過去と契約2
「ワビさんお願いしますよー、我々の協力も必要でしょう?」
「何度お願いされても断る」
工場の中から男達の話し声が聞こえる。
アレンが顔を出すと黒い装束を身にまとった二人組の男達と話している五十代ぐらいの男性が立っていた。
あれがワビ、白髪頭でシワが深く、五十代とは思えない体つき、褐色の肌は職人の貫禄を高めていた。
気難しく頑固な人間それが私の印象だ。
すると二人組の片方が寄ってきて、「何か用か?」と圧力をかけてきた、身長は2メートル近くあり、筋肉質でなかなかの迫力だ。
アレンは動じず「ワビさんって人に用があるんだが」と応える、この男の物怖じしない姿勢には毎度驚かされる。
「…ではお客さんの邪魔になっちゃうのでお暇しますね」
もう一方の細身で顔立ちの良い男がガタイの良い男を連れて去っていった。
「あんた、ワシに何の用だ」
大声をあげている訳ではないが、こちらに響く声で話しかけてくる。
するとアレンは足早に近づき期待を込めた声で聞いた。
「星を復活させるって本当に出来るんですか!?」
それからというもの二人でお互いの夢について話が盛り上がり、気を良くしたワビはアレンに泊まっていけと家まで案内してくれた。
家に着き、夕食を共にし、酒を飲み、夜が更けても話を続けていた。
「随分と肝が据わっていると思えば、そうかアレン君も戦争を経験しているのか」
「ワシも今から三十年前、戦争が始まった時参加した?」
「参加した?」
「あぁ、自ら好んで行ったからな」
「昔から機械弄りが好きだったワシは国の為と大義名分を掲げ、妻と子を残して家を飛び出した、本当はただ自分の技術力を見せつけたかったのさ」
「案の定ワシの技術力は他の者達より秀でていた多くの兵器を作り勲章ももらい浮かれておった」
「兵器を作るという事は敵にもその存在を教えるという事だ、お互いにより優秀な兵器を作るようになり、ワシの技術はより多くの命を奪っていった」
「...」
「最後にはワシの作った兵器で故郷は焼かれ妻と子は亡くなった」
長い沈黙が訪れる。
「酔っ払ってしまったようだ、今日はもう寝よう」
強引にワビがお開きとし眠りについた。




