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プロローグ

 始めまして。「まほかんた」の略称で覚えてください。

 ジャンルについてですが、ローファンタジーにしたら良いのか、アクションにしたら良いのか分かってない状況です。今の所はローファンタジーにしてますが「○○の方がジャンルとして正しいよ!」という意見がありましたら教えてください。

 『平和な日常はつまらない。命の危機があるような、スリルに溢れた日々を過ごしたい』中学二年の男子なら誰もが抱くであろう願望だ。

 GW(ゴールデンウィーク)最終日、何も用事が無かったオレは漫画やゲームやアニメを楽しみつつ、そんな願望に浸りながら過ごしていた。

 少し考えてみると、ずいぶんと失礼な願望だと思う。世の中には紛争や飢餓で明日の命があるかも分からない人が沢山いるというのに、平和な国に生まれた人間はこの身勝手さだ。第一、仮にそんな日常になったとしたら、ひ弱なオレは真っ先に死ぬのがオチだろう。あまりに馬鹿馬鹿しい願望だ。

 でも、そうは言ったってしょうが無い。中二男子とはそういう生き物なんだから。そう開き直って、またスリル溢れる日常の妄想を始める。

 そんなループを繰り返しながら過ごしていたGW(ゴールデンウィーク)最終日の夜、学校の先生から電話がかかってきた。


塔岡(とうおか)君、こんばんは。今お話し大丈夫ですか?」


「あ、先生こんばんは。大丈夫です」


「そうですか。明日クラスに加わる転校生の歓迎会について話があって電話しました…」


そう言って先生は連絡事項を話し始めた。


 おっと、自己紹介がまだだった。オレの名前は塔岡(とうおか)一典(かずのり)。中学二年生だ。身長は150センチ。周りのヤツらに比べて小さいのは気にしているが、コンプレックスと言うほどではない。

 「どこにでもいるごく普通の」なんてダサい枕詞を付ける気は無い。せっかく人間として生まれたこの(せい)をそんなチンプな言葉で飾るのは自分に失礼な気がするし、他人に自慢出来るようなコトも片手で数えるくらいにはある。

 とは言ってもまあ、さっきから妄想してるような非日常に世界が変わった時に人類を救える特殊なチカラがあるワケでは無いし、それどころか、テレビや雑誌で取り上げられるようなスゴ技を持っているスーパー中学生というワケでも無い。そういう意味で言うなら「普通の男子中学生」で間違いないだろう。


「…そういった流れで明日の歓迎会、海月(うみつき)さんと協力して頑張って下さい」


「はい、頑張ります」


「お願いします。それではおやすみなさい」


「おやすみなさい、先生」


 先生に挨拶をして電話を切った。どうして明日来る転校生の歓迎会の流れについて先生から電話が来たのかというと、オレがクラスの学級委員だからだ。先生の言う「海月さん」というのはクラスのもう一人の学級委員を務める女子の名前だ。

 これだけなら「ふーん」で済まされるかもしれないが、少し自慢させて欲しい。オレはクラスの学級委員でありながら、学校の生徒会で庶務も務めているのだ。ウチの学校の生徒会は会長、副会長、書記、庶務の4人体制。中学二年生にしてその一員、なんて中々スゴいんじゃないか?さっき言ってた「他人に自慢出来るようなコト」の一つだ。

 さらに付け加えると、もう一人の学級委員である海月は生徒会の副会長だ。生徒会メンバーの半分がオレのクラスで学級委員をやっている。なんともアンバランスな話だが、クラスがそう割り振られているのだからしょうがない。それに、生徒会役員が2人いるからといってオレのクラスに特別な何かがあるワケじゃ無い。特権を持っているだとか、神がかった手腕でクラスの議論が進行するだとか、そんなコトは無いのだ。そういう意味ではオレ自身と似ているよな。

 先生との電話が終わってから寝るまでの間、オレの頭の中は明日来る転校生のことでイッパイになった。転校生は女子なのだと先生から聞いた。「可愛い子かな」「オレに告白してきたらどうしよう」なんて中二男子らしい妄想も浮かびはしたが、一方で明日進行を勤める歓迎会についての不安も出てくる。転校生がオレのクラスに上手く馴染めるか否かは明日の歓迎会に左右されるのだ。責任重大である。それに加えて、明日転校生をクラスに迎えるに当たり、懸念点が2つほどある。

 でも、深刻に悩んだりはしない。必要以上の緊張感は失敗のモトだ。「やりゃあ上手く行く」と気楽に(のぞ)んだ方が良い結果になるだろう。そう気持ちを切り替え、ベッドで眠りについたのだった。


 その夜の日が、平和な日常の最後の日になるのだとも知らないまま…。


次回から本格的に物語が始まります。

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