補論:義経粛清
頼朝「どうしてこうなった」
義経「テキハコロス」
頼朝「義経ー!?」
―― 戦争用戦略兵器が国家形成フェーズで排除される必然 ――
義経の粛清は、
「兄弟の嫉妬」でも
「陰謀」でも
「悲劇的誤解」でもない。
構造論的には極めて単純で、
戦争フェーズで最適化された存在が、
国家フェーズに移行した瞬間、
最大の不安定因子になる
という相転移現象である。
1. 義経の役割は「戦略兵器」
義経は、
•組織運営
•統治
•恩賞配分
•正統性管理
•朝廷インタフェース
を一切持たない。
彼の関数は一つだけ:
敵戦力を最短で物理的に破壊する。
これは
•壇ノ浦
•一ノ谷
•屋島
で証明された通り、
国家レベルの出力を持つ戦略兵器ノードだった。
しかし戦略兵器は、
平時には
それ自体が最大の脅威になる。
2. 国家形成フェーズへの移行
平氏滅亡後、構造は変わる。
フェーズ1:
「敵を倒す」
↓
フェーズ2:
「支配を安定させる」
↓
フェーズ3:
「正統性を維持する」
ここで必要なのは
•調停
•忍耐
•象徴操作
•制度化
•法的正当性
であり、
破壊最適化関数は
完全に不適合となる。
義経は
•勝利関数が単一
•出力が極端
•抑制機構を持たない
という点で、
国家構造にとって
制御不能な高エネルギー源
になった。
3. なぜ放置できなかったか
義経は英雄であり、
民衆人気があり、
戦功があり、
武力的威信があり、
朝廷とも直接パイプを持ち始めていた。
つまり構造的には、
・破壊力
・正統性
・象徴性
を同時に備えた
二重HUB化の可能性を持つ存在
になりかけていた。
分散ネットワーク国家において
HUBは一つでなければならない。
二つ存在すれば、
位相が分裂し、内戦が起きる。
頼朝が見ていたのはここです。
彼の判断は情緒ではなく、
「このままでは国家が二重心臓になる」
という構造的危機認識。
4. 粛清は「個人排除」ではなく「関数削除」
義経粛清とは、
•人を殺したのではない
•英雄を妬んだのでもない
構造的には、
戦争用関数を国家システムからアンインストールした
という操作に等しい。
それは冷酷だが、
国家が国家になる瞬間に
必ず起きる処理
である。
ローマのスキピオ、
中国の韓信、
フランスのナポレオン元帥群、
スターリンの赤軍元帥粛清
すべて同型。
5. 結論
義経は敗れたのではない。
彼の「役割」が終わったのだ。
戦場に最適化された存在は、
平和構造の中では
最大のリスクになる。
だから頼朝の内心はおそらく、
「お前は完璧すぎた。
だが今、この構造にお前の関数はもう要らない。」
義経粛清とは、
英雄の失敗ではなく、
フェーズ転換に伴う
構造的ガーベジコレクション
だった。




