恥ずかしい子
「恥ずかしい子」
と言われて来た。
なんでも一族で皆で行う魔力判定で私が最低値を出したからだそうだ。
それ以来・・・と言うか産まれた時から言われ続けて来た。
私は魔導師一族に産まれた。我が一族は嘗ては王の相談役だったことも有ったそうだが、今は自身の領地に引きこもって魔導の研鑽をして居ると言うことになっているが、権力争いに負けて引きこもって居るだけである。
と言うことを私は家の者達が愚痴って居るのを聞き集めて知った。
母は私を産んだせいで一族から難癖をつけられてようだが、その実は家の家政をメイド任せにして自分は無駄に貴金属やドレスを買ったり、自分の見栄のためにお茶会を開いたりして自分に都合の良い楽な事しかしないからである。
母は私の世話をメイド達と言うか下働きのもの達に押し付けて、優秀である兄にばかり構って居た。
その兄は一族一の高魔力保持者で、強力な魔法を使える様になると期待されたせいか、甘やかされて育ち、自分以外の者は見下し顔を合わせるたびに暴言を吐かれた。
そのせいか私は母と兄と父親一族に全く思慕とか愛情とかは感じない・・・のは私が転生者なのも有るんだろう。
前世の記憶で家族との思い出が有るから、一族の異常性に気が付いた様なものだ。
なので私は私たちは一族が推奨する鍛錬法には・・・
魔力を貯めて攻撃魔法をブッ放しまくるだなのだ。
理論も方法も教えずこれでどう上手くなると言うのだ?
それに参加せずに独自にと言うか精霊達と交流する事にした。
この世界には精霊というものが居て、魔力というか自然魔力を生み出して居るのだ!
ちなみに自然魔力と言うのは世界に空間に流れて居る魔力のこと生き物の残留魔力や植物が放出している魔力が元
そいつらと仲良くなって、魔法を使える様になったのだ!これは私たちだけの秘密で有る
もちろん一族とくに母と兄には秘密だ!人を見るなり
「あなたの様な低脳が子供なんて恥ずかしいわ」
「お前の様なクズを俺の魔法の実験台にしてやるんだからありがたく思え!」
と暴言を吐いて居る連中などどうでも良い!
と言うか私は縁を切りたい!
で、社交界で母が兄の優秀さを流したと言うか自身の恥を晒したと言うか、兄がその場で魔法を見せたと言う事で、王都の魔法学園へ入学することとなった。
優秀な子供に良い教育をって感じなんだろうが、私もってことは「恵まれない子供達にお慈悲を・・・」ってところだろうな。
まあ、兄の付き添いとしてなんだが、これが無ければなあ。
家族と離れられてせいせいしたけど、精霊達と別れるのは辛かった。
精霊は産まれた土地を離れらないからなあ。
あとは世話してくれたメイド達に別れを告げて兄と共に王都へと向かった。
学園からの従者に連れられて私たちは、王都の魔法学園まではすんなり行けた(途中従者に麵麭を買ってもらって彼が感激のあまり泣いてしまって従者に訝しがられたが)
魔法学園に着いて初めに思ったのは、魔法の多様さだ。
攻撃魔法はもちろん、回復魔法、防御魔法、精霊魔法、召喚魔法、錬成術、呪術、魔女術、構築術、闘気、など多岐に渡り、しかも、武功、陰陽術、など見たことがない異国の魔術も!
私たちはここで様々な魔術に触れた!勉強や修行が楽しくて楽しくてたまらない!
早速、召喚魔法を覚えて故郷の精霊達を呼び出した!感動の再会!
これには教師達が驚いて居た。今のご時世こういう自然に近い魔法を使う人は珍しいそうだ。
さらに、初めて友達とも言える存在が出来た!他人と何かをするのが楽しいなんて前世ぶりである!
ついでに毎日ご飯も食事も出るし、お風呂にも入れるし、洗濯もあたらいい服も手に入れられる!
誰かが着て居ない服なんて初めて着た!
こんなに恵まれた環境なのにあの兄は自分が賞賛されないからご不満だそうだ。
兄の魔法は魔力を練りもせずにそのままぶっ放すから、周囲への被害が出て大変だそうだ。
掃除洗濯とかやったことないやろうとしないから、(洗濯魔道具、掃除魔道具はあるから実家より綺麗になる)だんだん汚らしくなって行った。
兄と仲悪いから、引き離してほしいと学園に話しておいて良かった。
兄は周囲から疎まれて居るそうだ。
ざまあみろだ!
私は自業自得だと思った。
で、その兄が私たちの目の前にいる。
「おい低脳!なんで使えないんだ!俺のために働くのがお前の仕事だろうが!」
と喚いて居る
「それは貴方が『お前の様な恥知らず、側に置いたら我が一族の名が汚れる』と仰ったからですよ」
たんたんと相手をする私兄とか言いたくねえ
「お前は我が一族の気高い魔法を使わずに、魔道具やら、錬金術やら、異国の怪しげな魔術に手を出して居るそうでは無いか?なんと卑しい」
「様々なものに触れることによって刺激を受け、それによって魔法が発達する。それがどこが卑しいと?」
「我が一族が研鑽した魔術を使わないなんて!」
「いまでは古臭いんですよそれ」
「お前俺に逆らったらどうなるのか分かって居るのか!!!」
と手に魔力を込めながらそこいらのチンピラみたいな発言。
普通に授業受けて実習受ければ良いものの、初めは高魔力で期待も高かったようだが、細かい制御が雑ですぐに暴走さえて魔術が上手くいかず。言い訳ばかりで提出物もろくろく出さず、備品を破壊する。
そのうえ自分より低魔力の者は見下し暴言を吐き、高魔力や身分の高い者には媚びへつらうと酷い有様だ。
真面目にやっていればそこそこのところへ行けそうなものだが・・・
「おい!聞いて居るのか恥知らず!」
「・・・邪魔です」
「この低脳!の恥知らず!」
「・・・恥知らずはあんたの方でしょうが。こんな大通りでつかかって来るなんて文句有るんだったら学園に言えよ」
「うるせえ!今日朝起きたらいきなり退学だと!学園の奴ら俺をバカにしやがって!!」
自業自得だろが、人によって態度変えるからなあ。
無能力者だからって舐めた態度とったから、あれが決め手になっちゃったんだろうな。
その人王族の護衛を務める人だったからなあ、直々にぶちのめされて居たけど。
だまって行っても良かったんだが・・・
「・・・彼がねえ」
と私は彼に意識を明け渡した。
「兄様!これ以上恥を重ねるのはおやめください!」
と先ほどとは違い丁寧な口調で語りかける。
「おい低脳!悪霊なんぞに取り憑かれて!ここでぶっ殺してやる!」
と魔力を固めて放って来た!
危ねえなあ!
私たちはそれを弾い・・・周囲に当たるな・・・
それを杖で上手く受け止めて
「お返しします!」
と兄に返した。
見事に当たり炸裂し、兄は黒焦げになって倒れた
「これで一件落着だな」
と私
「兄様やっぱり、退学ですか・・・」
心配そうに呟く彼、優しいと人々はいうが、長年服従させられたことによって自分の意思が出せない事によるものだ。
「あんな恥ずかしい連中と離れられるんだから正々するわ」
「でも僕は一族だし・・・」
「こんな毒一族コッチから願い下げだよ」
「また変なこと言って・・・」
「恥ずかしい子だとか言って居るけど、あいつらの方こそ恥ずかしい奴だよ!」
私は転生して彼に取り憑いたのだ。本来なら彼になる予定だったのだろうが、私の力が弱かったのか、彼が強かったのか分からないが、魂を二つ宿すこととなった。
他の人は私が精霊だと思って居るみたいけど、一族の土地で会った精霊達は転生となんか関係有るっぽいみたいだし、勘づいて居る先生も居るし、交霊魔法とか今探して居るけど見つかんない。
一族の連中が何してくるか分からないけど!
今までは彼の意思を尊重して来たが、ここは一族の領地では無い!
私は徹底的にやらせてもらう!
「ねえ君はどうしたい?」
「僕は貴方と一緒にいられれば良いな」
「泣かせること言うじゃ無い」
私たちは幸せになるのだ!!!
転生して元の魂を乗っ取らなかったケース




