11. 鳴かぬなら鳴かせてみせよう
こんばんは。
計算したら、1日足りないので、本日2話投稿します。
前後間違えて読まないようにお気をつけください。
そしてR15内容です。思いっきり改稿しましたが、心の動きとして残したい部分もあり、この形です。苦手な方は最終話まで飛ばしてください。なんとか分かる、と思います。
どうぞ宜しくお願いします。
抱き締められた彬は、アレックスの背中に腕を廻した。ぎゅっと顔を押し付け、少し服を引っ張るように、アレックスの上着を握る。
「…アレックスのこと、いいなって…思う。さらさらの黒髪で、凛々しくて、カッコいいなって思ってる。リュートルクより、私のタイプだと思う。」
上手く自分の気持ちを言葉にしたい。告白は素直に嬉しいから…。
「仕事でリュートルクのサポートしてるとこも格好いいし、低い声もいいなって…。実は何気にアレックスの手に…よく見惚れてる…。皆に公平に優しくて、だけどストレートに愛を伝えてくれるのもすごくいい。そんな経験ないから…。」
アレックスはそれを聞いて嬉しくて、叫びたい気持ちを押さえて、抱えてる彬の頭を優しく撫でる。
「嬉しいよ、あきら。ありがとう。…じゃあさ、確認したいことって何?」
彬の体が固くなったことに気付き、アレックスは優しく問いかける。
「なんでも確認してほしい。でも何を確認したいのか、教えて?ちゃんとあきらに伝えるよ。ダメなら直すから教えてほしい。」
「…えーと、それはそのうち…ね。」
彬の歯切れの悪さに不審を感じ、怪訝な顔をしてアレックスは問う。
「そのうちって、言うつもり、ないんじゃないの?それじゃぁ、あちらに戻るかどうかの審判の日に間に合わないかもしれないし、他の男に行く可能性もあるだろう。…なぁ、何を確認したいんだ?」
アレックスはこのチャンスをなぁなぁにするつもりはなかった。半端に避けられるのもモヤモヤするし、好きな人に気を遣わせるのも嫌だったので、はっきりとさせたかった。しかし彬の答えは満足するものではなかった。
「確かに。…確認してアレックスではだめだって判断することはあると思う。実際それが原因の一つで駄目になった彼もいたし。でもこれは…言えないよ。」
「…あきら?」
「ごめんね、私のこだわりで。」
二人共に沈黙が続いたが、アレックスがそれを打ち破る。
「あのさ、それ聞いて、はいそうですね、って言えないだろう?好きな女性に振られるかもしれないんだぞ?」
「うん、そうだね…。」
「好きでも、それがだめだと結婚しないんだろう?」
「うん、実際それを体験して、無理だなって思ったもんね。」
「体験して…?」
どう言葉を重ねても、彬は話しそうにない。
アレックスは実力行使に出ることにした。さっきの、彬の自分への気持ちを聞けたから、もうこの方法でいいと思った。旦那が好きだとか、結婚してるから駄目だとか言う言葉は出なかった。好きだとは言われてないが、男性として、人間として好みだいうことは伝わった。…幸い、時間はある。
アレックスは彬の頬に両手をやり、自分は屈んでおでこを彬のとコツンと合わせる。そして軽く頭にキスを落とす。
「わかった、今は言えないのな。」
「うん…ごめんね、わかってくれてありがとう。」
「礼はいらない。今から言ってもらうよう努力するから。」
「うん?努力って…。」
そう言ったアレックスは突然ギラリと鋭い表情になり、そのまま、がっちりと頬を固定して息継ぐ暇のないキスをしてきた。声も出せない程の執拗さで、長くそれは続く。酸欠になりそうな程のキスで、経験者の彬も苦しくなり、振りほどこうと身じろぎして唸る。もう、ダメだと思ったら、ようやくアレックスが息を取り入れるために少し口を離した。
「…はっ…はぁ…いくらなんでも急…んんっ!」
やっと息ができると思ったのに、また口を塞がれる。今度は少し角度をずらされる。まるで息継ぎの道を教えるようにずらされ、酸素を求めて口を開けたところに、アレックスのキスが追従される。口内を縦横無尽に動くアレックスに彬は翻弄されてしまう。
「んっ…はっ…はっ…。」
ガッチリ押さえられた手は緩むことなく、押さえられたままで、彬には逃げ場がない。ついていかないと苦しいキスはだんだんに彬の中に熱を溜め始め、いつのまにか自分も受け入れていることに気がつく。
アレックスとのキスが気持ちいい。どんどん使われていなかった彬の女性としての感覚が戻ってくる。
…気持ちいいキスの先にはもっと気持ちいいことが待っている。
…キスが気持ちよくないと、その後も合わないことが多い。彬は経験的に知っていて、アレックスの確認をしたかったことのひとつはこれだった。
彬は強引さに弱く、まぁいいかと引きずられてしまいがちだ。昔付き合った強引な彼氏に結婚直前まで外堀を埋められたことがあり、それの感覚が非常に合わないのに結婚することに不安を抱いていたことがあった。たまたま彬は統計調査で離婚の第一原因がその行為が合わないことだと知っていたからだ。…結局その結婚は流れたが、夫とはそれが最高だからと結婚したわけではない。ある程度の基準を満たし、好きという気持ちが強かったから結婚したのだ。
だからもし乞われて乞われて結婚するなら、水準のクリア
を求めても仕方ないと思っているし、キスが気持ちいいので多分確認事項はクリアしているが、流石に恥ずかしくて…アレックスには言えなかった。
しかしこの感じだと、途中で言わされてしまうかも…と頭が冷静になる。…乞われていたのに、引かれるのは嫌だ。どうにか言わされないよう、快感に引っ張られ過ぎないようにせねばと思う。
彬の思考が流れたわけではないが、考え事をする余裕に気づいたアレックスは次の手を繰り出す。深いキスをしながら、耳や首筋、脚など触れる部分を優しく撫で始めた。
驚いて思わず声を出したが続行される。アレックスの攻撃に身悶えして、いつか覚えてろよと睨むが、全然怖くないのだろう。アレックスはようやくキスをやめ、熱っぽい顔で彬を見て、くすりと綺麗に笑った。
「あきらは耳、感じるんだ?じゃぁ、もっと…だな。」
アレックスは耳朶を甘く噛み、反対側の耳や首筋を優しく撫でる。どんだけ甘やかすのか、ひたすらアレックスは彬を愛し、独りよがりにならずに彬の様子をみてくれる。
弱いところを重点的に責められ、すっかり身体に熱を溜めてしまった彬は、熱い息を吐きながら、音とアレックスの愛撫に反応する。耳にキスをしながら、アレックスは彬の体のラインをそっと撫でる。びくりと身体を縮め、ついアレックスをみると、彬をひしと見つめていて、目があって、笑う。
「服の上から触ってるだけなのに…そんな可愛い声出しちゃだめだろ…。そんなに反応するのは…想像してなかった。…そんなに俺のこと虜にさせてどーすんの?」
アレックスはちゅぅとリップ音をたてながら、彬とキスを深める。片手は彬の胸に触れ、もう片手で彬のシャツのボタンを外していく。今度は彬も止めなかった。朦朧としてきて、理性がぐらぐらする。
「気持ちいい…?嫌じゃない…よな、その顔。もっと素直になっていいのに…。今度は直接可愛がって、口を割らせようか。」
お読みいただき、ありがとうございました。
読んでくれた方は次も楽しみにしていただけると嬉しいです。
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