井 健太

「グヌヌヌ……」



 こうして、地球が危機に陥ってから五十年。銀河に響いたこの笑いが、地球に平和を取り戻した。


    Fin


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