表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
  作者: 本能寺の変人
35/52

補論:エントロピー抵抗性共鳴構造化

― 秩序が自己保存するときに必然的に生じる情報相転移 ―


1. 定義


エントロピー抵抗性共鳴構造化とは、


構造が自己の秩序を維持しようとする過程で、

情報空間において位相の揃った成分のみが

低散逸・高増幅で循環する共振器が形成される現象


である。


これは思想操作でも陰謀でもなく、

•非平衡開放系が

•散逸を抑え

•勾配を固定し

•内部整合性を最大化しようとしたときに

•自然に立ち上がる


構造的副産物である。



2. 物理的対応


物理系で言えばこれは、

•レーザー共振器

•キャビティQ値の増大

•固有モードの選択的増幅

•位相不一致成分の減衰


と同型である。


エネルギー(情報)が注入されるとき、

•位相の合うモードだけが立ち

•それ以外は熱として捨てられる


同様に社会・組織・認知構造でも、


位相(価値観・規範・利害・語彙)が合う情報だけが

低損失で循環し、

ずれた情報はノイズとして散逸する


共鳴腔が形成される。



3. エントロピー抵抗との関係


エントロピーとは、

•区別が溶け

•差が均され

•因果が拡散する方向性


である。


構造がこれに抵抗するとき、

•区別を保つ

•勾配を固定する

•意味を収束させる


必要がある。


その最も効率的な方法が、


情報空間のモード選択と共鳴化


である。


すなわち、

•同じ説明

•同じ価値

•同じ語り

•同じ因果モデル


が何度も反射・増幅され、


それ自身が


秩序維持のエネルギー源


になる。



4. 独占構造との結合


独占構造では、

•因果経路が短く

•評価基準が一点で定義され

•フィードバックが自己参照化する


ため、共鳴Q値が極端に高くなる。


結果、

•反証が入射しても位相がずれるため減衰

•批判は「外乱」として吸収

•失敗は「例外」「ノイズ」と再符号化

•成功だけが共鳴増幅


される。


これは意図的洗脳ではなく、


エントロピー流入を最小化するために

構造が選んだ最も効率的な情報フィルタ形態


である。



5. 進化論的対応


生物進化でも同型現象がある。

•免疫系は自己抗原に共鳴する受容体だけを増幅

•神経系は予測誤差最小化で同型回路を強化

•群れは同調信号を増幅し、異質信号を減衰


これはすべて、


生存に寄与するパターンの共鳴構造化


であり、

その極限形が社会スケールの

エントロピー抵抗性共鳴構造である。



6. なだらかな崩壊との関係


共鳴構造が強すぎると、

•外界変動が内部に届かない

•適応遅延が起きる

•内部エネルギーが蓄積する


しかし崩壊はすぐ起きない。


なぜなら共鳴構造は同時に、


自己整合的で、低散逸で、極めて安定


だからである。


結果として、

•正当化が増え

•言語が肥大し

•例外処理が増殖し

•意味が循環し続ける


という「赤色巨星段階」を経てから、

•相転移

•分裂

•放射

•蒸発

•破断


のいずれかに移行する。



7. 総括的一文


エントロピー抵抗性共鳴構造化とは、

構造が自己の秩序を保つために情報散逸を抑え、

位相の合う因果モデル・価値・語彙だけを

高Q値で循環させる共振腔を形成する現象であり、

それは独占構造・免疫系・神経回路・帝国末期・巨大組織・

そして宇宙のブラックホールに至るまで共通する、

非平衡系が臨界に近づいたときに必然的に現れる

自己保存的情報相転移の形態である。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ