教祖と契約
「ところで何故悪魔がここにいるんです?」
私は始めから気付いていた、この人間には私が見えているとそれに話かけてきているという事は会話をする事も可能な筈だ。
「あんた本当に人間か?」
まず最初に出た言葉はそれだった。
「人間?どうでしょうね?」
何が可笑しいのか目の前の生物は声をあげて笑い始めた。
「いや、失礼しました」
「私は神様の使いですよ」
本人は至って真面目な顔で答えている。
(神の使いだと?私が見えている時点で人間とは思わなかったが、とても嘘をついているようには見えない、本当の事を言っているのか?)
少し考えた後、そんな事はどうでも良いことだと気付き会話を続ける。
「何でもいいがお前と取り引きがしたい」
「取り引き?」
「あぁ、教団へ私が来たら知っている事を話そう」
「ん?それでこちらは何をするのですか?」
「いや、私の話を聞くだけで良い、話を聞いてどうするかはお前次第だ」
アレンと仮契約をしている以上、私は他の相手に何かを求める事は出来ない。
教祖はしばらく考えた後
「良いでしょう」とにこやかに笑って応えるのだった。




