表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
  作者: 本能寺の変人
129/182

補論:鎌倉幕府の外交姿勢

フビライ「会話が成り立たない」

鎌倉幕府「疎通が成り立たない」

一同「いみがわからない」

― 交渉ではなく「存在論的拒否」 ―


鎌倉幕府の対外姿勢は、近代的な意味での「外交」ではありません。

それは構造的に言えば、


外交ではなく

「敵か否かの生存判定」


でした。


1. 鎌倉の世界観:二値論理


鎌倉武士の認知モデルは極めて単純です。

•味方か

•敵か


その中間状態がほぼ存在しない。


交易国家でもなく、宗教国家でもなく、

生存最適化された戦闘ネットワーク国家なので、

•利害調整

•文化交流

•面子外交


といった多値論理を扱う神経構造が育っていない。


2. 朝廷外交との断絶


平安朝廷は、

•冊封

•朝貢

•文化序列

•儀礼秩序


という中国文明型プロトコルで世界を処理していました。


しかし鎌倉は違う。

•冊封? → 意味不明

•勅命? → 現場で生き残る方が優先

•儀礼? → 殺し合いの前に要らない


よって、


元の国書は

鎌倉にとっては

外交文書ではなく

「敵対宣言のノイズ」


にしか見えなかった。


3. フビライの書簡をどう読んだか


元の論理:


「服属か、朝貢か、戦争か選べ」


鎌倉の解釈:


「よく分からんが、

 要するに殴り合いを申し込んできた」


だから返答は極めて一貫している:


無視 → 拒否 → 斬首


これは感情的な蛮行ではなく、


プロトコル非互換時の

セキュリティ遮断処理


です。


4. 鎌倉外交の本質


鎌倉幕府の外交原理は一文で言えます。


交渉は

相互生存可能性が前提。

生存を脅かす存在とは

交渉せず排除する。


つまり、

•外交主体:存在しない

•軍事主体:存在する

•国家意識:生存ネットワークとしてのみ存在


これは国家というより


自己保存型戦闘生態系


に近い。


5. なぜ「元と会話できなかった」のか


元は文明帝国として

•序列

•冊封

•朝貢

•世界秩序


を語っていた。


鎌倉は戦闘生物として

•射程

•装甲

•斬撃角

•補給線


を見ていた。


同じ言語を使っていても、

認知層が違う。


6. 結論


鎌倉幕府の外交姿勢とは、


外交拒否ではなく

外交概念の不在


です。


彼らの世界には、

•「対等な国家間交渉」も

•「文明的威圧」も

•「冊封秩序」も


存在せず、ただ一つ:


生き残るか、殺すか。


元が言った「こんにちは」に対し、

鎌倉が返した「死ね」は、


感情ではなく

存在論的応答でした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ