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7. 夜会デビューをします

こんばんは。

本日もお立ち寄り頂き、ありがとうございます。


今回のドレスは芸能人のプロデュース物をイメージして書いたので、ニュアンスが伝わると嬉しいです。


少しでも楽しんで頂ければ幸いです。


宜しくお願いします。





彬は結婚式以来のドレスに袖を通す。


普段、やんちゃな息子達を相手にするのでスカートなぞ履けない彬は、めっきりスカートを履くことに抵抗があった。その為、こちらでもロングスカート風のワイドパンツを履いていた。試着の時に足がスースーすると言って、リーゼロッテには呆れられた。


胸は大きいがウエストは普通…より少し太い彬はコルセットに堪えられそうになく、錯覚を利用して細く見えるよう、現代の知識を利用した。


色は白と黒のツートーンで、なんと大判のチェック柄だ。くびれをしっかり意識させるため、張りのある素材の黒く太いリボンで、しっかりとウエストをマークした。そして結んだリボンを後ろへ縦に長く流すことで、身長が低いこともカバーさせた。


ウエストから下のスカート部分はわざと布を何枚も合わせて縫い上げ、柄を切り替えさせた。そして何ヵ所か、所々を摘まみ、そこに黒と白地のフリルをつけた。グローブは肌が透ける黒のオーガンジー生地でロングにし、極力肌の露出は避けた。いくら童顔とはいえ、流石に若い女性には敵わないからだ。彬は流石に人生経験が長いので、わきまえていた。そしてスタイルがよく見えるように、大きな胸は正面から見て、体のラインに収まるように、寄せるハーフカップブラのようなものを作ってもらった。お陰で胸はスッキリした見た目だから、なんとか若見えするだろう。アクセサリーはもう一色の白、パールで統一したから、品もあるだろう。


ともかく、彬の準備は整った。それと同時に扉がノックされ、アレックスが迎えに来てくれた。


「お!凄く素敵じゃん!あきら、よく似合ってる。」


彬の姿が見えた途端、アレックスは破顔しながら、褒めた。あまりの褒めっぷりに、照れてしまい、逆に彬は尻込みした。


「あ、アレックス…、あ、…ありがとっ!でも、褒めすぎ…だと思うの…。」


「あっはっは!そう?!俺的には褒め足んないけど!こういう時は受け取った方が精神的にもいいんじゃない?堂々と楽しもう、サポートは任せて!…エスコートさせてくれて、ありがとう。」


さっきの破顔から、ほんのり頬を赤くしたような、柔らかい笑みにかえて…アレックスは彬に笑いかけた。彬もつられて笑った。


四人、支度がすんだところで城へ向かった。馬車の中では今回の夜会の主旨や流れをおさらいする。基本的にどの夜会も受付の仕方は一緒であるが、王家主催の格式張った夜会だと入る順番もあるらしい。彬の頭の中は江戸時代の参勤交代で待たされる大名達が浮かんでいた。


馬車から降りる時。歩く時に、階段を乗り降りする時等、色んな場面のエスコートに対応することで頭がいっぱいな彬は、その斬新なチェック柄が注目を浴びていることも、アレックスと彬に秋波が送られていることにも全く気づいていない。


よく分からないが、小声で話さなけれはならないせいか、いちいちアレックスが耳元で声をかけてるくることにも参っていた。身長差のせいで、余計に不意打ち状態で声をかけられ、おまけに間に彬を褒める言葉を挟むのだから狼狽し、彬は独身時代のような感覚に戸惑っていた。


異常な人外美形が傍にいるせいで感覚がおかしくなるが、アレックスは相当格好いい。背は高く、手足が長いので立ち姿はモデルのようでとても凛々しく、鼻筋が通っていて、目も大きく、理知的な美形だ。おまけに面倒見が大変よく、仕事もできる。こんな格好いい青年に世話を焼かれるなんて、経験がない!…怪我して入院した時の担当の看護師くらいかもしれない。


というわけで、いろんな緊張の中、挨拶廻りはしたが全く記憶に残らなかった。


お陰で、アレックスの胸元のチーフやジャケットから見えるカフスがチェックでお揃いコーデだったことにも気づかなかった。





一度出てしまえばあとは慣れだと言わんばかりに、彬はパーティーや夜会に頻繁に出席している。但し相変わらず年齢はリーゼロッテと同じ30歳の設定だ。童顔のお陰で無事に年齢確認をされたことはない。リーゼロッテは私の後見人のような立場なので、毎回サポートの為に参加してくれている。


私目当てで話しかけてくれる方々、ごめん。ほんとは43歳なんだ…。角がたたないように、誰を選んだとかないように、皆さんが楽しく過ごせるよう頑張るから許してほしい。毎回彬はこう思って過ごしている。なにせ、国家事業。リュートルク達がお咎めを受けるような事態は避けたい。


そして彬自身もどうせ半年を凌ぐだけだが、夫に大切にされていないし、女性としてもみられていないので、偽物だけれど人生最後のモテ期を楽しもうと思い、なるべく楽しむことを心がけた。


そんな中、顔見知りもできた。

一人は小悪魔?色気駄々漏れの美形青年、もう一人は溌剌とした好青年、もう一人はリーゼロッテの義理妹だ。


基本的に彬は話題の異世界人としてよく声をかけられるが、秘密を守る為に長い時間誰かと一対一になることは避けていたので、まだいいなと思われる程度で済んでいた。しかし仲良くなった小悪魔青年が、公衆の面前で花を渡しながらデートに誘ってきたことで均衡は崩れた。誰かしらと出掛けねばならなくなり、彬は忙しくなった。小悪魔青年に文句を言うと、そろそろスパイスが欲しかったでしょう?ふふふと蠱惑的な笑みでかえされた。


余計なお世話だと苦く思ったので、誰も見ていない隙をみて、後ろから「膝かっくん」の悪戯をしてやった。ざまぁ。





お読みいただき、ありがとうございました。


次も楽しみにしていただけると嬉しいです。


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