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悪魔と契約4
……ひゅ~、、、どーーん!!……
遠くから花火の音が聞こえる。
王国に似た教団の建物へ向けて発射され、花火は綺麗な光で壁を壊し辺り一面を真っ赤に染めている。
目の前には荒らされた工場とリンチにあったであろうワビさんの姿があった。
その姿は生きているのか死んでいるのか判別出来ない程だ。
「ワビさん」
俺が掛けたとほぼ同時に
「トドメを差しにでもきたのか」
その声は小さいがはっきりと明確な敵意をもって俺に発せられていた。
「今すぐ治療します」
俺はその敵意を無視してワビの所へ向かうが
「近寄るな!!」
「何故裏切ったんだ!」
怒りか悲しみか虚しい叫びが聴こえる…。
俺はワビが何を言ってるのか分からなかった。
いや分かりたくはなかった。
シンを逃がしたというアマクとエンブはおらず一緒にいた筈のシンの姿も無い。
三兄弟が花火を奪いワビをリンチした、そう彼らは初めからこれが目的だったのだ。
「この状況、私ならどうにか出来るがどうする?」
花火の音が響くなか悪魔の囁きが聞こえた。




