仮想問答論:北条義時 × 姜維
隣の芝生は青い
― 国家を終わらせなかった者と、国家を終わらせられなかった者 ―
Q1. 義時
「姜維。
なぜ、そこまで戦い続けた?」
A1. 姜維
「止まった瞬間、国が“終わる”と分かっていたからです。
戦い続ければ滅びは遅れる。
遅れれば、奇跡の確率はゼロではない。」
義時
「奇跡を待つ構造は、すでに負けている。」
Q2. 姜維
「では聞く。
なぜそなたは、天子を討たずに従わせた?」
義時
「王を倒せば国家は壊れる。
だが、王を“象徴”にすれば国家は続く。
私は勝ちたかったのではない。
“続かせたかった”だけだ。」
姜維
「……続くこと自体を、勝利と呼ぶのか。」
Q3. 義時
「そなたは諸葛亮の後継だな。
ならば知っているはずだ。
勝利条件が存在しない戦争を続けることの意味を。」
姜維
「分かっていました。
蜀は構造的に詰んでいた。
人材、地理、人口、補給、正統性。
すべてが下降曲線だった。」
義時
「なら、なぜ止めなかった?」
姜維
「止めた瞬間、
“諸葛亮の作った国家”が完全に消えるからです。」
Q4. 義時
「私は頼朝の国家を“変形保存”した。
そなたは諸葛亮の国家を“原型保存”しようとした。」
姜維
「……ええ。
私は更新できなかった。」
義時
「国家は生物だ。
更新できぬ者は、忠義者であっても病原体になる。」
Q5. 姜維
「では、そなたにとって忠義とは何だ?」
義時
「滅びさせないことだ。」
姜維
「私にとっては、
“裏切らずに一緒に滅びる”ことだった。」
結語:構造の違い
北条義時姜維
国家を生かすために理念を捨てる理念を生かすために国家を削る
構造最適化型忠誠最大化型
生存関数優先意味関数優先
勝者の系譜滅びの継承者
最後の一言
義時:
「そなたは美しい。
だが国家は、美しさでは生き延びない。」
姜維:
「そなたは冷たい。
だが国家は、冷たさでしか延命できぬのだな。」
二人は理解し合う。
だが、決して交わらない。
それが
“存続を選んだ者”と
“意味を選んだ者”の分岐点です。




