土曜日
土曜日は大学は午前で終わり。私と雨宮は牛丼をテイクアウトして、雨宮のアパートで食べることにした。
大盛りの牛丼に私は温泉卵を乗せて、かきこもうとする。それに雨宮は待ったをかけた。何かあるのかと訝しむ私を置いて、雨宮は冷蔵庫を開けた。
まさかと目を見開く私の前で、雨宮が取り出したのは、ミックスチーズとチーズソースだった。
「え、牛丼にまでチーズをかけるの? 牛丼と来たら卵でしょう」
「卵が美味いのは同意するが……チーズは偉大だ。チート並みに何にでもあう。何でも包みこんでまろやかにして味を整えてくれる」
そう言って雨宮はミックスチーズをまだ湯気の立つ特盛り牛丼の上に乗せる。順番が大事なんだ、と言いながら。
ミックスチーズは細かく切られており、牛丼に乗せるだけでとろけ、うず高く積まれた肉の山を雪崩のように滑り落ちていく。
チーズがとろけたのを見てから雨宮はチーズソースを牛丼の上に絞る。そうしてから温泉卵を乗せて、雨宮は満足そうに微笑んだ。
「お前もやるか?」
「……胃もたれしそうだけど、試してみようかな」
そう言う私に、雨宮は嬉しそうに笑いながらミックスチーズとチーズソースを私の牛丼に乗せた。お試しなので少なめに、端っこのほうに。温泉卵で牛丼が冷えたのもあると雨宮はしたり顔で言う。
大盛りのチーズ牛丼温玉のせが完成した。
一口、普通の牛丼を食べてから、私は雨宮特製のチーズ牛丼を食べてみる。
「おお……」
思わず私は唸った。美味かった。甘辛の牛肉とチーズ、卵、そして白米……四つが渾然一体となって口の中で踊る。これならもうちょっとチーズをもらっても良いかと思ったけど、温泉卵を混ぜてしまったので、もうチーズは溶けないだろう。
今度は絶対特盛りにしてチーズを載せよう……そう決意しながら私は牛丼をかきこむ。
夢中になって食べている私に、何にでもチーズを付与する男、雨宮は笑って言った。
「チーズは偉大だ。チート並みに何にでもあう。何でも包みこんでまろやかにして味を整えてくれる」
オチw チー牛をやらせていただきました。
チー付与を私が勘違いしたのも全部、同時期にチー牛って言葉を目にしていたからです。
(3種の)チーズ牛丼(温玉のせ)も美味しかったのですが、ミニでも胃もたれしました。そして、中途半端に溶けて固まったチーズはちゃんと咀嚼しないと喉につかえてとても危険なので注意しましょう。
さて、少しおふざけ小説でしたが、お楽しみいただけましたでしょうか?
「まあ、確かにチー付与って、そう勘違いするかもね」
と笑っていただけたら幸いです。
引き続き、ノクターンノベルズなどでも色々書いてきますので、よろしくお願い申し上げます。




