興味と契約
アレンは結局何も願わなかった。
ワビの命が消えて逝くこの現実を受け入れる選択をしたのだ。
私には理解出来ない…。
彼女との約束なんてどうでもいいだろと思う反面、興味をそそられてしまった。
この男の生き様を見てみたいと私は思ってしまったのだ。
この瞬間、初めてアレンの最初の願いを真剣に考え、私は教祖について教えてやった。
神様の使いであれば何か知っている可能性があったからだ。
アレンは後日、自分の力で教祖を探した。
私の力を頼らず探したのは以前の経験から私が本当の事を言うとは限らないと痛感したためであろう。
アレンは教祖を見つけて星について聞きたい訳では無い、何故自分の信者達を見殺しにしたのか、その真実が知りたかったのかも知れない。
「私の事を探すなんて悪魔にでも聞いたんですか?」
教祖を見つけ出したアレンが最初に聞いた言葉だ。
アレンと私は目が一瞬合ったがアレンは黙って教祖を見つめて「何であんな事をしたんだ」と悲しみを帯びた声ではあったがはっきりと言った。
すると教祖はアレンに教えたこの世界について。
「この世界は戦火で空が暗くなっていると思い込んでいる人間が多いみたいですが事実は違います」
「あなた達は神様に見捨てられたんですよ」
その言葉にアレンはもちろん私も驚く、神が人間を見捨てる、それは人間がいらない存在と言われているに他ならないからだ。
「亡くなった人の魂は何処へいくと思いますか?消えてなくなる?新しい生命として生まれ変わる?」
「どうするかは神様次第ですが、必ず最初は天へ召されるんです」
「では人間を見捨てた神様が最初にする事は?」
少し間をおいてから教祖は口にした。
「天へ来ないようにしたんですよ、あなた達
人の魂がね、つまり人間の魂が空を暗くしているんです」
教祖の話をまとめると亡くなった人の魂が空を覆い、永遠の暗闇を創っているという事だ。
この事実にアレン聞いた。
「ではどうすれば神様は死んだ人の魂をまた受け入れてくれるんですか?」
すると教祖は言う。
「そうですね、先ずは戦争でも無くしてみたらどうですか?」
私はこの時、不可能だと思った。
神様が見捨てる程、人間は醜い、【憎しみ】【怒り】【悲しみ】【焦る】様々な感情や個性が乱れて収まる事は無い。
「わかった、戦争を無くすから皆を解放してくれ」
その言葉に対して教祖は淡々と述べた。
「戦争を無くすのはとても良い事なので是非お願いします、ただ残念ながら私にそのような権限は無いのですよ、全てを決めるのは神様なのですから」
「神様は見ておられます、あなたの行動で神様を説得してみせるんですね」
そう言って教祖はその場を立ち去った。




