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  作者: 本能寺の変人
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補論:阿波国・淡路島の呪い

エグい

―― 正統性重力圏の事象の地平面に置かれた土地 ――


阿波国と淡路島は、地図の上では「便利な場所」です。

畿内に最短距離で接続し、海峡は輸送路であり、軍事的には動脈である。

兵も物資も情報も、船さえあれば一晩で京に届く。


だが構造論的に見ると、そこは


正統性という重力場の「事象の地平面」


に位置する、最も呪われた境界でした。


1. 海峡という「見える壁」


海峡は物理的には道でありながら、文明的には境界です。

•向こう側(畿内)

正統が「空気」として存在する世界

•こちら側(阿波・淡路)

正統が「外部から降ってくる権威」である世界


距離は近い。だが位相が違う。

この位相差こそが、海峡を


移動は可能だが、立場は越えられない境界


に変える。


2. 正統性重力井戸の縁


畿内は、天皇と将軍を中心とする「正統性の重力井戸」です。

阿波・淡路はその縁、すなわち


逃げるには近すぎ、

中心になるには遠すぎる場所


に位置する。

•正統を否定すれば、即座に文明圏から排除される

•正統に従えば、永遠に周縁の実力装置に固定される

•しかし中心(将軍・天皇)にはなれない


これは物理で言えば、


ブラックホールの事象の地平面付近で

潮汐力に引き伸ばされ、

落ちもせず、逃げもできず、

ただスパゲッティ化する状態


そのものです。


3. なぜ「田舎」では駄目だったのか


土佐・薩摩・奥州のような真の辺境では、

•正統の重力が弱い

•まず王になる

•後から朝廷と接続する


という順序が可能でした。


しかし阿波・淡路は違う。

•正統が常に視界にある

•官位秩序が日常に入り込む

•将軍の存在が政治の前提になる


つまり、


正統を無視する自由も、

正統を名乗る資格も、

同時に奪われた位置


です。


4. 三好家が背負った地理的運命


三好家はこの土地を根拠地としたことで、

•正統圏の内部に巻き込まれ

•しかし正統の中枢には入れず

•それでいて軍事力としては最前線に立たされ


権威を否定できず、

権威になれず、

権威を支える役だけを押し付けられる


という、構造的に最悪の配置に固定された。


これは人の選択ではなく、

地理が生んだ文明的運命でした。


5. 構造的一文


阿波国と淡路島とは、


畿内正統圏の重力井戸の縁、

すなわち事象の地平面に位置することで、

正統を否定する自由も、

正統になる資格も同時に失い、

ただ正統を軍事的に支え、縛り、運ぶ役割だけを

世代を超えて背負わされる、

文明構造上の「呪われた座標」であった。


便利であるがゆえに逃げられず、

近すぎるがゆえに王になれず、

海峡という道があるがゆえに、

正統性というブラックホールに永遠に引き寄せられる。


それが

阿波国・淡路島の呪いです。

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