表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
  作者: 本能寺の変人
186/224

Q&A:蜀の滅亡

Q1. なぜ魏は漢中制圧で止まらず、蜀漢滅亡まで踏み込んだのか?


A:

蜀漢は放置すれば必ず再び刃になる「構造的な毒瘤国家」だったから。

•地形:天然要塞(漢中・剣閣・巴蜀盆地)

•軍事文化:少数精鋭・死兵運用・持久戦耐性

•指導者:姜維という止まらない戦争機関

•経済:完全自立型の閉鎖圏


漢中を取っても、


蜀が存在する限り、西方戦争は永遠に終わらない


ことを、司馬昭政権も参謀層も理解していた。

ゆえに「勝利」ではなく「除去」を選んだ。



Q2. なぜ三軸分進合撃(鍾会・諸葛緒・鄧艾)という大作戦が可能だったのか?


A:

鄧艾による涼州・西域の戦争経済圏構築が、戦略縦深を生んでいたから。

•灌漑整備

•屯田制拡張

•水路輸送網

•羌族圏の半安定化


これにより、


長安依存ではなく、

西方自立型の巨大補給基盤


が成立し、


13〜18万規模の軍勢を

山越えで三正面同時投入するという

古代では異常な兵站能力が実現した。



Q3. なぜ諸葛緒の軍は鍾会に吸収されたのか?


A:

指揮系統一元化と「撤退論」の構造的排除。


諸葛緒は慎重論・防衛論の将。

一方、作戦は


成功か全滅かの不可逆突進型


であり、

•分進合撃の同期

•鄧艾奇襲との時間調整

•剣閣正面の絶対固定


のためには、

複数の判断系統は致命的なノイズになる。


よって鍾会は


作戦失敗要因そのものを吸収して消去した


と見られる。



Q4. 鄧艾の後方浸透はなぜ成功したのか?


A:

蜀の防衛構造が「正面戦」に最適化され過ぎていたから。

•主力:姜維の剣閣正面に集中

•精鋭:ほぼ全て前線へ吸い上げ

•成都周辺:新兵・退役兵中心

•想定敵:正面突破のみ


そこへ、


極限行軍で死兵化した

歴戦の鄧艾軍が

想定外の背後から出現


したため、


諸葛瞻(膳)は

•統率困難

•士気不安定

•兵質劣勢

•構造外奇襲


という四重苦で迎撃することになった。



Q5. 蜀に明確な内通者はいたのか?


A:

史料上、決定的な裏切り者は確認されない。


しかし、

•厭戦気分の蔓延

•姜維の援軍要請が通らない

•動員遅延

•朝廷の意思決定麻痺


は明白であり、


裏切りではなく

「国家の神経系が鈍麻した状態」


すなわち


心理戦と長期消耗による

構造的戦意崩壊


が起きていた可能性が高い。



Q6. 剣閣で鍾会が撤退しなかったのはなぜか?


A:

軍事合理性より「国家生存論」が優先されたから。


漢中で止めることは可能だった。

しかしそれは、


未来にもっと大きな戦争を確定させる選択


であり、


鍾会・鄧艾・司馬昭政権は


「今の無茶」より

「将来の不可避な破滅」を避けた


と言える。



Q7. 蜀漢は負けたのか?滅んだのか?


A:

軍事的に敗れたのではなく、

国家構造の持久限界が破断した。

•人口基盤の枯渇

•連年の北伐による消耗

•若年層と精鋭の前線集中

•中枢の高齢化・疲弊

•覇権国家との生産力格差


その結果、


支えられなくなった国家が

自重で崩壊した


と見る方が正確である。



構造的一文


蜀漢の滅亡とは、


鄧艾によって構築された西方戦争経済圏を基盤に、

鍾会・諸葛緒・鄧艾の三軸侵攻が分進合撃で同時起動し、

心理戦によって蜀の指揮神経を麻痺させ、

剣閣に正面戦力を釘付けにしたまま、

想定外の後方縦断で成都を直接突き、

首都防衛構造の空洞化を露呈させた結果として生じた、


小国が覇権国家の戦争持久力に耐えきれず、

構造的に圧潰された現象

である。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ