構造論:室町幕府で挟まった伊勢氏
こいつらは変態なんだろう
―― 室町初期から挟まり続けたギャグ集団・伊勢氏 ――
伊勢氏は後に「後北条」という戦国最強クラスの官僚軍事国家を作りますが、
その前史、室町幕府中枢にいた頃の伊勢氏は、
だいたいいつも
・板挟み
・責任だけ重い
・権限は曖昧
・上は将軍、下は守護
・横は公家
・裏では権力闘争
という、
「構造ストレスの展示場」
みたいなポジションに置かれ続けた一族です。
1. 役職構造:政所執事という地獄席
伊勢氏の中核ポストは「政所執事」。
これは:
•財政
•人事
•訴訟
•文書行政
•将軍家家政
全部まとめて面倒見る室町幕府の実務トップ。
つまり、
権威は将軍
決定は評定衆
だが現場で殴られるのは政所
という構造。
将軍「金がない」
守護「年貢払いたくない」
公家「伝統は守れ」
寺社「不入権!」
国人「自立する」
全部、伊勢氏に飛んでくる。
2. 構造的に「嫌われ役」になる宿命
伊勢氏は:
•決めない(将軍が決める)
•でも執行する(伊勢がやる)
•失敗すれば伊勢の責任
•成功しても将軍の手柄
という、
成功しても評価されず
失敗すると全方位から殴られる
完璧なサンドバッグ構造
にいた。
三好長慶が「歪み吸収装置」なら、
伊勢氏は「歪み請負業者」です。
3. なぜ滅びなかったか:異常な実務耐性
にもかかわらず伊勢氏は、
•南北朝
•観応の擾乱
•応仁の乱前夜
•将軍交代
•守護交代
•権力闘争
全部を潜り抜けて、
ずっと政所に居座る
という怪物的安定性を示す。
理由は単純で、
あまりに実務能力が高すぎて
誰も代わりがいなかった
から。
将軍から見ても守護から見ても、
•使うと便利
•でも憎い
•でも切ると幕府が回らない
という、
「いないと困るが、いると腹が立つ」
最悪の便利屋
それが伊勢氏。
4. 早雲という「逃げ出した官僚」
伊勢盛時(北条早雲)は、
この地獄構造を知り尽くした上で、
「あ、これ詰んでるやつだ」
と理解し、
畿内権力ゲームから離脱して関東へ行きます。
構造的に言えば、
•伊勢氏は
室町権力の「内部摩耗要素」
•早雲は
その摩耗構造から外へ飛び出した
最初の官僚型革命者
です。
5. 構造的一文(ギャグ味)
室町初期からの伊勢氏とは、
将軍に挟まれ、
守護に挟まれ、
公家に挟まれ、
寺社に挟まれ、
財政に挟まれ、
権威と実務の間に挟まれ、
それでも「実務ですから」と言い続け、
三代四代と地獄席に座り続けた結果、
ついに一人が
「もう無理」と言って関東に逃げ、
そのまま一国を作ってしまった
日本史上最も
“ストレス耐性が進化圧を生んだ一族”
である。
三好長慶が
「正統と実力の歪みを一身に受けた調整者」なら、
室町伊勢氏は
「正統と実務の歪みを代々で受け続けた
官僚系ギャグ集団」
であり、
そのストレス進化の最終形態が
後北条氏という超安定統治国家だった、
という流れになります。




