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6. 私の。二人の。

おはようございます。


よく晴れて良い気持ちです。そんな皆様に楽しんで貰えれば嬉しいです。


宜しくお願いします。







「甘いお菓子と赤い薔薇は贈り物の定番です、の『あ』!」


アレックスの声だった。

明るく男らしい快活な、けれど優しい声がスルリと耳に入ってくる。一番練習した文字に体が反応する。


「はいっっつ!!」

 

バシイッ


誰もまだ動いておらず、私の手だけが札の上にある。


「やったぁ!獲れたっ!私の『あ』!」


思わずガッツポーズで大喜びしてしまう。


「うわっはっはっ!やったぁ!」

「ふふっ、あらあら。ほんとに子供みたいね。」

「やったじゃん、あきら!速かったね!」

「それにしても、凄い気合いだったな!驚いたよ。」


皆が口々に誉めてくれた。ようやく自力で獲れた一枚が、めちゃくちゃ嬉しい。


「だって、やっとよ!くぅ~!!これよ、カルタはこうでなくっちゃ!」


説明しよう。


今までは三人がすぐに気付き、私にそれとなく場所を示唆しつつ、まるで公家のような動きで札を獲っていた。まぁ、この人達ほんとに貴族だけども。しかも私はカルタ漫画も読んでいたので、大人だが躊躇ない動きだ…。


「本来はこんな感じで獲るのよ!だから皆がどんどんスピードアップしていくの。今日は実力差がありすぎるから、皆には申し訳ないけど、楽しめると思うよ。」


興奮気味に言う私にあははと大きく口を開けて笑うリュートルク、クスクス笑うリーゼロッテ。そして私のガッツポーズに釣られたのか、手応えを感じてるのか拳を握るアレックス。


「これ、流行るよ!男同士でやったら、ヤバそう!本格的に作ろうよ!」

「…出会いの場で提供したら、大混乱でしょうねぇ、ふふっ。メンバーは不埒なことがないように厳選しないとね!」

「うん、あきら!よかったな!文字の普及に一役買うのも、副業としても成り立ちそうだ。あ、でも…。」


ふと真顔でアレックスが聞いてくる。


「なんで『あ』が『わたしの』なんだ?」

「あぁ、それはね。あきらの『あ』じゃん?」

「なるほど、確かに『リ』は姉さんに獲られたら悔しいかも。」


リュートルクが頷くので、私も鼻息荒く追従する。


「でしょう?!これで、私とアレックスが絵柄になってたら、絶対獲れるのに!」

「なんでですの?」

「だって二人の『あ』じゃない!二人で髪も黒だし、絵札の中でもすぐ分かるわよ!」

「はぁ?!ちょ、ちょっと、あきら?!」

「あらら~。意味深に聞こえるわね。」


顔を赤くして慌てるアレックスと、ニヤリと目元で嗤うリーゼロッテ。


「あきら~。ここは日本じゃないから加減しないと、みんなのこと撃沈させるよ?」

「何いってんのよ、こんなに年齢上なんだから範疇外だから。」

「いやいや、その顔面年齢は詐欺だから。自覚して。」


人外美形に指摘されるのはなんか納得いかない。










こうしてかるたプロジェクトを進める中で、私も夜会に出る日がきた。


流石に年齢的にフリルだらけやリボンだらけは嫌だったので、こちらでは斬新だという馴染みある柄のドレスにした。そしてリュートルクにエスコートされて紹介される予定だ。召喚担当なので、エスコートは毎回リュートルクがするそうだ。普段であれだけかっこいいのだから、正装したらどんなことになるのやら。後光で顔が見れない気がしてしょうがない。鼻血で衣装を汚さないかも心配だ。


「あきら、ごめんなさい、今夜のエスコートだけど。」


申し訳なさそうに朝食の席でリーゼロッテが話し出した。


「実は夫から急に今夜のエスコートが出来なくなったと連絡が来たので、リュートルクに私のエスコートを頼まなければならなくなったの。」


渡りに船だった私は、おくびにも出さず承知した。だってさ、既婚で子供がいる43歳がイケメン過ぎて鼻血が心配ですって言える?


「その代わりアレクに頼むから。アレクなら髪色も同じだし、衣装もすぐ合わせられるし。何よりあきらが安心できるでしょう?」

「確かにアレックスなら安心!はぁー、私がなにかやらかしてもフォローも完璧そうだよね。」

「あはは、そうね。アレクなら完璧よ。なにせ、普段からリューの世話をやいてるからね。」


それはそれは…という言葉は引っ込めた。


お読みいただき、ありがとうございました。


次も楽しみにしていただけると嬉しいです。



宿題に追われている私(追い立てる側ですが)にいいね!ボタン、ブックマーク、優しい感想などでお力ください。どうぞ宜しくお願いします。

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