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  作者: 本能寺の変人
150/182

接続:室町幕府権威内の争い

どう足掻いても地獄

――具体例と構造論の接続――


ここでは

「権威と実力の相互拘束」「権威の戦利品化」

という構造論を、足利将軍家・細川氏・三好氏の実例に対応させます。


1. 足利将軍家内部の内紛


(義稙・義澄・義晴・義輝・義昭)


具体例


•義稙と義澄が別々に擁立され「将軍が二人」存在

•義晴は流浪、義輝は暗殺、義昭は信長に擁立され追放


構造接続


将軍位はもはや「統治権」ではなく


正統性トークン(担げば正義になる免罪符)


に変質していた。


実力者は将軍を否定できないため、

•殺す → 正統破壊で自分も無効化

•立てる → しかし従わせられない


結果、


将軍は「支配者」ではなく

「争奪される媒体」になり、

将軍家内部でさえ

誰が“正統性装置”になるかの争いに堕した。


2. 細川氏(管領家)の内紛


(政元暗殺、澄元 vs 高国)


具体例


•管領細川政元が家臣に殺害される

•澄元派と高国派がそれぞれ将軍を擁立して内戦

•京を二分する長期市街戦


構造接続


管領とは本来


将軍権威を実務的に実装する

統治アルゴリズムの中枢


だった。


だが将軍が「権威だけの存在」になると、管領は


統治装置から

権威操作権の争奪主体


へ変質する。


つまり細川内戦とは、


「どちらが将軍を制御するか」

という

正統性デバイスの管理権争い


であり、


権威が戦利品化したことを示す最初の本格的事例。


3. 三好氏の台頭と将軍拘束


(三好元長・長慶・三好三人衆)


具体例


•三好長慶が将軍義輝を幽閉・任免

•幕府人事を軍事力で決定

•しかし将軍制そのものは廃さない


構造接続


ここで相互拘束構造は極限に達する。

•将軍は完全に軍事実力者の支配下

•しかし三好は将軍になれない

•しかも将軍を殺せない・制度を潰せない


なぜなら


権威を否定すれば

自分の支配の正統根拠が消える


からである。


よって最適戦略は


権威を生かしたまま人質化する

(幽閉・操縦・傀儡化)


となる。


これは


権威が

破壊不能で、

統治不能で、

しかし不可欠な「戦利品」になった

文明構造の完成形


である。


4. 構造的一文統合


足利・細川・三好の権威内抗争とは、


実力を失ったが否定できない将軍権威が、

可搬化された正統性トークンとして

奪い合われ、担がれ、幽閉され、

破壊も統合もできないまま

「支配を正当化するための戦利品」へと転落し、

その争奪をめぐって

権威内部で内戦が自己増殖した構造現象である。


この構造が続く限り、

•将軍は自立できず

•実力者は正統になれず

•誰も最終決着主体になれない


ゆえに内戦は終わらず、

次章「三好家の地獄」へと論理的に接続します。

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