表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR

陰キャなぼくとギャルの美少女がこっそり愛を育む放課後デートのほっこり日常

作者: 猫の集会
掲載日:2026/06/13

 ぼくは、どこからどうみても陰キャだ。

 

 なんなら、隠キャだ。

 

 隠れて暮らすのが日常。

 

 そんな陰キャなぼくの家は、騒がしい。

 

 弟が二人いて、とにかく騒がしい。

 

 なんなら、姉もいるが…いつもぼくをパシッてきて、おつかいを言いわたされる。

 

 でもさ…

 

 ぼく…今テスト勉強を集中したいから、だれにも邪魔されない場所を探してて…

 

 それで、いい場所を思いついたんだ。

 

 図書室。

 

 ここなら、静かだよね?ってことで、本に囲まれながら、集中していたんだ。

 

 そしたら、そしたら…さ?

 

 だれかがみてる?って思って、パッと顔をあげると…

 

 いつのまにか同じクラスのギャル三人が、ぼくの向かいに座っていたんだ。

 

 その中の一人の、超絶美人な日菜瀬ひなせ教湖(きょうこ)さんが、こっちをジーッとみていたんだ。

 

 

 ジーッと。

 

 ぼくは、サッと目を逸らしたんだ。

 

 そして、また集中して…勉強を…

 

 集中…

 

 集中…して…

 

 できない‼︎

 

 ギャルうっさ‼︎

 

 なんでここで、おやつパーティしてんの⁉︎

 でも…楽しそう、だなぁ。

 ガサガサと袋をあける音が、部屋いっぱいに響き、においも広がる。

 

 そして…ぽりぽり食べては、くすくすしている。

 

 勉強…する気なくない?

 

 …

 

 数分後、やっぱり勉強する気ないよね?ってみていたら…

 

 あ、なんだ。

 

 そういうことねって、謎が解けた。

 

 もうひとりのお友達ギャルが、委員さんのお仕事をしているから、ただの委員さん待ちなんだと、わかった。

 

 一時間もすると、じゃ当番わたしかわるよーって、たぶん代わりの人がきたっぽい。

 

 そして三人は、急いでおやつを口に含み、余ったお菓子を雑に包んで、委員会おつかれーと、委員当番していたお友達へプレゼントーといい、そのお菓子を渡していた。

 

 あんな雑なプレゼント…今まで見たことがないぞ?

 

 ギャルは、なんでもアリなのかな?って、少しギャルのお勉強ができた気がします。

 

 で、やっとうるさい人たちが帰ったって…そう思っていたのに…

 

 なんで…

 

 なんで…日菜瀬さんだけ、まだいて…

 

 こっちみてて…

 

 …

 

 もしかして…

 

 な、なんか言われる?

 

 さっきから、チラチラみすぎてキモいんだよね?とか…言われちゃう?

 

 ドキドキしながらも、勉強をしているフリをした。

 

 だって、もう…なに勉強しても日菜瀬さんのせいで、気が散って気が散って…

 

 とにかく勉強勉強と、ノートと教科書を睨めっこしていたら、ノートのあたりが暗くなった。

 

 え?

 

 見上げると…

 

 

 ギョッ‼︎

 

 ヒッ…

 

「ヒッ…ヒッ…」

 

「なに?ひゃっくり?大丈夫そ?」

 と、覗き込んでくる日菜瀬さん…きた。

 

「だ、だい…じょうぶです」

 これは、危険だ‼︎

 

 日菜瀬さんに目をつけられたら…

 

 明日からギャルにバカにされる日々か、もしくは…姉同様パシリ決定だ。

 

 早く逃げなければと、慌ててノートをとじて、帰る身支度を…

 

「ねぇ、帰らないでよ」

 

 …

 

 その前にジュース買ってこい。

 

 姉なら、絶対にそういう。

 

 パシリ決定だ。

 

「あ、ジュースですね。なに味…ですか?」

 

 そう質問している間にもぼくは、気絶しそうになっていた。

 

 なぜって…

 

 こんな近くに、色白の髪サラの清楚なギャル?が、いい匂いでぼくのそばにいるんだから…

 

 そりゃ、気絶してもおかしくないって‼︎

 

 これが姉貴と同じ人間?

 

 似ても似つかないな。

 

 女性にもさまざまな種類があるんだなぁ。

 

 髪の毛一本一本が、薄茶色で柔らかそうなシルクの糸のようだ。

 

 美しい…

 

 そして、ふんわりかおる香水…なのかな?

 

 癒しのパワースポットじゃないか…。

 

 いいか。

 

 そんな神的存在にパシられるなら、それも幸せなのかもしれないな。

 

「なに?ジュースって?間宮まみやノド乾いたの?なら、これ飲む?」

 

 ⁉︎

 

 間宮とは、ぼくの名前だ。

 

 のっ、飲みかけのジュースを差し出してくる日菜瀬さん。

 

「えっと…いえ、だっ大丈夫です」

 

 そんなの…飲めるわけありませんって‼︎

 

 あぁ、日菜瀬さんは…彼氏と間接キスなんて日常茶飯事なのか…

 

 たしか、学年一大人気の頭もよくてスポーツ万能美男子瀬尾くんと付き合っているんだよな。

 

 でも、

 ジュースあるなら…

 

 なんのご用事なのだろう?

 

 

 しばらくポカンとしていると、日菜瀬さんが、

「勉強…教えてくれない?」

 と、ぼくに言ってきた?

 

 ⁉︎

 

「えっ⁉︎ぼくにっ⁉︎」

 慌てるぼくに、日菜瀬さんは、

 

「うん。ダメ?」

 と、プルツヤなくちびるをキュッとした。

 

「えと…」

「あ、ダメなら…いいんだ。もうさ、テスト前なのに、先生が宇宙人にみえてきてさ、何を言ってるんだか、さっぱりわからないの。でも、仕方ないか。ごめんね、勉強の邪魔して」

 

 

 …

 

 あの日菜瀬さんが、申し訳なさそうな表情をぼくにむけてきた。

 

 日菜瀬さんにも苦手なものがあるのか。

 

 ぼくは、なんて罪なやつなんだ。

 

 日菜瀬さんを…こんな表情に追い込むなんて…

「でも、彼氏頭いいよね?なら…彼氏に…」

「彼氏ねー…」

 

 少しかなしげな顔をしてしまった日菜瀬さん。

 

「あのっ、是非‼︎ぜひ‼︎教えさせてください‼︎」

「え、いいの⁉︎」

 

 こちらこそ、いいの⁉︎だ。

 

 彼氏とケンカでもしたのかな?

 

 日菜瀬さんが、ぼくの真横に座った。

 

 ⁉︎

 

 な、なぜ…真横に⁉︎

 

 向かい合わせじゃなく、真横⁉︎

 

 日菜瀬さんが座っている。

 

 ぼくのすぐ隣に…

 

 

「じゃ、先生!数学教えて?」

 

 

 ⁉︎

 

 せ、先生?

 

 ま、まさか…

 

 こんな清楚なギャルの一員の美少女がぼくの隣に座って、先生と呼んでくださる出来事が起きるなんて…

 

 

 日菜瀬さんって…

 

 さっきのギャルの人たちと比べると、そんなにギャルでもないよな。

 

 さっきの人たちは、色黒でメイクがバッチリで…

 

 とくに、目のあたりが黒くて…爪が長かった。

 

 でも、日菜瀬さんは…

 

 そこまでギャルじゃないのに、あの空間にいても、劣らない凄さが出ているんだよなぁ。

 

 なのに、今…

 

 日菜瀬さんがぼくの隣で…

 

 ぼくを先生と呼ぶ…

 

 

「ねぇ、テスト範囲ってどこからだっけ?」

 

 ⁉︎

 

「あ、えと…」

 

 慌ててペンケースから範囲を出して広げた。

 

「そこ⁉︎そんなとこに忍ばせてるんだ?なるほどー」

 と、日菜瀬さんは、感心していた。

 

 意外と普通の会話なんだな。

 

 なんだか、少し安心した。

 

 

「じゃあ、この問題解いてみて?」

「ムリです」

 

 ⁉︎

 

「えっ?簡単…すぎました?」

「ううん、わからないからです」

 

 ⁉︎

 

 意外すぎる…

 

 なのでぼくは、丁寧に教えた。

 

 そもそも、公式を覚えちゃえば簡単計算なんだ。

 

 理解力の早い日菜瀬さん。

 

「お礼に、国語教えてあげる」

「いいの?ぼく国語苦手なんだ」

「知ってる」

「えっ⁉︎」

「冗談。でも、わたし国語得意だから、はじめよっか」

 日菜瀬さんから教わる国語の勉強…

 

 とても丁寧で、つい…色んなところが気になって仕方ない。

 

 細い指でもつシャーペンに、優しい口調、そしてなにより、近いしいい香りがして…

 

「ん?どうしたの?」

「あっ、いや…な、なんでもないです。」

「そ?じゃあ続けるよ?」

「はい」

 

 

 こんな感じで、ぼくたちは勉強を進めた。

 

 隣に…

 

 ぼくの隣に、日菜瀬さんがいる…

 

 この突如始まった勉強会を、この時間を…

 

 たぶん二度とない日菜瀬さんとのこの時間を、ぼくは精一杯大切な思い出として過ごした。

 

 一生の思い出になるかもしれない。

 

 キラキラとした、日菜瀬さんの笑顔。

 

 これが青春っていうのかな?

 

 ぼくは、日菜瀬さんのおかげで青春とやらを、ゲットできた。

 

「あ、もう暗くなるね。ごめんね、遅くまで。そろそろ帰ろっか」

「ううん、ぼくも勉強はかどったし、ごめんなんて、全然だよ」

 

 いつのまにか、真っ暗だ。

 

 

 静かで暗い廊下…

 

 学校って、こんなに静かなんだなぁ。

 

 

 コツン

 

 ?

 

 なにか、あたった?

 

「あっ、ご、ごめん間宮。手…あたっちゃった」

「手か。なにかと思ったよ」

「こわくないの?こんなに暗くて」

「うん、全然。」

「へ、へぇ…強いんだね」

「もしかして、こわい?」

 

 …

 

「へ、平気だよ。」

 

 どうやら日菜瀬さんは、平気じゃなさそうだ。

 

 ぼくは、日菜瀬さんの手をキュッと握った。

 

 繋がっていたら、こわさも半減するだろう。

 

 ぼくが昔ビビリだったころ、よく父さんも母さんも手を繋いでくれたもんだ。

 

 

 …

 

 あ…

 

 ぼくは、なにをやらかしているんだ…

 

 相手は、日菜瀬さんじゃないかっ‼︎

 

 しかも彼氏持ちっ‼︎

 

「あっ!ごめん‼︎つい、手…」

 

 パッと手を慌てて離すと、こんどは…

 

 え…

 

 一瞬頭が真っ白になった。

 

 こ、これは…

 

 恋人繋ぎーーーっ‼︎

 

 マンガで読んだことある。

 

 こ、これが恋人繋ぎってやつだ。

 

 ぼくは、日菜瀬さんの絡んだ指を優しくギュッとして、そのまま歩いた。

 

 

 きっと彼氏とケンカして、さみしかったのだろう。

 

 でも…いいのか?

 さみしいからって…ほんとにいいのか⁇

 

「あの…こんなところ彼氏に見られたら…」

「アイツは、ただのいとこなんだよねー。」

「えっ⁉︎そう…なの⁉︎」

「うん」

「じゃあ、大丈夫か…。」

 

 って、なにが大丈夫なんだ⁉︎

 

 大丈夫じゃなくない⁉︎

 

 ぼくと日菜瀬さんが手を繋いでいるんだぞ⁉︎

 

 幼稚園児じゃないんだぞ⁉︎

 

 

「…なんか、ごめん。」

「なにが?」

「ぼくなんかと…手…」

「間宮くんは、優しいから好き。あ、いつも呼び捨てしててごめん。いまさらだけど…くん呼びしてなくてごめんって、遅いか…」

 

 

 ⁉︎

 

 いま…好きって言わなかった⁉︎

 

 呼び捨てとかそんなことより…

 

 好き⁉︎

 

「えっ⁉︎」

「ん?あ、やっぱり呼び捨て嫌だったよね…?」

「そこじゃなくて、その…好きって…」

「好きのところ?」

「えっと、うん…」

「好きだよ。好き…ずっと前から」

 

 手をキュッとする日菜瀬さん。

 

「ぼくは…」

「好きじゃないんでしょ?こんな派手な人」

「ううん、すごく憧れてる‼︎好きとかそんな次元通り越して、カッコいいし憧れる」

「ふふ、好き通り越しちゃったんだ?」

「あ、でも…通り越してもユーターンすれば…でも、どうやってしよう…」

「じゃあ、ユーターンして好きになって欲しいな」

「好き、好きです。」

「ユーターンはやっ‼︎じゃあ、わたしもユーターンしたほうがいい?」

「えっ⁉︎そしたら…キライになるんじゃ…」

「ううん、わたしも好きだよ。だって、ずっと前から好きだから、ユーターンしてもしなくても好き」

 

 …

 

「え、ずっと…前から?」

「うん♡」

「ありがとう。」

「なんでありがとう?」

「こんなぼくを知ってくれて、好きになってくれたから。」

「そういう謙虚なところも大好きだよ!」

 

 クッ…

 

 いきなりの好き攻めで、どうにかなってしまいそうだ。

 

「ぼくも、好きです。正確には、これからもっと大好きになるね。あとさ、実はぼく…進化系だから、これから好きから愛してるに進化するかも」

「そっか、なら進化しなかったらわたしのせいだ。じゃあ、もっとおしゃれとか勉強しなきゃか…」

「それは、もう大丈夫だから。だから、これからは、一緒に進化しよう?勉強と恋も」

「いいね!そうしよう」

「うん!」

 

 

 こうして、ぼくたちはただのクラスメイトから、恋人に進化したのでありました♡

 

 

 

 

 

 おしまい♡

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ