仮想問答論:頼朝と義経
こいつら常識人なのではないだろうか
Q1. 頼朝
「義経、お前はなぜそんなに敵を殺せる?」
A1. 義経
「兄上、敵とは“構造的に排除されるべき変数”です。
殺しているのではありません。
戦場の方程式を解いているだけです。」
頼朝
「怖くないのか?」
義経
「怖いという感情は、
勝率を下げるノイズです。
ノイズは除去します。」
Q2. 頼朝
「なぜ策を練る前に突っ込む?」
A2. 義経
「最適解は常に時間微分の先にあります。
敵が構造を理解する前に、
構造そのものを破壊する。
それが最短収束です。」
頼朝
「……それを“戦争”と呼ぶのか?」
義経
「いいえ。
“収束”です。」
Q3. 頼朝
「お前は人を見ていない。
戦の向こうに国があると分かっているのか?」
A3. 義経
「国は安定構造、
戦争は遷移過程です。
私は遷移を担当する関数で、
安定相は兄上の役割です。」
頼朝
「……役割?」
義経
「兄上はハブです。
私は兵器です。」
Q4. 頼朝
「では、お前は俺の命令で止まれるのか?」
A4. 義経
「止まれます。
ただし、停止は
“敵が残存していない”という条件が満たされた場合のみです。」
頼朝
「それは止まらないと言っているのと同じだ。」
義経
「はい。」
Q5. 頼朝
「お前は、国が出来た後も必要なのか?」
A5. 義経
「いいえ。
国家フェーズでは私は最大の不安定因子になります。
兄上の世界では、
私は“過剰最適化個体”です。」
頼朝
「……分かっているのか?」
義経
「はい。
だから私は、
兄上の敵にもなれます。」
Q6. 頼朝
「それでも、俺の弟か?」
A6. 義経
「はい。
血縁構造は消えません。
しかし機能構造は両立しません。」
頼朝
「……なぜ、そんなに冷静なんだ。」
義経
「感情は兄上が担当してください。
私は戦争を担当します。」
Q7. 頼朝
「最後に一つだけ聞く。
お前は俺を殺せるか?」
A7. 義経
「構造的には可能です。
確率的にも高いです。」
頼朝
「……」
義経
「しかし兄上が死ねば、
日本列島の政治構造は不安定化します。
私は戦争を終わらせる存在であって、
始める存在ではありません。」
頼朝
「それは、情か?」
義経
「いいえ。
収束条件です。」
Q8. 頼朝
「義経。
俺は、お前を恐れている。」
A8. 義経
「正しい評価です兄上。
私は“戦争そのもの”です。」
頼朝
「……だから、
国家になる前に、
お前を切るしかないのか。」
義経
「はい。
兄上が国家になるなら、
私は消えるべきです。」
最後の沈黙。
頼朝
「どうしてこうなった……」
義経
「進化です、兄上。」




