教団と契約3
案内された場所は信者でも限られた者だけが入れる広い礼拝堂だ。
ここで教祖様の話を聞き、信者は悩みを相談する、その悩みを教祖は奇跡の力で解決するという胡散臭い集会があるらしい。
「お前はそこで大人しくしておけ」
アレンは信者の着る白い装束に着替えさせられた後、指示をされた部屋の端で大人しく立っていた。
すると続々と信者達が入ってきてあっという間に部屋が埋まる。
先に述べたようにここで信者は悩みを相談出来る、あの小さな部屋の中央にいた顔立ちが良い男は名を【ラルク】と言い、それなりの権力があるそうで教祖と話すというアレンの条件をこのような形で実現してくれたのだ。
ただ、その際に真神教会における集会のルールは守るように釘を刺された。
しばらくすると教祖様の登場である。
信者達が目を伏せ祈りを捧げる中、アレンは教祖をまっすぐ見据えていた。
【教祖】は若くその中性的な顔は万人受けするであろう事が伺えた。
一方でその心がまるで見えず人間離れしたカリスマ性を持っているというのが私の第一印象だ。
「皆さん本日も集まって頂きありがとうございます」
「では一番手前の席に座っている男性の方から話を始めて下さい」
ここで信者達は懺悔という名の相談を教祖にするのが習わしらしい、これは教祖と話す機会を作ってくれたラルクから言われたルールの一つで指名されるまで話が出来ないというのはもどかしい状況ではあったが、アレンはひたすら自分の順番を待った。
「では、最後にそちらの壁際に立っている方、話を始めて下さい」
他の信者達が一斉にこちらへ顔を向ける。
見たことが無い新参者が早速教祖と話を始めているという状況に会場は凄い空気になった。
見てる私にとっても何か言い知れぬ緊張感があったが、アレンには関係の無い事でいつもの調子で話を始める。
「私の名前はアレンと言います」
「私の友人のワビって人がある団体から嫌がらせを受けていて、その嫌がらせのせいで仕事も彼自身の生活も滅茶苦茶なんです」
「なので私はその嫌がらせを無くしたいんです」
率直で端的にそして堂々とアレンは話す。
その団体が真神教団の事を差している事は有名人であるワビの名前を出すことで誰もが察し信者達の間に動揺が走った。
すると教祖は拍手を送り
「素晴らしい!友人の為に願うその気持ちに感銘を受けました」
「分かりました、私の方でその嫌がらせを辞めて頂くようにやれる事はやりましょう、アレンさんはそのご友人へ今後は安心して下さい私達が力になりますとお伝え下さい」
最高の皮肉とも取れる返答ではあったがアレンは嫌がらせを辞めると教祖から言質を取る事に成功した。
これでワビの件はあっさりと解決したのだ。
集会が終わり信者達は解散しアレンはラルクに連れられ今後の話を始めるそうだ。
教祖は一人で礼拝堂に残る、私も気になる事がありこの礼拝堂に残る事にした。
この場にいるのは私と教祖、そこで教祖は口にする。
「ところで何故悪魔がここにいるんです?」
その声を聞き私は不適に笑うのだった。




