悪友と契約3
アレンのいう仕事は自分で遠出するのが困難であったりする人達を定期的に診察しているそうだ。
ただこの中には正規の治療には行けない人なども混ざっており正しい行いとは決して言えるものではなかったが、どちらかといえばボランティアに近く金銭を貰える事の方が少ない仕事だった。
仕事も終わった所である場所へ向かった、【王国軍駐屯所】この場所で男を呼び出す。
来たのは【ハラス】という男でアレンと同い年の小太りで隊長を務める人物だ。
顔も態度も体までデカイというのが私の印象だ。
ここでもう一つの仕事を始めるらしい。
「先生、いつも見回りご苦労様です、私の体調は良好でしょうか?」
「冗談はいいから早く出すものを出せよ」
「ふん」
そう言ってお金を渡してくる、今日一番の金額だ、そのお金を見てアレンは怪しげな物をちらつかせた。
私はその物に見覚えがある、アレンが作っている自作のタバコだ、この国ではタバコ自体は違法なものではないが高級品で貴族が好む嗜好品という感覚だ。
それを通常よりも安値で王国軍に売り、繋がりをもつ事である程度の悪事は目をつむってもらおうという策略が透けて見える。
「ん?早く渡せよ言いたい事でもあるのか?」
「最近つまらない商売をしているそうだな」
「......」
「三兄弟にはもう手を出すな、それだけだ」
そう言ってアレンはタバコを取引の道具として見せつける。
「わかったよ、せっかく楽に稼げる方法だったのに」
取引は成立しお金を受け取りお互い足早に立ち去った。
さてもう夜も更けてきたというのにここから
一時間、重い荷物を抱えながら帰るとはアレンの底知れぬ力が垣間見える。
「今後荷物を10分の1の重さにしてやろうか?」
アレンの叶わぬ夢より楽な条件を提示して、私はこの男から解放されるのを試みる。
私の出した条件にアレンは首を横に振る。
(さっさと私を自由にしろ)
これから毎日小さな事でも条件を出し契約させる算段を悪魔は心の中で考えるのだった。




