12. 昼も夜も有能な男は枯れかけの花を生き返らせる
こんにちは。
本日2話目です。読んでいない方がいたら、本日投稿1話目を読んでからお越しください。
R15です。苦手な方は明日の最終話までお待ちください。まぁ、なんとか分かるかなと思います。
どうぞ宜しくお願いします。
「ひっ!何いってんの!」
その声が合図となったのか、アレックスと彬の攻防戦は激戦となる。
途中、雰囲気を変えようと呼び掛けて褒めてもみたが。
「……光栄だ。どうだ、喋る気になったか?」
一瞬カチンと来た。年下が偉そうに何を生意気なことっ…と思ったが、アレックスだっていい大人である…。むしろ、こちらの世界なら子供がいてもおかしくない。気を取り直しつつ、何となく癪で、つい、挑発するような返答をしてしまう。
「んー?!…なんのこと…よっ!」
「…よし、まだだな。…俺は早く白旗あげた方がいいと思うけど、まだあきらが頑張るなら、付き合うよ?」
ふっ、と優しげに微笑んだアレックスにますます甘やかされる。
「…あきら、こういうこと、俺とするの嫌じゃないよね?…久しぶりだったり…する?」
彬は抵抗がないこと、久しぶりなことを素直に白状した。アレックスに真剣に愛されて、心に蓋をしておくことができなかったからだ。
一方でそれを聞いたアレックスは10年という長い歳月を聞いたのにリアルすぎて冷静でいられず、頭が沸騰しそうになっていた。しかしここが正念場だと思い、全部の秘密をさらけ出させるために、彬を焦らすことにした。所謂「北風と太陽」だ。そしてその罠にはまり、だんだん焦れてきた彬は我慢が効かなくなり、ちらちらとアレックスを覗き込む。余裕そうにしながら気づかないふりして、アレックスは別なことを考えていた。
アレックスにしたら、彬は根掘り葉掘り聞かないと全く何を考えてるのか分からない人間だった。女性の気持ちなんてさっぱりなのに、異世界のこの女と来たら、年上で自分を子供に見て、ますます思考が分からない。今聞き逃したら、一生分からないままな気がする!だから絶対白状させる!と…。
一方で彬はもう限界が近くなっていた。アレックスの甘い愛し方に、
「異世界の愛情表現教育って素晴らしい、ネット社会も実地教育の善さを捨ててはいけない」
と下らないことを考えて誤魔化そうとしていた。だが、ただ単純に…こんなに情熱的に愛されるのなら、…アレックスなら、受け入れたいとも想っていた。結婚してるのに一人で奮闘しているような、夫がいるのに愛などなんにもない無機質な時間とはさよならして、もう一度…結婚していることを、愛する人と生活できる幸せを感じられるかもしれないと思った。年齢とか既婚だから我慢だとか、自分も正直に、好きな人と幸せになりたいと思った。
それが本心だとどうアレックスに伝えるかだが、激戦中で頭が回らない上に、彬はそろそろ我慢がきかなくなっている。
しかしまだ焦らそうとするアレックスに、いい加減彬は切れた。
「…いいの!…人生で最高に…いいのっ!…アレックスがいいの!好きなの!嬉しいのっ!!」
その瞬間、アレックスが綺麗に花が咲き溢れたように笑った。
「待ってた、あきらが堕ちてくるの。」
その顔反則ですからーーーーーー!!
結局、まるっと全部、彬は喋らされた。ひくひく半泣きしながら喋った。
「しんぱい…だったのぉ…。夫婦生活の価値観が…合わなかったら…、またすぐに相手にされなくなったら…。すごい年下でカッコいいのに…。ずっと求められたいの。心も体も愛してほしいの!…私だって!…」
「あきら…!…っく、ばかっ!」
そしてその告白にアレックスも堕ちた。顔は真っ赤になっていた。
それぐらい思ってもみなかった内容で、あけすけで、恐ろしく男を煽る言葉の羅列だった。
こうして一晩かけて、アレックスが力業で彬を落としたが、アレックスの頭の中は非常に忙しかった。
なぜなら自分が考えてた以上に彬を好きだったと気づいたからだ。可愛くて可愛くて、年齢なんか知るかっ!彬を幸せにするためならなんでもしてやると、心に誓っていた。
きっと彬は望むだろうから、彬の子供達も迎える手筈を整えよう。多分彬は数ヵ月後の審判の儀式で弾かれるか、戻る時間軸がおかしくなっていて元の世界には戻れないだろう。リューをすぐに巻き込んで、王子達の知識も借りよう。対価は俺だ。お釣りがくるだろ?
…絶対に彬を幸せにする。
ぼんやりと夢現の彬はなんとなく、元の世界を思った。
夫と職場はどうにでもなるだろう。子供達と親姉弟が心配だ。アレックスに相談しようと思った。放置されっぱなしの自分には戻らない、こちらでアレックスと生きていく決心をし、アレックスに抱き締められた自分が、ようやく息ができた嬉しさに目を閉じた。
お読みいただき、ありがとうございました。
次も楽しみにしていただけると嬉しいです。
尚、お話はフィクションであり、あくまでも異世界転移という特殊な状況です。思想を誘導、強制するつもりもないので、ご理解下さい。
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