先生と契約
~アレン・四年前~
俺が住んでいる町は都市が近い事もあり恵まれた環境にある町だ。
俺が物心付いた頃から続く戦争の最中で、この戦争を終わらせる為に俺もいつか戦場に送られる事になるだろう。
その前に彼女、いやエマに想いを告げたい、エマは気立てが良く、話しやすい性格から他の男によく言い寄られているのを見掛ける、その度に緊張し耳を傾け探りをいれる生活とはおさらばだ。
「アレン、お前エマの事見すぎだ、そんなに好きなら告白しろよ」
友人がからかってくる、俺はお金を持っている訳でも、顔が良い訳でも無いがそんな男どもに言い寄られても断っていたエマの事だ、そこは重要では無いのだろう。
それに俺はエマと幼なじみであり、どんな男より仲が良いと思う。
もしかすればエマも俺の事が好きなんでは無いかと、告白する前からその後の妄想を膨らまし気持ちを昂らせていた。
これだけの想いがあれば大丈夫と勇気を出してエマに想いを告げる。
「アレン、あなたの気持ちは嬉しいけどごめんなさい」
こんな結末になり妄想は消え現実が見える、同じ気持ちでいると思い込んでいた為か裏切られた気分になり、全てがどうでも良くなる。
彼女が悪い訳では無いが自然と避けるようになってしまった。
彼女と話さない日々が続いたある日、16歳になった俺にも戦場へ召集が掛かった、このつらい日々と離れる事が出来ると思い挨拶を早々に戦場へ赴いた。
彼女とはこの時も言葉を交わさなかった。
一ヶ月もしない内に戦場の過酷さを思い知る。
自分の想像より過酷で平和だった故郷を思い出す、特に彼女との思い出に浸る事が多く、結局俺の原動力は彼女であったと痛感した。
故郷を離れて一年が過ぎた頃、事件は起きた。アンネ町が襲撃を受けて戦場と化してるという情報だ、現在一番の危険地帯ではあるが真っ先に志願し尖兵として故郷へ戻る事になった。
久しぶりに帰った故郷には
何も無かった。




