教団と契約2
この工業地帯に似つかわず異質な建物がそこにはあった、それはまるで国王が住む王宮の様で国と張り合って作られたのが目に浮かぶ。
建物の前に着くなり白い装束を身にまとった女性に「入信の方ですか?」と声をかけられアレンは首を横に振る。
「教団のトップの人と話がしたくて来たんです」
素直に話すアレンに私は呆れていた、それで「はい、そうですか」と通される訳など無いからだ。
「えーっと少々お待ち下さい…」
「それでは話を聞きますので中にお入り下さい」
アレンには見えていないが私には筒抜けで案内された先には腕の立つ男達が待ち伏せをしている。
「アレン、待ち伏せされてるぞ敵の配置は…」
必要な情報を与えて私は見守る事にした。
扉を開けた目の前には以前見た黒装束の二人組が立っており、机を挟んで正面の中央に顔立ちの良い男、その隣にガタイの良い男がこちらを凄んで立っている。
元々が小さな部屋であるのにコイツらのせいで余計窮屈に感じた。
「おぉ!誰かと思えば以前ワビさんの所で会ったお兄さんじゃないですかぁ」
「そんな恐い顔しないで、ささっこちらにどうぞ」
わざとらしいリアクションと同時に椅子を進めてきた、アレンは真っ直ぐ前を見据えて歩みを止めず椅子に向かった。
すると開けたドアの陰に潜んでいた男が背後から棒を振りかざす。
アレンは見向きもせずに躱し、男の顎に蹴りを入れてダウンを奪い、手にした武器を机の上に置いた。
「連れが落としたぞ」
目の前の男に一言告げて、椅子に座る。
ガタイの良い男が「てめぇ...」と今にも殴りかかってきそうだったが
「やめとけ!今の見てなかったのか!」
と中心にいた男が先程の態度とは打って変わったドスの利いた声で制した。
「で、あんたの話ってなんだ」
男はこちらを見据えて発言した。
その態度には先程の様な嘗めた様子はなく対等に話し合おうという意志が感じられ、ここからがアレンにとっての本番なのだと私は確信した。




